こんにちは。 洋服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。
冬服を出してきたら、表地が毛玉だらけになっているフリースがありました。毛玉だらけのフリースは見映えが悪いのでそのままでは着れません。
物事には必ず原因と結果が存在するので、もちろん毛玉ができる原因があります。僕は生地にうるさい服屋に勤めているので、もちろんそういった理屈も知っています。
フリースに毛玉ができる原因と対処法を知ると、毛玉は防ぐこともできるし、きれいに取りのぞくこともできます。
この記事では
- 毛玉ができる原因
- 玉を防ぐ方法
- 毛玉に対してやってはいけないこと
をシェアします。
この記事を読むと、フリースの毛玉の対処法がわかります。最後に、毛玉取りを使ってどれくらいの綺麗になるのか試してみました。フリースを正しく扱って長持ちさせましょう。
フリースに毛玉が出来るとどうなる?
秋冬の洋服で問題になる毛玉。フリースやニット、スウェット、ジャージなど、秋冬に活躍する生地は毛玉ができやすい傾向にあります。
毛玉がついた服を着ていて、良いことはひとつもありません。
毛玉がついた服を着ているとどのように見えるのか挙げてみます。
毛玉があると服装に無頓着にみられる
「その服、毛玉できてるよ」
妻から毛玉のことを指摘されることがあります。
思っている以上に人は服のことをよく見ているものです。
洋服っていうのは、自分では見慣れてるので『これくらいは大丈夫だろう』と根拠のないポジティブな解釈をしながら着続けてしまうから困ったものです。
しかし客観的にその服を見てみるとどうでしょうか。
清潔感があるようには見られません。
よく見せるために着ているはずの洋服が自分の印象を悪くしてしまうなんて辛いですね。
毛玉のせいで貧乏くさくみえてしまう
毛玉だらけのフリースを着ていると貧乏くさく見られかねません。
清潔感を損なうので、特に女性から嫌がられます。
フリースは毛玉ができたり、劣化して粉が出てきたりします。これは経年変化の味とは言い難く、ただ汚いだけです。
若い頃はまだ許されていたんですけど、歳を重ねてくるとボロボロな服を着ているとみすぼらしさが出てきます。大人になるとより一層洋服のコンディションに気を使わなければならないですね。
フリースに毛玉が出来る原因とは?
毛玉がついた状態ってどのような状態になっているのか。この画像はフリースの毛玉を拡大した写真なのですが、毛玉はこのように繊維が絡み合った状態になっているということがわかります。
冬物は毛玉ができやすく、毛玉ができてしまう主な理由は摩擦です。
生地が擦れた摩擦で表面が毛羽立ってしまう。この毛羽立ちがまた擦れて絡まって毛玉になります。これが毛玉ができるメカニズムです。
化学繊維は毛玉ができやすい
繊維の毛羽立ちが絡まって毛玉になります。
ウールやカシミアなど天然の毛繊維は強度が低いので、毛玉ができても勝手に剥がれ落ちます。
対して化繊は繊維自体が強く、毛玉として生地の表面に残りやすいのです。
繊維が強いということはメリットでもあるんですが、こういったデメリットもあります。
摩擦や静電気が毛玉の原因
毛玉は繊維が摩擦によって引き出され、これが絡み合って玉状になることです。
静電気も関係しています。
摩擦によって出てきてしまった毛は、丸まって毛玉になります。その丸まってしまう原因というのが静電気だそうです。
そして静電気が発生しやすいのは空気が乾燥している冬。
フリースを着る時期と毛玉ができてしまう条件が合致してしまってるんです。
毛玉を防ぐ方法
毛玉ができる原因がわかると、発生を防ぐことができます。
その方法は基本的にはニットやスウェットと同じです。
ただフリースは化学繊維でできているので、生地に残りやすくてある意味やっかい。毛玉ができないような取り扱いを心がけるに越したことはありません。
フリースは洗濯ネットに入れて洗う
フリースはアウトドアウエアなので丈夫だし雑に扱ってもオッケー、と思ってしまいがちです。
デリケートな洋服を洗う時だけ洗濯ネット使用している人が多いと思いますが、フリースも洗濯ネットに入れてあげてください。それだけで洗濯での摩擦ダメージを防ぐことができます。
