服地パイセン

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LDワッフルは深掘りすると面白いのでレビューします【NIKE×sacai×アンダーカバー】

LDワッフルとランニングシューズ

 

こんにちは。
服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。

 

 

NIKE好きな僕にとって、
ランニングシューズは特別な存在

 

NIKE創始者のフィルナイト氏がはじめに着手したのがランニングシューズだったということ。

NIKEの前身のブルーリボンという会社はオニツカタイガーのランニングシューズの代理店だったということ。

 

今のナイキがあるのは、ランニングシューズのおかげといっても過言ではありません。

そんなランニングシューズは、いちNIKEファンとして尊ぶ存在です。

 

とか言いながら、僕は最近までランニングシューズを履いたことありませんでした。

 

ジョーダン1、ダンク、エアフォース1。
ナイキのスニーカーを色々持っていますが、よく考えてみるとバッシュが出自になっているものばかりです。

 

はじめての、崇め、敬する存在。

そういうこともあり、ランニングシューズを履くのが恐れ多いというか、力んでしまい怖かったのです。

 

そんな中、去年の11月頃に運良く手に入れたこの

LDワッフルというスニーカー。

 

カジュアルシューズなので特に気にせず勢いで履いたらいいんですけど、どう合わせたらおしゃれに履けるかをずっと考えていたら、なかなか履けずにいました。


「そんなこと気にせずにさっさと履いてしまえよ!」
なんて思ってもいたのですが、考えすぎてしまいなかなか踏み出せずにいました。
寒かったしね。


「その足取りの重たさも自分らしくていいかな」
と肯定してみますが、すごく気に入ったのでもっと早く履けばよかったかもしれません(笑)

 

せっかくなので、必要以上に詳しく書いてみようと思います。

 

 

 

 

 

 

LDワッフルとは?

NIKEサカイUNDERCOVERのLDワッフル

商品説明はNIKE公式の説明をそのまま引用させてもらいますが、文字だけだとわかりにくいので写真を追加してわかりやすくしてみます。

 

Nike、sacai、UNDERCOVERによるトリプルコラボレーション。

LDVとワッフル レーサーを独創的にミックスしたLDワッフルが、別次元へと引き上げられた。
阿部千登勢が生み出すハイブリッドなデザインに、独創的な高橋盾のビジョンを注入。カラーと素材の新たな可能性を探っている。

 

UNDERCOVERの視点からアレンジされたLDワッフルには、新しいカラーコンビネーションを採用。
イトマルーンのナイロンベースが、チームロイヤルのスウッシュと要所のアクセントを引き立てている。

 

レザーのオーバーレイとスエードのアンダーレイをペールアイボリーのミッドソールに組み合わせ、現代のクラシックと呼ぶべきシューズにレトロな雰囲気をプラス。

 

ナイキLDワッフルのカラーコンビネーション

 

シュータンラベルの裏にはUNDERCOVERのロゴを配し、ヒール沿いにはさり気なくNike x sacai x UNDERCOVERのロゴを刻印した。
定評の高いデザインが、さらに斬新なアレンジで進化している。

 

引用:https://www.nike.com/jp/

LDワッフルのシュータン

ヒールにはNike-x-sacai-x-UNDERCOVERのロゴ

 

LDワッフルの魅力

公式の説明はデザインやカラーについての内容でした。

こういう公式の商品説明って、主観が入らないように書かなければならないので、どうしても淡々とした印象になってしまうんでしょうね。

その点、ブログでは好きなことを書けるので、僕は僕の思うことを書いてみます。

 

僕はLDワッフルの魅力は、大きく分けて2つあると思っています。

 

一つ目はブランドの価値。

LDワッフルのデザインはナイキとサカイのダブルネームにより生まれたもの。そのデザインにアンダーカバーが配色をしたものが今回のスニーカーです。

色はナイトマルーン&チームロイヤルというカラーで、ナイキ、サカイ、アンダーカバーのトリプルネームです。

 

 

もう一つはデザイン面

「LDV」と「ワッフルレーサー」というレトロランニングのモデルを掛け合わせたデザインがこんなにモダンなデザインになるなんて、世界で活躍するデザイナーはやっぱりすごいなと驚かされます。

 

ブランドについて書くのはあまり僕らしくないような気もするので、その辺はサラッと、デザイン面についてはしっかりと解説していきます。

 

 

sacai(サカイ)とは?

