こんにちは、服地パイセンです。
以前投稿したメンズのバッグ選びで失敗しないために…という記事で、『汎用性と専門性のバランスが大事』と書きました。(たくさんのコメントをいただきありがとうございます。)
やはりバッグは移動手段や用途に合わせて使い分けてる人が多く、バッグは守備範囲を理解して活用することが大事だということをあらためて感じました。
例として縦型の大容量の3wayバッグが使いづらいことを挙げましたが、無理に機能を増やすとかえって使いにくくなってしまうことが多い。やることとやらないことを理解しているようなプロダクトが良いというのが僕の考えです。
今回はご縁があって、そんな考えにぴったりなバックパックをご提供いただいたので紹介させていただきます。といいますか、本気で応援したいブランドなので一人でも多くの方に知ってもらいたい。HOLICC(ホリック)というブランドのバックパック「One」です。
なぜ応援したいのか。製品の機能性が高くで品質が良いのはもちろんなんですが、ディテールのひとつひとつに製作者の想いがこもっているのがひしひしと感じ取れるからです。『人の心を動かすのは、作り手の熱い気持ちだなぁ』と久々に思えたアイテムです。
そんな僕の実体験を交えてレビューします。
HOLICCの「One」について
どのような想いで開発され、どのような実績があるのか。そしてどんな機能の製品なのか。まずは簡単にまとめます。
HOLICC(ホリック)ブランドの想い
今からちょうど2ヶ月前の6月29日の夜、宅配ロッカーに荷物が届いていました。今回のアイテム、Oneです。
ネットで何でも注文できて家まで届けてくれるようになってずいぶん経ちますが、いつだって荷物が届くのは楽しみなもんです。
リビングに持ち帰り、開封して製品を手に取る前から感動がありました。届いた外箱に書かれていたメッセージにグッときたんです。
『本気で仕事して、本気で旅して、本気で遊ぶ』
『旅して働くを、もっとしやすく、HOLICC』という文字が。
おいおいおい、本気じゃないか。
僕はアパレル通販の会社で働いているせいか、梱包資材にかける想いとかには敏感なんですが、封を切る前からその想いがビンビン伝わってきました。
買い物って、お金を払う瞬間が一番気持ちが昂っているらしいです。そして徐々にその熱は冷めていきます。つまり、ネットで注文して手元に届き、いざ実物を見るときはすでにその時ほどの興奮はないそう。『なんでこれ買ったんだっけ?』なんて思ってしまうことも多いものです。
ところが開封前にこの強くてわかりやすくメッセージを目にすることで、目的を再確認できるというか、『このバッグを背負うことで明るく楽しい未来が待っているんじゃないか』そんなビジョンを見せてくれるような感覚がありました。
そして箱の中には、製品だけでなくHOLICCの理念やバッグの使い方を説明してくれる小冊子を同封してくれていました。
WEBの商品ページで一通り説明は目にしているのですが、紙の質感を感じ取りながらページをめくるとより一層頭にはいってきます。
HOLICCは、"旅して働く"をもっとしやすくするためのアイテムを開発、販売するブランドです。
「旅」とは自分の好きを追求して移動すること。
行きたい場所に行く、会いたい人に会いに行く、食べたい物を食べに行く、それらすべてが「旅」だと考えます。
(中略)
「HOLICC」は何かに夢中になることを指します。
それぞれの「HOLICC」を追求する「旅」を通じて培った様々は経験は、仕事にも人生にも必ずプラスの影響を与える。
そう信じているから、もっと同じ思いを持つ人たちとエンパワーメントしていきたくて、「旅して働く」をしやすくするアイテムを自ら開発、販売するブランドを作りました。
-HOLICC Brand Bookより引用-
ブランドの理念や使命がわかりやすく書かれています。色んな製品をみてきましたが、こんなに強くてわかりやすいメッセージはなかなかありません。物や情報に溢れている現代において、『伝えること』はとても重要です。
ホリックの製品はどんなプロダクト?
