こんにちは。 洋服生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。
Tシャツ×スニーカー、のようなカジュアルな服装ばかりしてるんですが、最近はアメトラが気になります。そして夏のアメトラといったら、シアサッカー生地が思いつきます。『シアサッカーのアイテムないかな〜』と押し入れを漁っていると発掘しました。シアサッカーのショーツです。
『シアサッカーは涼しいから夏の生地』
ということはなんとなく想像できますが、なぜ涼しいのでしょうか?シアサッカーの機能を解説していきます。
シアサッカーとは
シアサッカーは波のようなシワがある服地。
サッカーじわのあるジャケットやパンツなんかはいかにも涼しそうな印象で、春夏に活躍する定番生地です。
- 肌離れがいい
- 通気性がいい
- アイロン不要で扱いやすい
といった特徴があります。
なんとなくシアサッカー生地についてざっくり知りたい、という方はこれくらいで十分です。
これ以降はシアサッカーを掘り下げて解説していきます。
シアサッカーについて詳しく解説
夏の衣類によく使用されるシアサッカーの特徴は凸凹した生地表面。
サラサラした肌触り、清涼感や通気性に優れています。綿で作られることが多いです。
夏にジャケットは見た目にも暑くみえますが、シアサッカーのような見た目にも軽い生地を使うことで、抜け感のある雰囲気になります。
シアサッカーとアメトラ
シアサッカー生地はブルックス ブラザーズの夏のアイコン的な素材です。
1920年代にアメリカのメーカーとして初めてシアサッカーを取り扱いはじめ、その後1930年代にシアサッカーのスーツが登場したそうです。
暑い夏やパーティでもジャケットを着用することがドレスコードだったので、一気にシアサッカーの生地が注目されました。
アメトラの印象が強いのは、どうやらブルックスブラザーズの影響が大きそうです。
シアサッカー生地の作り方
シアサッカー独特のシボ感がどのように作られるかというと、たて糸に秘密があります。
たて糸を、地をつくるたて糸とシワを生むたて糸に分けて、しわを生むたて糸だけをゆるく織ることで、そこに波状のシワがあらわれます。
強く張る部分と弱く張る部分を織り分けているんですね。
他にも加工によって作る方法もあります。
薬品を部分的につかって縮む部分と縮ませない部分とをつくってしわを産ませる方法もあります。(リップル加工)
シワの姿を掘った版を生地に押して、シワの姿を与える加工もあります。(エンボス加工)
シアサッカーの由来は『ミルクと砂糖』
シアサッカーは18世紀のインドで綿花で織り始めたのが起源となっています。
もとはシルクを織って服をつくっていたのですが、インドがイギリスの植民地になり、大量生産のために綿花を使用し始めたのが背景にあります。
ちなみにシアサッカーの意味はペルシャ語で「ミルクと砂糖」に由来しているそうです。
生地の肌触りがミルクのように滑らかな部分と、
砂糖のようにざらざらした部分が繰り返されることに喩えられていたからなんだとか。
シアサッカー生地の特徴
世間では「機能素材」が注目されています。
春夏でいうと、
- 汗が乾きやすい
- 涼しく感じる
などがあります。
機能素材というとなんとなく化繊のイメージがありますが、実は天然繊維でも機能素材はたくさんあってシアサッカーはまさにそれ。
シアサッカーは糸を縮めて織る「しぼ」が特徴的で、日本ではしじら織りと呼ばれ、浴衣や作務衣などにもよく使用されています。
そんなシアサッカーの生地は、
凹凸があることで直接肌に触れる面積が少ない。
そのおかげで通気性が良く、肌離れが良いという2つの特徴が挙げられます。
通気性に優れている
シアサッカーは肌との接地面が少ないので、通気性があります。
サラッとした肌触りも清涼感があり、風通しが良くて熱気がこもりにくいので、夏場に嬉しい素材です。
逆に密度が高くて肌に貼り付くような生地は暑く感じるので、夏服に使われることは少ないです。
肌離れが良い
生地表面の形状を工夫して、春夏向けの生地にしてるんですね。
シアサッカーの表面は交互に凹凸状に波打っていて、他の生地では出せない雰囲気があります。
シアサッカーは肌離れが良くて、
夏の湿気や汗などで肌に衣類がはりつきやすい夏にピッタリなんです。
それに、サラッとした肌触りなので余計に涼しさが増してきます。
シアサッカー素材が夏のパジャマの生地に使われるのは、そうした機能があるからです。
取り扱い方法は?アイロンは?
シアサッカーは元々シワになっている生地です。
生地特有のシワ感があるので洗濯してもシワが目立ちにくいですし、なんだったらアイロンかけない方がいいです。
乾いたらそのまま着られるのはメリットといえそうです。
シアサッカーはダサい?
シアサッカーだからダサいということはないと思うのですが、そう思ってる人は多いです。
シアサッカー素材のアイテムがダサいと言われる原因について考えてみます。
パジャマっぽくなる
ラフな雰囲気で、パジャマにも使われる生地です。
気を抜きすぎるとパジャマっぽくなってしまったり、ただのおじさんになってしまいかねません。
何も考えずに合わせると失敗しやすいので、少しトラッドな要素のアイテムを取り入れるとバランスを取りやすいと思います。
季節感を間違えるとダサくなる
シアサッカーは夏によく見かけることの多い生地で、春夏の軽さを感じさせてくれます。
重たい雰囲気のものを合わせるとチグハグな印象になるので、春夏の軽い雰囲気や、色合いにまとめた方がいいでしょう。
シアサッカーのショーツをコーディネートしてみます
上のダサくなる原因を回避しながら、コーディネートしてみようと思います。
シアサッカーのジャケットなら色んな崩し方できそうなんですが、あいにく僕が持っているのはショーツだけです。
シアサッカーはアメトラやプレッピーな方向に持っていくのが間違いないと思うので、オックス生地のボタンダウンシャツを袖まくりをしてラフに着こなすのが夏っぽくていいんじゃないでしょうか。
ニットの肩掛けという旬のプレッピースタイルですが、トレンドのグリーンを差してみました。
足元はコインローファーがよかったのですが、あいにく持ってないので泣く泣くポストマンにしました。靴だけ少し重たく感じますね。
こういうことをすると普段スニーカーしか履かないのを悔やんでしまいますね。。。
その他にも洋服の生地や素材、縫製について解説しているのでよかったら合わせて読んでみてください。
▶︎『生地・素材・縫製』について
【スタイルヒント】は、UNIQLOとGUが共同開発した着こなし発見アプリで、
意外とメンズの着こなしもたくさん載っているので着こなしの参考になっておすすめです。
スタイルヒント使ってみました。どんなアプリかわかるので読んでみてください。
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