 

sacai(サカイ)は、日本を代表するファッションブランド。メンズ・ウィメンズともに展開。

ブランドコンセプトは「日常の上に成り立つデザイン」。スタンダードなものを大切にしながら、エレガントな要素を加え、またクラシックなアイテムにひねりを加えることで、sacaiの考えるエレガントな「ニュースタンダード」を表現。

異質な素材の組み合わせ、独特なシルエット、細かい部分に技術、アイデア、工夫を凝らしたデザインなど、よく見ると確かに分かる拘りが強く支持されている。特に、異素材のミックス、タック、プリーツ使いで前後の印象を変えるデザインをsacaiは得意としており、バックや横からのアングルが美しく見える。

引用:サカイ : sacai - ファッションプレス

 

sacaiはパリコレにも参加する、日本を代表するブランドです。

ナイキとのコラボレーションでその知名度は一気に拡がったんではないでしょうか?

 

 

UNDERCOVER(アンダーカバー)とは?

 

アンダーカバーは日本のファッションブランド。

アンダーカバーの服は、かつてカルト的な人気と生産が限られていることから入手困難になり、プレミアがついた。アンダーカバーのデザインについてデザイナー本人はストリートとモードの間にあると語っていた。「セックス ピストルズ」に強く影響を受けていること、本人もパンクの影響を非常に受けていると語るようにパンクファッション的なテイストがアンダーカバーのファッションにも見られるが、いわゆるパンクテイストのファッションではない。

引用:アンダーカバー : UNDERCOVER - ファッションプレス

 

一方アンダーカバーは90年代の裏原ムーブメントの主要ブランドのひとつ。

ストリートウエアからブランドを開始し、やがてモードへと舵を切り、パリコレに参加するようになりました。

 

 

ランニングシューズについて

LDワッフルはランニングシューズが基になっているんですが、そもそもランニングシューズってどういうものなのか。

文字にしてみると、案外新たな発見があります。

 

 

自分の体だけで走り切る陸上競技では、シューズの機能性はタイムに重要な影響力を与えます。

自分でコントロールできるのは、身につける道具と自分の肉体だけなので。


そのため通気性や軽量化など多くの方改良がなされてきました。

 

長距離走は短距離に比べて小さな歩幅でピッチを上げて走るので脚への負担がとても大きいそう。

 

その負担を軽くするために安定性やクッション性、軽さが求められます。

 

また長時間の競技中に足が蒸れてしまうと、マメができる原因になるため、通気性も重要な要素になります。

 

初期のマラソンでは革製のブーツが

現代のランニングシューズはナイロンなどの軽い素材が増えています。

 

ところが初期のランニングシューズは、軽さより耐久性を重視したため革製のシューズが履かれていました。

重さは500グラム近くもあったそう。

 

そのあと革製からナイロン製、そしてメッシュ素材を使用するなど素材の進化とともに軽量化されていきます。

 

ミッドソールにEVA、アウトソールはゴム

スニーカーのソールを思い浮かべると、分厚めのゴムのような素材が貼ってあるデザインを想像すると思います。

 

実際はほとんどのスニーカーが、クッションに関わるミッドソールと、路面に接触してグリップをつかさどるアウトソールに分かれます。

ミッドソールには軽くてクッション性がよいEVAという素材が使われ、アウトソールには滑りにくいゴムが使われることが多いです。

 

EVAは軽くて水に強く、弾力がある合成樹脂のことです。

 

走る動きに合わせフラットな作り

バスケットボールやテニスなど、機敏な動きをするスポーツはコートの上で上下左右に動きます。

 

陸上競技のスポーツとしての動きは、ほかの競技に比べて直線的な動きが多いと言えます。

 

また足の一部だけを地面につけたりすることもないので、ソールはフラット感のある作りになっていて、接地面が広く安定感のあるソールが好まれるんです。

 

NIKEとランニングシューズの歴史

ナイキはランニングシューズからスタートしました。

 

ナイキは1960年代にオニツカタイガーの代理店として会社を設立します。

 