汚れが落ちるか不安になりますが、最近の洗濯洗剤や洗濯機は、洋服をネットに入れていても十分きれいに洗えます。
おしゃれ着用の中性洗剤を使う
どうしても毛玉にしたくない場合は、できるだけ衣類に負担がかからない中性洗剤を使用してあげてください。いわゆる、おしゃれ着洗剤というやつです。
通常の洗濯洗剤より洗浄力が弱く、デリケートな衣類を洗うのにぴったり。
柔軟剤も摩擦による静電気を防止するのに効果があります。
毛玉処理でやってはいけないこと
ついついやってしまいがちなんですけど、
誤った毛玉処理の方法を挙げてみます。
毛玉を指でつまんでむしり取ってはいけない
毛玉も繊維の延長なので、線維と毛玉はつながっている状態です。
それを手でむしり取るとまだ毛玉になっていない生地にも強い力が加わってしまい、ダメージにつながります。
毛玉は無くなりますが、引っ張られた箇所は目に見えなくてもすでに毛羽立っている状態になります。つまり毛玉をむしり取った部分では、次の毛玉が作られる準備ができているということです。
そうなると毛玉が再びあらわれるということにつながります。
食器洗いスポンジの裏で毛玉を取ってはいけない
『スポンジの裏でこすると毛玉がごっそり取れる』というのはよく聞きます。
たしかに取れます。
ではなぜやめた方がいいかというと、理屈的には引っ張って取っているのと同じだからです。スポンジで大量の毛玉を絡め取っているだけなので、おすすめできません。
綺麗に切り取ってあげるたほうが、次の毛玉ができにくいです。
フリースの毛玉を取るには
できてしまった毛玉は負荷がかからないように毛玉を取り除くようにしなければなりません。
毛玉を無理に引っ張らずに、ハサミなどの鋭い刃で切るのをおすすめします。
そのあたりはニットやスウェットと同じなのですが、違うところもあります。
フリースの特徴を考える
フリースの特徴として毛足が長いことが挙げられます。スウェットやニットと比べると断然長いです。
フリースは色んな長さの毛足がある
フリースといっても毛足の短いものや毛足の長いもの、たくさん種類があります。
【毛足の短いフリース】
【毛足の長いフリース】
【ボアフリース】
これらはすべてフリースです。
フリースが暖かい理由はこのふわふわの部分に空気を溜め込めるからです。
もしこの毛足を短く刈り取ってしまうとフリースの保温力が失われてしまうので注意が必要なんです。
テスコムの毛玉取りは長さを変えれるのでおすすめ
ハサミは部分的についた毛玉を切り取れるのでが、切り取るためには毛玉を引っ張らなければなりません。
それと広い面積の毛玉を取るには時間がかかってしまいます。そういうこともあり、生地を傷ませにくくて広範囲に取り除くことができる毛玉クリーナーをおすすめします。
僕はテスコムの毛玉クリーナーを使っています。
テスコムのものは毛の長さに合わせて刃の位置を三段階に切り替えができるようになっていて、これが便利で気に入っています。
実際に使ってみます。
毛足の短いフリースなので、一番短くカットできる『低』の設定にしています。
こんな感じで、サラっと生地の上を滑らせるだけで毛玉が取れるのがわかります。
生地の上を数回滑らせるだけです。
こんなに綺麗になりました。
毛の先がすこし白くなっているのは毛玉ではなく、繊維の方向が揃っていないからです(きれいに揃えてから写真とればよかったですね)。
2〜3000円くらいの毛玉取り機ですが、やるのとやらないでフリースの見栄えが全然違います。
毛足の長いフリースの場合は、1番長くカットするように『高』に切り替えて毛の流れに沿ってすべらせると毛足も短くなりません。
こうやってフリースをきれいにしてあげると見栄えもいいし、長持ちしてくれます。
最後に
毛玉取り機は決して高くありませんし、これ一台でフリース、ニット、スウェットまで全ての毛玉に対応できるところも気に入ってます。
これがあるだけで冬の衣類が長もちするようになるので本当におすすめです。
テスコムのこの毛玉取りを使っています。
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