服地パイセン

生地にうるさい服屋で学んだことを活かし、洋服のわかりづらいことをわかりやすく解説します。

ポリウレタンは劣化しやすい。対策や用途など基本的なことをまとめました。

ポリウレタンの劣化について

こんにちは。
服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。

 

 

15年くらい前に買った海外アウトドアブランドの黒いフリースがあります。
長期間保管してたら、白い粉が出ていました。

ポリウレタンが劣化して粉が出ている

ポケットをめくってみると内側や裏面に白い粉が大量に付着していたので、裏面のポリウレタンコーティングが原因のもよう。

 

粉状なので風に乗って飛んでいきそうだし、飲み込んでしまっても身体に害はないのか。

など色々と気になります。

 

我が家には小さい子どももいるし、怖くなったのでポリウレタンの劣化について調べてみました。

 

 

 

 

 

ポリウレタン製の衣類から出る白い粉の正体は何?

観察したところ、裏面に白い粉状のものが大量に付着しています。手で払うとぱらぱらと粉になって落ちてきました。 

 

表のフリースはポリエステル、裏面のコーティングがポリウレタンです。

ポリウレタンコーティングの面には繊維が剥がれ落ちたような跡がありました。

劣化したポリウレタンコーティング

ポリウレタンの耐用年数は製造から2~3年と言われています。劣化して、千切れた繊維が表面に飛び出して、粉状になっているそうです。

 

劣化というとなんだかよくわかりませんが、具体的にいうと、ポリウレタンは一定期間が経過すると加水分解(空気中の水分で分解される反応)する性質があり、酸とアルコールに分解されるようです。
飲み込んでもからだに影響はないそうです。

(もし有害だったら製品として危険すぎます)

 

そういえば、スポンジ素材のソフトPCケースも劣化して粉が出てきてパソコンが粉まみれになっていたことがあります。

これも加水分解だったようです。

そのケースはもう捨ててしまって手元にありませんがパソコンを取り出すたびに粉を拭かなければならず大変でした。

 

アパレルで使われるポリウレタンの種類と劣化

衣服にはコットン、ウール、ポリエステル、ポリウレタンなどが使われます。

 

ポリウレタンはアパレル製品によく使われるますが、どのような用途に使われるのでしょうか。

また、劣化するとどのような影響があるのでしょうか。

 

伸縮性のある繊維から白い粉が出る

ストレッチデニムはもっとも身近なポリウレタン混紡生地かもしれません。

普通のデニムは伸びませんが、ストレッチデニムは伸びます。

これは衣類に伸縮性をもたせるためにポリウレタンが混紡されているからです。

 

ポリウレタン○%と表示されている洋服や水着なんかには、糸状のポリウレタンが織り込まれており、ストレッチ性を生みます。


ただし数年で表面からポツポツと白く繊維状のものが出てきたり、生地がもろくなってそこから破れたりします。

 

 

靴のソールが割れた。剥がれた。

ヴィンテージのスニーカーのソールがポロポロ剥がれたり、割れたりしてショックを受けた人もいると思います。

スニーカーの靴底には、発泡剤をまぜて固形化したポリウレタンが使われることが多く、こういった現象はポリウレタンの加水分解による劣化です。

 

ただし最近のスニーカーは加水分解しにくくなっています。というかここ数年、新品で買ったものは加水分解でダメになったことありません。

 

ソールの加水分解は昔のスニーカーに多いですね。

 

合成皮革がひび割れたり剥がれる

天然皮革に似せて作られた合成皮革や人工皮革などのフェイクレザーもポリウレタンが使われています。

 

もともとは本革のような柔らかい手触りと質感ですが、数年でヒビ割れをおこしてきます。

 

合皮は長持ちしない印象があると思うのですが、ポリウレタンの劣化によるものです。

 

 

ポリウレタンコーティングがベタベタする

PUコーティングがベタベタする

バッグやテント、レインウェアなどの生地で、表面がコーティングされているものがあります。

これらは撥水、防水効果を付与するためにポリウレタンコーディングを施してます。

 

撥水以外にも生地にハリが出たり強度が増したりといったメリットがあるのですが、残念ながらこのコーティングも劣化してしまいます。

 

はじめは良いのですが、ベタベタしてきたり白い粉が出たりします。

 

ほかにもポリウレタンが使われているもの

異なる繊維素材を張り合わせるための接着樹脂にもポリウレタンは使われています。

 

アパレルアイテム以外でも、住宅の断熱材や防音材といった資材にもポリウレタンは使用されるので、けっこう身近な存在です。

 

 

ポリウレタンの劣化について

ポリウレタンの構造

ポリウレタンは水分や熱や紫外線により分解され、劣化していきます。

 

分解による劣化は製造直後から始まりますが、その影響は製造後だいたい2~3年経年後ぐらいから表面化してきます。

 

破損の度合いは、着用回数、使用状況、保管状態やポリウレタンの質によって左右されます。

 

空気に触れている限り経年劣化は避けられないので、できることは少しでも劣化を遅らせる取り扱いをすることです。

 

 

劣化を遅らせるにはどうすればいいか?

ポリウレタンが劣化しにくい取り扱いとはどのような方法でしょうか。

 

 

湿気を避ける

加水分解を防ぐために、湿気の多い環境は避けるべきです。

 

水分をしっかり取ってあげて、風通しの良いところに保管しましょう。

 

 

負担をかけないようにする

同じ部分に重みをかけ続けたり、こすったり、物理的な負担をかけないようにしましょう。

 

合皮の製品を畳んで、上に物を置いたりしないように注意したほうがいいでしょう。

 

 

取り扱い表示どおり正しいお手入れをする

同じくポリウレタン製のものでも、アイテムによって異なります。

 

上で挙げた、湿気を避ける、負担をかけないようにするのはもちろん、洗濯やお手入れについては製品についている取扱い表示に従いましょう。

 

 

最後に

洋服は経年変化を愉しめますが、それは品質として問題ない範囲での趣きです。
ポリウレタン製品に関しては『経年劣化』だと思います。

 

見た目も良くないですし、劣化したポリウレタンはやっぱり気になってしまうものです。

 

説明し出すと長くなってしまうので今回は割愛しますが、ひとくくりにされているポリウレタンも、実は『エーテル系』と『エステル系』という分類があって劣化しにくいポリウレタンもあります。

ポリウレタンについてもまた深掘りしてみようと思います。

 

とりあえず、
ポリウレタン製品は基本的に劣化しやすいので、特に水分と紫外線に注意してお付き合いください。

 

 

ポリエステルなどの化学繊維の作り方について書いた記事もあるので、是非読んでみてください。

www.fukujipaisen.com

 

 

 

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