1970年代のナイキのランニングシューズは、競技用においては次々と新しいカスタムを導入する一方で、新たな市場を開拓するため、カジュアルでも使えるモデルもリリースし始めます。

 

ナイキのレトロランニングモデルは色々あるのですが、発売の順番を並べてみます。

 


オレゴンワッフル(1973年)

ワッフルトレーナー(1974年)

ワッフルレーサー(1977年)

LDシリーズ(1978年)

 

 

この中の、ワッフルレーサーとLDが今回のスニーカーのデザインソースになっています。

 

ナイキ ワッフルレーサー

NIKEワッフルレーサー

引用:スニーカーショップSKIT - オンラインショップ

1974年デビュー。

70年代ナイキを代表するこのワッフルレーサーは履き心地の良さでベストセラー商品となったモデルです。

 

トゥ、シューレース周り、ヒール部分に補強としてスエードが施されたナイロンアッパーに、カラーリングがマッチしたスウッシュが印象的な一足です。

 

当時はこの形のソールはなかったようで、フィルナイト氏の自伝、『SHOE DOG』にワッフルソール誕生の秘話が載っていました。

 

朝食の席でワッフルを見た時にその形状から着想を得たことが記されていて、ワッフルメーカーにウレタンや液体ゴムをそそいで試行錯誤した様子が描かれています。


ちなみに1978年頃までは福岡県の日本ゴムによる日本製だったそうです。

 

ナイキ LDV 

ナイキLDV

引用:スニーカーショップSKIT - オンラインショップ

ナイロンメッシュという、ナイキではじめてのアッパーを採用したLDシリーズ。

LDとは、ロングディスタンスの意味で、その名の通り長距離を走るために開発されたシューズです。

1000マイルランナーに向けてナイキが世に出したLD1000。

その後継モデルとして登場したのがLDVです。

 

デザインのベースはワッフルトレーナー。

通気性のいいメッシュと、発色の良さで人気が高かったそう。

 

 

LDワッフルのデザインの特徴

sacaiのデザインの特徴のひとつとして『ハイブリッド』が挙げられます。

異なる二つのものを融合させるセンスは世界でも大人気です。

 

今回のスニーカーも「LDV」と「ワッフルレーサー」を組み合わせたデザイン。

その頭文字を取って「LDワッフル」です。

 

ただ良いところを取って「組み合わせる」というよりは、「重ね合わせる」という表現がしっくりくるかもしれません。

 

LDワッフルは全てが2倍です。

 

ナイキのLDワッフルのデザイン


シュータンも2枚、
ミッドソールも2層(2枚?)
スウッシュも2つ、
そしてなんとシューレースも2本

 

普通にデザインしたらこんなアイデア思い浮かびません。

 

LDワッフル メリット

 

 

履き心地が良い

LDワッフルで歩いてみた履き心地

ミッドソールが二重になっている分、高さがあるので履き始めは違和感を覚えるかも知れません。

ここ数年人気のHOKA ONE ONEなど厚底シューズに慣れてる人ならいいのですが、慣れてない僕にとっては新鮮でした。


ソールが厚い分クッション性はすごくいいです。

NIKEのスニーカーは基本的に硬めの履き心地で、履き心地がいいとは言い難いのですが、

これはクッション性能がよく、柔らかい履き心地


足を踏み込むと柔らかく沈み込む感触があり、NIKEのカジュアルスニーカーにはあまりない感覚です。

 

 

想像以上に軽い

ナイキLDワッフルのナイロンとレザーの生地感

普段ダンクやジョーダン1などバスケットシューズを履くことが多いので、その軽さにびっくりしました。

 

レザーやスウェードを補強やデザインとして使用していますが、ナイロンがベースなので軽く仕上がるんでしょう。

 

サカイがデザインするスニーカーはパーツを二重にしているので重くなると思っていましたが、全然重くなく、むしろ軽いくらい。

さすがランニングシューズがデザインソースなだけあります。

 

 

LDワッフル デメリット

デザインは見るだけでわかるんですが、実際に履いてみてわかることはけっこうあるものです。

 

僕が気になったことをまとめます。

 