HOLICCのOneを短い言葉で現すなら、「洋服圧縮で大容量なのにコンパクト。これ1つで旅して働ける究極のバックパック」です。
洋服の圧縮機能があり、大容量なのに機内持ち込みもできるコンパクトさで、これ一つで身軽に出掛けられます。
旅行はもちろん、街中やビジネスシーン、さらにアウトドアでも使えるデザインでどこに行くにも合います。
また「One」は用途別にスペースを区切り、メイン収納部分はスペースを上下に分けた構造。
出したい荷物をすぐに取り出すことができます。もちろんPCスペースもあり、仕事にも対応します。
140ヵ国以上を旅した代表を筆頭に、世界一周をしたメンバーが多数在籍し、熱い想いを持って運営しているからこそ、思いつくような機能が散りばめられています。詳しくは、後ほどディテールを解説するので、そちらをご覧ください。
どんな実績があるのか?Makuakeで…
近年ではクラウドファウンディングからスタートするブランドも増えています。
今回のOneは、Makuakeのクラウドファンディングで1000万円以上の支援を集めた実績を持ちます。ちなみにこれは目標金額の約36倍という驚愕の数字です。そう聞くとブランドって案外始めやすいのかと感じるかもしれません。事実、D2Cブランド(製造者が直接消費者に販売する形態)とクラウドファウンディングは相性が良いと思います。
ですがクラウドファウンディングで目標金額を達成できるのは一部で、70%以上の確率で失敗すると言われています。それだけ簡単なことではないんです。そんな中で目標の36倍という実績を叩き出すのはやはりすごいことです。
HOLICCのバックパック「One」ディテールを解説
(2023年12月に更に使いやすくアップデートされました。詳しくは公式WEBでチェック)
これは収納スペースを説明する画像です。よくあるパックパックと比較すると、収納箇所の数が全然異なります。
説明を見るだけでもそれは伝ってくるのですが、バッグは適切な箇所に適切な収納があるのが絶対使いやすいです。実際に使ってみるとより一層そのことを感じることができます。それくらい細かいところまでしっかり設計されています。
HOLICCといえば『圧縮機能』
圧縮機能のあるバックパックは初めてみました。この素晴らしいアイデアは、元々PackBagという圧縮バッグの構造をバックパックに取り入れるという発想からスタートしているそうです。
荷物の中で特にかさばるのは衣類で収納の大部分を占めます。なのですが、衣類は空気を多く含みます。つまり、空気が容量を圧迫していると言っても過言ではありません。
この空気を抜くというのは、荷物をコンパクトにするのにすごく理にかなっていて最大50%ほど圧縮できます。そして圧縮機能デザインを最適な箇所に配備することで、副次的なメリットも生まれます。
圧縮で体に近づく分、軽く感じる
スーツケースのように拡張機能を持つバックパックはあるのですが、HOLICCは拡張ではなく圧縮。これの何がすごいって、背負った時の重さの感じ方が変わります。
例えば、長さ1mの棒と2mの棒があって、どちらも先端に1kgのオモリがついているとします。
その棒を持ち上げると、1mの棒の方が少ない力で持ち上げることができ、2mの棒の方が重たく感じます。つまり、オモリの重量は同じでも、オモリと持ち手の距離は体感にかなり影響するということです。。
その要領で、圧縮の前後で荷物の重さ自体は変わりませんが、ショルダーハーネスや背中から荷物までの距離が近くなり、軽く感じられるようになるんですね。
ファスナーの構造が型崩れを防ぐ
圧縮機能はバッグの耐久性の向上にも役立ちます。
通常のファスナーとしては最も大きく強靭なファスナー(YKK10号)を使用。それが外周を囲う形になっているのでリュック全体の堅牢度が増し、型くずれしにくいようになっています。
3辺どこからでも荷物を取り出せる
3辺どこからでも開けられるダブルファスナー仕様のため、部分的にファスナーを開けて洋服を取り出すことができるように設計されています。
例えば底の方に取り出したいものがあるとき、通常は上部から手を入れてそこを探らなければなりません。
Oneの場合は3辺どのからでもアクセスできるため、画像の(3)のファスナーだけを開けて取り出すことができます。荷物が多いときにこの機能はとても便利です。
PCスペース、中間層へも配慮
圧縮することで他の荷物に圧がかかってしまう点にも配慮がなされていました。
圧縮の影響が中間層側に出るのを軽減するために、洋服圧縮スペースとメインスペース・オーガナイザースペースの間に取り外し可能なベルポーレン板を入れています。
さらにPCスペースから一番遠い場所に配置し、圧縮によりPC画面が圧迫されるリスクを減らしていました。細かな配慮が行き届いています。
