こんにちは。 服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。
生地状のものは「布」だけでなく「紙」や「フィルム」「レザー」などたくさんの種類があり、詳しくなくてもなんとなくぱっと見で分類できてしまいます。具体的にどこが違うのかしらないのになぜでしょうか。
今回はこのブログのテーマでもある「服の生地」について、ある程度全体像がつかめるようにざっくりまとめてみました。最後まで読んでいただけるとありがたいです。
服地とは
服地というのは、洋服を仕立てるための布地や生地のことです。
布地や生地、布など色々な言い方がありますが、どれも同じような意味合いです。
アパレルではテキスタイル、ファブリック、クロスという単語もよく使いますが、それらにどのような違いがあるのでしょうか。
テキスタイル、ファブリック、クロスの違い
「テキスタイル」も「ファブリック」も「クロス」も服の生地でよく使われる言葉です。
特に細かい決まりはなさそうですが「テキスタイル」はアパレル関連の繊維のことで、加工前の布の状態のものをさすようです。
「テキスタイル」は織物や繊維を指すことが多く、材料というニュアンスが強いと思っています。
「ファブリック」も織物や布地という意味では同じです。
「ファブリック」や「クロス」は主にインテリア関連の繊維で、多くはカーテンやシーツなど加工後のものをさすことが多いです。
服地の種類と名前
服地の分類の仕方と名前は多種多様。
呼び方は、織り方で分類する場合と、名称をさす場合とがあります。
たとえば、「サテン」はサテン織り(朱子織り)という織り方の分類上の名前ですし、
「オックスフォード」は名門大学の名前を生地の名称にして売り出したことが起源になります。
こういうのが入り乱れているので正直ややこしいです。
服地の分類は、まず
「繊維をどうやって布状にしているか」
から始まり、これにより次のように分類できます。
①織物(織地)
②編物(編み地 ジャージー)
③レース
④不織布
⑤皮革、毛皮
服地に多く用いられているのは織物。
次に編物です。
さて、あなたが今日着ている服がどれに分類されるかわかりますか?
ここからはひとつずつ解説していきます。
織物
織物とは、
たて糸と横よこ糸が組み合わされてできた布地のことです。
伝統的な呼び方として、
植物繊維による織物を「布」、
絹織物を「帛」と呼んでいました。
両者をあわせた布帛(ふはく)も織物を指す言葉です。
また、織物は英語風にはテキスタイル
またはテクスタイル(textile)とも呼ばれます。
織物の特徴
織物は斜め方向には若干伸びますが、
縦横方向に伸縮性がありません。
通気性が低く、シワになりやすいという特徴があります。
織物の作り方
織物は織機で製作されます。
基本的な原理は、たて糸を張りその間によこ糸を通すことで織物にしていきます。
織り方と糸の素材や太さ等によって、布地の基本的な性格が決まります。
色々な変化組織がありますが「織物の三原組織(さんげんそしき)」と呼ばれる
平織・綾織・朱子織(しゅすおり)が基本になります。
これらの組織を複雑にしたり、使用する糸の太さを変えたり、特殊な染色を施すことで、複雑な染織品が生産されます。
たての糸はあなたぁ〜
よこの糸はわたしぃ〜♪
中島みゆきさんの糸、これは織物を紡いでる糸になります。
編物
編み物は、英語ではニットとも呼ばれる編んで作られる布です。
最近はあまり使わなくなってきましたが
ポルトガル語やスペイン語で靴下を意味するメリヤスという呼び方もあります。
編み物の特徴
編物は縦横に伸縮性があり、
通気性が高くシワになりづらいです。
編み物の作り方
ループを作り、そのループに次の糸を引っ掛けることで連続してループを作り、
それをくり返すことで面を形成します。
反物状の布にせずに、
編糸を編みながら服の形にしたものをニットといいます。
反物状につくったものをジャージーといい、ジャージーを裁断し、縫い合わせて服にしたものをカットソーと呼んでいます。
レース
透けていて、レース糸、あるいは刺繍糸などで模様をあらわしているものです。
多くの隙間があり、それで模様を表した布地のことです。
レースはもともと手で単純な模様を編んだものでしたが、だんだん模様を複雑化し、装飾的に価値を高めてきたものです。
細幅のものが主体で、主に縁飾りとして使われてきました。
衣服に対しては、部分的に使われることが多く、カーテンなどに使われるのが主になります。
レースの特徴
レースは遮光性が低いです。
その性質を上手く利用したレースのカーテンは、明るさを確保しつつ外から部屋の中を見えにくくするなどの効果があります。
不織布
布は繊維を撚って糸をつくり、たて糸とよこ糸にして織ったり、編んだりしてできています。
これに対して不織布は、織物にも編み物にも属さない布で、
繊維を糸にせず、繊維のままで絡み合わせて一枚の布状にしたものです。
繊維そのものをふんわりと重ね、繊維同士で絡ませてシート状にしたものです。
熱や接着剤を用いて、名前の通り織らずにつくられます。
安価で大量生産ができることから消耗品として扱われることが多く、衣料用に使われることはあまり多くありません。
芯地や産業用の利用が主です。
不織布の作り方
不織布は様々な製法があります。
紙と同じ方法でつくる「湿式不織布」、
針を突き刺すことで繊維を結合させる「ニードルパンチ」、
接着剤を使った「ケミカルボンド」や
熱で繊維を溶かして結合させる「サーマルボンド」など。
皮革と毛皮
動物の皮をはぎ、毛を取り除いて服地にするもの。
元々生えていた体毛まで利用するものは毛皮(ファー)といい、毛をつけたままなめしたものです。
これらはすでに布状になっています。
皮は生物の表面を覆う組織で、これまで人類は特に動物の皮を利用してきました。
動物の皮膚をそのまま剥ぎ、製品として使用したものを革といいます。
これらは革製品を作るために動物が犠牲になっているという背景があるので、エシカルファッションにおいて問題視されています。
人工的に作られた人造皮革と区別するため、動物の皮膚をなめしたものを天然皮革や本革ということもある。
皮革の作り方
皮には高温多湿の環境では腐るという大きな欠点が。
これを腐らないように、なめして加工したものが革です。
なめして革に加工できる皮を原皮といいます。
最後に
服の生地はたくさんの種類がありますが、大きく分類すると意外と種類は少ないんですね。
ここからさらに細分化されていくのですが、大まかに分類学できると頭の中が整理されて理解しやすいです。
昔は伸縮性をもたせるには編み方を工夫していましたが、現代はポリウレタンなどの伸びる繊維を混紡して伸縮性を出すのが主流になってきています。
こういう時代の変化も服の楽しみ方のひとつだと思っています。
生地がどのように分類されるのか、こちらの記事にまとめているので読んでみてください。
レザーの品質について書いた記事もあるので、あわせて読んでみてください。
織物についてまとめた記事もあるのであわせて読んでみてください。
感想などをコメントいただけるのが、何よりとても嬉しいです。
はじめましての方も、思ったことはお気軽にお書きください。
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