靴紐が二重であること…

LDワッフルのシューレースは二重になっているデザイン

二重になった靴ひもはかっこいいんですが、初めがいかんせんめんどくさい。綺麗に靴紐を通すだけでかなり時間がかかりました。

 

靴紐を結ぶのもいつもより少し結びづらいのです。もしかしたらいつか一本だけにするかもしれません。

 

歩行には良いが…

NIKEのLDワッフルはソールが厚い

ソールが厚く、独特な形状をしています。

よく言えばクッション性が高い。

悪く言えば地面の感触が伝わりづらいといえます。


もしかしたら車の運転はしにくいかもしれません。僕みたいなペーパードライバーはこの靴で運転しない方がいいでしょう。

 

あと、個人的にはスケボーに乗れないのも気になりました。

 

かっこいいのですが、デザインが先行しすぎているかもしれません。

 

LDワッフルのサイズ感

ナイキのスニーカーは横幅が狭いです。

なので横幅の広めなアジア人が履こうと思うと、いつもより大きめのサイズを選ばなければなりません。

 

僕は足の幅が広いです。

ナイキのスニーカーを選ぶとき、日本サイズのスニーカーより1.5センチくらい大きめにしてます。

普段革靴は26センチ(E〜EEEワイズ)、スニーカー26.5センチを履く僕で、28でジャストフィットです。

 

NIKEのスニーカーはだいたい27.5か28ですが、これは28でピッタリ。

特に他のモデルより狭めに感じます。

 

LDワッフルのコーディネート

LDワッフルを細いパンツ、太いパンツで合わしてみました。

パンツの太さによって全然違った印象になる、おもしろいスニーカーです。

 

太いパンツとのコーディネート

ランニングシューズを履いたことがなかったのも理由があります。

 

僕の中で
『ランニングシューズ=細めか少し短めのパンツで合わせるのが定石』
だと思っていました。

アシックスのシューズみたいに、スニーカー全体のボリュームが抑えめでシャープな靴というイメージがあったんです。

 

太いパンツにシュッとしたスニーカーをかっこよく履けるイメージがなかった。


でもこのスニーカーは太いパンツにも合うんです。

 

LDワッフルとワイドパンツのコーディネート

出っぱったミッドソールにパンツの裾が引っ掛かるので、自然なルーズ感が生まれる。

ミッドソールに裾が引っかかり、太いパンツを履いた時に生まれる、なんとも言えないルーズ感は唯一無二。

 

この感覚は新しいです。

 

今回穿いたのはトラックパンツですが、レーヨン混の生地のようなトロッとした落ち感のあるパンツだとなんとも言えないクッションが生まれます。

 

スニーカーのミッドソールだけみると「なんだこりゃ」と思ってましたが、履いてみると案外なじんでくれます。

 

 

細いパンツとのコーディネートスリムなパンツと合わせました。

ヒールにパンツの裾がひっかかり、
さっきよりもスニーカーのデザインがよくわかります。

 

LDワッフルとスリムパンツのコーディネート

 

 

ロールアップしてみました。

LDワッフルとアンクル丈のコーディネート

こうすることでスニーカーの全体が見えます。
たいていのランニングシューズはこうやって履くのがバランス取りやすいと思います。

 

ナイキ×sacai×アンダーカバーのLDワッフルをレビューしてみて

LDワッフルとランニングシューズについて解説しました。

 

はじめはデザインの奇抜なスニーカーだなぁ、と思ってました。

ところが往年のレトロランニングシューズのデザインを踏襲してるので、古着ばかり着ている僕にも案外合わせやすくて驚きました。

 

派手ですが温故知新で、ストリートから古着、モードっぽい服装まで対応できて意外と人を選ばないデザインなのかもしれません。

 

はじめてのランニングシューズでしたが、とても気に入ったのでこれからは積極的に取り入れてみます。

 

 

 

スニーカーの歴史について書いた記事もあるのでよかったらあわせて読んでみてください。

www.fukujipaisen.com

 

 

 

ナイキの創業者フィル・ナイトの自伝「SHOE DOG(シュードッグ)」がとても面白く、スニーカーや時代背景を知るのに参考になりました。

ボリュームはありますがスラスラ読めるので、靴好きの人はぜひ読んでみてください。

 

 

 

 

 

 

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