シンプルでスッキリしたデザイン
街中やビジネスシーンでも使いやすいよう、シンプルですっきりとしたデザインに仕上がっています。
ロゴだけが見えるデザインなので、主張しすぎずスタイリッシュでシーンを選びません。
PCスペースは独立していて安全な設計
ノートPCは、EVA素材で守られた独立スペースに収納できます。専用スペースなので、荷物をかき分けることなくパッとPCを取り出してスマートに作業を始めれます。
超低反発なショルダーハーネス
旅の重い荷物を持ち歩く際に重要なショルダー部分は、超低反発フォームで、衝撃吸収機能もあるため重さを感じづらくなっています。背面のクッションも抜群で背中へのストレスを感じさせません。
メイン収納は上下に分かれていて『コ』の字に開く仕様
ホリックのoneはメイン収納が上下2段に分かれている構造になっています。
登山愛好家には良く知られていますが、ショルダーハーネスの接続点から近い部分に重たい荷物を入れると歩行時の揺れが小さくなり、軽く感じられます。通常は下に重たいものがたまってしまいますが、上の段を活用することで、揺れの小さいエリアを常に有効活用できるのです。この点からも上下セパレートの構造は理にかなっているんです。
メイン収納の中央下のスペースは、バッグのサイドに入口があります。コの字型に開くので中が把握しやすく、荷物の出し入れもしやすいです。ここが最も広いスペースなので、カメラや書籍、洗面用具などのかさばるものを収納するのに適しています。
こだわりの高性能素材「シルナイロン」
ここまで機能にしっかりこだわっている製品です。素材にこだわっていないわけがありません。使用している素材について掘り下げるのが僕らしいと思うので、ここはしっかり説明してさせてもらいます。
高級・高性能生地「シルナイロン コーデュラ」が使われています。さらっとしていて、想像以上に手触りがよく、軽くて気持ち良い質感です。
米軍も採用するほどの強度を持つコーデュラナイロンの中でも、軽さに特化した素材。丈夫なだけでなく、非常に軽量です。
「シルナイロン コーデュラ」はコーデュラナイロンをシリコンコーティングすることで撥水性が長期間保たれます。
シルナイロンは薄手ながら強度のある30Dリップストップ・コーデュラナイロンにシリコンをコーティングしたもの。しなやかで滑りが良く、優れた撥水性と耐水性能が長期間持続します。
シリコンコーティングって、言ってみたら髪の毛のトリートメントみたいなものです。
表面を綺麗に整えてしなやかな艶をだしてくれます。整っていれば整っているほど、光を均等に反射させるので、綺麗な艶がでます。
試しにマイクロスコープで覗いてみました。この格子の枠は5ミリくらいです。細い繊維がとっても均等に並んでいるのがわかります。この均等さも綺麗なツヤを生み出す秘訣なのでしょう。
ちなみにこの『シルナイロン』という生地はけっこう高価な素材で、通常はバックパックとして採用されることはかなり少ないと思います。
これがよくある『ターポリン』などの素材になると、もっともっとアウトドア感の強い見た目になっていたと思うから、素材のチョイスは見事だなと感じさせられます。(ターポリンは、ポリエステルの布を合成樹脂で挟んだ生地です)
バリスティックナイロンで仕上げると、もっと重くて無骨で男らしい印象になっていたと思います。
軽さやビジネスで使用できるスタイリッシュさは、こういった素材選びから来ているような気がします。
HOLICCのOneをレビューします。こんな用途にぴったり
コロナ前後でバッグに求められる機能は変化してきてるといいます。それまではとにかく汎用性が求められました。
そこからライフスタイルの多様化が進みました。仕事の仕方も変わり、今のバッグ業界ではそれぞれの用途に合わせた専門的な機能が求められているそうです。
実際に使ってみて、どんな用途で活躍したのか。
僕が思うぴったりな用途を挙げてみます。
ノマドや出張バッグにぴったり
僕がスーツを着て仕事をしていたのは8年くらい前まで。当時はビジネスで使えるようなスクエアリュックはありませんでした。ビジネスでリュックはNGとされていて、ビジネスバッグといえばブリーフ型でした。それにショルダーストラップをつけて、手持ちと肩がけの2WAYで使えるものが人気だったのを覚えています。
今はビジネスウェアもカジュアル化が進み、リュック型のデザインも増えてます。
その中でもOneはシンプルなスクエアフォルムに艶やかな生地。ビジネス向けリュックの中ではかなりスマートな部類で機能的なので使いやすいです。
- PCを安全に持ち運べる防水性
- 狭いスペースでもつかえて自立する
- ビジネス使いできるルックス
\ ノマドで使用してみた記事です /
▶︎HOLICCはノマドワーカーに本当におすすめできるブランドか?
