こんにちは。
服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。
機能的な服が増えていることもあり、撥水処理されているアウターなんかが増えてきています。
そういう服は着ていると撥水効果が薄れてくるので、そうなると撥水スプレーを振って雨を凌いでいます。
撥水スプレーでもそれなりに水をはじいてくれるんですが、すぐ効果がなくなるのが気になっていました。
そして撥水する箇所としない箇所に分かれてくるんですよね。
「胴は撥水するけど、肩は撥水しない」とか。
そんなモヤモヤを抱えながら生きてきましたが、家庭でもできる撥水剤を使ってみたので記事にしてみます。
なぜ撥水スプレーの効果は弱くなるのか?
撥水スプレーは水をはじく効果を与えてくれます。
服にスプレーしておくと雨や水から守ってくれるので、服を長く綺麗に使うことができます。
ただ、使用状況などにもよりますが、撥水スプレーの効果は1~2ヶ月程度とも言われています。
撥水の仕組みとしては、繊維の表面をコーティングしているので、リュックを背負ったりして服が擦れる部分はコーティングが取れて撥水性能が低下してしまうようですね。
そうゆうわけで、すぐ効果がなくなってしまうのが気になっていました。
撥水性のない生地に撥水機能を持たせられるのか?
撥水スプレーで撥水するのも良いんですが、スプレーは効果も薄れるし、案外すぐ使い切ってしまうし、どうにかならないかなぁと思っていました。
そんなある日、
『NIKWAXのコットンプルーフ』というアウトドアウェア以外の製品にも使える撥水剤があることを知りました。
撥水剤NIKWAXのことは知っていましたが、GORETEXとかアウトドアウェアにしか使えないと思っていました。
「これで撥水効果が継続するならすごく便利だ」と思って試してみました。
ちなみにGORETEXがなぜ撥水するのか、どのようにして透湿性を保っているのかなど、GORETEXの仕組みについて解説した記事もあるのでよかったら読んでみてください。
撥水剤NIKWAXの使い方
まずはNIKWAXの使い方を説明します。
撥水スプレーように生地の表面に吹き付けて撥水させるわけではなく、洗濯後に撥水剤を染み込ませる感じです。
洗い方はいつも通りに
撥水剤をつける前に通常通り洗濯をして、生地についた汚れやほこりを落とします。
まずは服についている品質表示タグをみて水洗いできるか確認します。
水洗いできないようなデリケートな素材の場合は今回の撥水剤は使えませんので、ご注意ください。
問題なく洗濯できるようであれば、洗う準備をします。
といっても今回のウェアはジップやスナップボタンをしっかりしめてあげるだけですが。
そしていつも通りに洗濯機で洗濯します。
(糸で付けられたボタンの場合は、洗濯機の中で引っ張られて緩んでしまうことがあるので、ボタンを開けて洗う方がいいと思います。)
撥水処理はすごく簡単
洗濯してる間に服をつけ置きできるサイズのバケツなどに水を溜めておきます。
洗濯が終わったら乾燥させずに、水を溜めたバケツにウェアを入れます。
バケツにウェアを沈めたあと、そこに撥水剤を入れていきます。
この時に注意するのが、いきなり入れずにまずは撥水剤をよく振ること。
はじめは表面が固まっているので、よく振ってください。
ちなみに原液は木工用ボンドのような匂いがしました。
小学校の図工の時間を思い出すような、懐かしくてすっぱい匂いがします。
ウェア一着につきキャップ一杯入れ、撥水剤が全体にいきわたるようよく混ぜます。
そして全体に行き渡ったら10分ほど浸け置きします。
浸け置きしてるあいだも時々ウェアを動かしてかくはんします。
10分ほどたったらすすぎの工程にうつります。
余分な撥水剤が残らないよう、水が透明になるまで2、3回すすいでしっかり洗い流します。
洗いすぎると生地についた撥水剤が流れていかないか心配になるところですが、僕は匂いが残る方が嫌だったので、かなりしっかりすすぎました。
あとは自然乾燥させるだけ。
GORETEXやアウトドアウエアなんかは乾燥機を使った方がいいと聞いたことありますが、普通のカジュアルウェアは自然乾燥で大丈夫そうです。
撥水効果のビフォーアフター
今回はアウターを2着、撥水処理しました。
コットンナイロンの米軍のスノーパーカーと、コットンポリエステルのミリタリーコートです。
所要時間は2着で1時間くらいでしょうか。はじめてなのでけっこう時間かかってしまいました。
慣れたらもう少し早くできそうです。
NIKWAXで撥水処理する前後の写真を撮ったので、撥水性能がどれくらい違うのか比べてみます。
撥水性能の評価とは
結果をみる前に、先に撥水性能について簡単に説明しようと思います。
撥水レベルは細かいことをいうと基準が1級から5級まであります。
ですが、目で見てわかりやすいことを簡単にいうと、水をかけた時に撥水性が高い生地ほど生地の上で転がるような球体になります。
逆に撥水性の低い生地は、水が染み込んだり、染み込まなくてもベチャっとした感じになります。
溶けたアイスクリームのような感じです。
コットンナイロンの生地
まずはコットンナイロンの生地をご覧ください。
コットンナイロンなのでコットンよりは水を弾くのですが、雨の日に着ているとすぐに水が染みてきます。
物は米軍のスノーパーカーです。ちなみに後染なので色が黒いです。
これが撥水処理をする前です。
生地の上に水滴がベチャっと乗っている感じです。
ライトアウターとして着ていますが、時間が経つと水がしみてくるのが気になっていました。
こちらが撥水処理後になります。
水滴が綺麗にまんまるな球体になっています。
ベチャっとしてる箇所もありません。
よく水をはじいている証拠です。
コットンポリエステルの生地
今度は冒頭でも書いた、撥水加工が落ちてきて撥水スプレーを振っているものです。
冬用のコートなので、毎年秋頃にスプレーを振っています。
最後に振ったのは2020年の秋ですね。
これが撥水処理前です。
水を弾いているように見えますが、
よく見ると染み込んでいる箇所と弾いている箇所とがあります。
水滴は球体ですが、ベチャっとしているところもあり、ムラがあります。
正直、撥水スプレーを振ってから1年以上経過している割には予想以上に弾いているなぁという印象です。
そしてこれが撥水処理後です。
水滴が全く染み込んでいません。
コロコロ〜っと音が聞こえそうなほど綺麗な球体で、生地を動かすと気持ちよく転がります。
そして手で軽く払うだけで水滴が飛んでいきました。
これなら水がついても、タオルで拭いたりする必要もなくて楽です。
NIKWAXはネットで買うのが便利
今回NIKWAXのコットンプルーフを試すにあたり、アウトドアショップに探しに行ったりしたんですが、コットンプルーフは全然売っていなかったのでネットで買うのが便利でした。
探してる時間などを考えると、買うものが決まってるときはネットが早くて効率いいですね。
最後に
撥水剤NIKWAXのコットンプルーフ、すごいです。
撥水性能がどれくらい継続するのか、また数ヶ月後に書いてみたいと思います。
ちなみに僕は手で混ぜましたが、手がペタペタするので、ビニールの手袋みたいなのをした方がいいかもしれません。
しっかり手も撥水されてしまいました(笑)
似ているようで異なる「撥水と防水の違い」について書いた記事もあるのでよかったら読んでみてください。
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