旅行バッグにぴったり
HOLICCは『本気で仕事して、本気で旅して、本気で遊ぶ』という理念を掲げています。
旅はHOLICCの重要なファクターです。
バックパック1つで世界中を周り、旅というものを知り尽くした人がたちががつくる旅のためのプロダクトが、旅行バッグに向いていないわけがありません。
僕も毎年一回は海外旅行にいくくらい旅は大好きです。まだOneを背負って海外には行けていませんが、国内旅行で使用してみてどうだったか、記事にしました。
- 収納力が高い
- キャリーケースに乗せれる
- 疲れにくいショルダーストラップ
\ 旅行バッグとして使用した記事です /
▶︎1泊?2泊?旅行バッグの選び方から見えてきたHOLICCのバッグがおすすめな理由
マザーズバッグ、ファザーズバッグ、子育てにぴったり
守備範囲がかなり広く、出張の多いビジネスマン、ノマドワーカーやフリーランスにぴったり。『ビジネス』と『旅』に特化してデザインされているんですが、実際に使ってみてそれだけではないことに気付きました。
僕の今のライフスタイルとしては、ファザーズバッグとしての使い方が快適すぎて気に入ってます。なんと、このOneは子育てにもおすすめできます。
- 多くのポケットで仕分けできる
- 軽くて丈夫である
- 荷物の出し入れがしやすい
\ マザーズバッグとして使用した記事です /
▶︎HOLICCはマザーズバッグとしても最強リュックでおすすめです
ビジネスバッグにもぴったり
ビジネスシーンでHOLICCのOneを背負ってみると、思ってた以上にスーツにマッチしていました。IT系関係の方をはじめ、PCを持ち歩くビジネスマンには本当にぴったりだと思います。
- PCやガジェットが収納しやすい
- 着替えを多く収納でき出張に最適
- オンオフどちらも対応できる
\ ビジネスバッグとして使用した記事です /
▶︎【出張やIT系に最適なブランド】HOLICC(ホリック)のOneはビジネスリュックとしてもすごかった!
まとめ
HOLICCのブランドの想いや実績、Oneの機能性について書いてみました。
まったく異なる二つのものを組み合わせると、新たな価値が生まれることはよくあります。
『旅とビジネスに特化したバッグを追求したら、ものすごく便利なものが出来上がった。』
と思っています。
とはいっても、当然ですが守備範囲外もあります。こんな人には合ってないかもしれないという例を挙げてみるとこんな感じでしょうか。
- ブリーフのように横持ちはできない
- クラシックな佇まいのバッグが欲しい人には向かない
- とにかくコンパクトなバッグが欲しい人には向かない
このような人には向いていないと思います。
万人のあらゆるニーズに応えるものはやっぱり存在しないですね。ただその中でも、Oneの専門性と汎用性の高さはピカイチです。
機能やディテールを解説しましたが、これでも僕がピックアップした一部分だけの解説です。
例えば収納の中に小分けポケットやクリップが付いていたりと、まだまだ説明する箇所があり、一つの記事で説明しきれないくらい語れるところが多いのです。
HOLICCは公式サイトの説明がすごくわかりやすいので、ぜひ公式サイトにてご確認ください。購入者のレビューも200件以上あって豊富に読めるので、よりイメージがしやすいと思います(2024年7月時点)。