服地パイセン

生地にうるさい服屋で学んだことを活かし、洋服のわかりづらいことをわかりやすく解説します。

ダサいと言われてもオンブレチェックは好きな柄です

オンブレチェックとは

こんにちは。 服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。

 

なんかついつい買ってしまう柄ってありませんか?

僕は昔からオンブレチェックのシャツをついつい買ってしまいます。他のチェックのアイテムもあるんですが、なぜかしっくりこずに手放してしまうことも多いです。

でもオンブレチェックは好きな柄なので、ずっと手元に残ってます。

 

この記事では、オンブレチェックがどんなチェック柄なのか解説します。

 

 

 

 

 

 

オンブレチェックとは

ブラックのオンブレチェック

オンブレとは「濃淡をつけた、陰影のある」という意味で、ぼかしという意味に使われています。

要するに、オンブレチェックは境目のはっきりしない格子柄のことです。

 

均等のブロックで規則正しく織られたチェックと違い、濃淡それぞれの色を段階的な変化をつけて織りたてていき、目の錯覚でまるでチェック部分がぼけて見えるようになっています。


そもそも、オンブレとはフランス語で「影」の意味。
オンブレチェックは単純なチェックではなく、色の明度に濃淡を付けているのが特徴です。

カルチャー面だけでなく、ひとつの柄として見た際も他にはない味わいがあります。

 

チェック柄について

チェック柄を文字にすると、色味の異なるタテ糸とヨコ糸が交差することで生まれる規則的なパターンのこと。

 

単純な仕組みにも関わらず、さまざまな色柄が表現できるチェック柄。

 

ファッションとしてだけではなく、スコットランドでは階級や氏族のアイデンティティを表す手段としても使用されていました。
代表的なものが『タータンチェック』です。
日本でいうところの家紋のような存在だったんですね。


歴史や伝統から生まれ、他の柄と比べて豊富なバリエーションがあります。
それぞれ一つ一つの柄に歴史があるということです。

 

そのルーツを知るだけで、チェック柄に対する感じ方、見え方も今までとは変わってくるはずです。

 

オンブレチェックとカルチャー

オンブレ

チェックの柄って本当にいろいろあります。
そしてそれぞれに何かしら付いて回るイメージや文化があったりするものです。

 

そしてチェック柄を大きく分類すると、
ヨーロッパの文化のものとアメリカを連想させるチェックに分かれます。

 

例えばタータンチェックやブラックウォッチはヨーロッパのチェック。

 

バッファローチェックやオンブレチェックは、アメリカのスタイルを強く感じます。

 

中でも今回のオンブレチェックは、アメリカの西海岸の不良が愛用していた印象があります。

 

アメリカでは、50年代の開衿シャツや70年代のネルシャツなんかに多く見られ、
アウトサイダー』や『ロード・オブ・ドッグタウン』といった名作映画でも主人公たちがカッコよく着ています。

 

1950年代のバイカーやアーティストが愛用したことで、いつしか不良のアイコンとして知らるようになりました。

映画『アウトサイダー』で不良グループがオンブレチェックを、お金持ちのグループがマドラスチェックを着ていたシーンが印象的です。
チェックひとつでアメリカの貧富の差を感じられることができます。

 

1970年代を舞台にした映画『ロード・オブ・ドッグタウン』では、ZBOYSとして人気者になったスケーターたちもオンブレチェックのシャツを着用しています。

オンブレチェックを着るジェイアダムス


そして、忘れてはいけないのはカート・コバーンでしょう。

オンブレチェックを着るカートコバーン

カートコバーンといえば、モヘアニット、ダメージデニム、コンバースジャックパーセルやネルシャツといったグランジファッション。

彼もレッド×グレー系の配色のオンブレチェックをよく着ていた印象があります。

そう、グランジロックといえば、ネルシャツはオンブレチェックです。

 

オンブレチェックはダサい?

赤いオンブレチェック

「オンブレチェックはダサい」というイメージの人もいますが僕はかっこいいと思う。
なぜダサいと言われるのか?
理由は2つあるような気がします。

 

コントラストが甘いのでボヤッとする

例えば白と黒のような、モノトーンではっきりとしたコントラストの強い組み合わせは洗練されて見えます。

 

逆にオンブレはぼやっとしたチェック柄です。
ぼやけたような色はファッション的には緊張感がなく野暮ったく見えやすいのです。

 

そのぼやっとした感じが、ダサいと言われる理由かもしれません。

 

不良っぽいイメージがある

ヨーロッパのチェック柄は上流階級の貴族が着ていたものがほとんどです。

 

それと対極に位置する(?)不良であったり貧困層が着ていたというバックグラウンドがあるので、どうしても文化的に弱いのではないかなぁと思っています。

オンブレチェックあくまでメインカルチャーではなく
サブカルチャー的なチェック柄です。

 

オンブレチェックの代表アイテム

「オンブレチェックといえばコレ」
みたいなわかりやすい代表アイテムはこの2つです。

 

レーヨンの開襟シャツ

50年代の不良が着ていたのが、レーヨン素材でオープンカラーののオンブレチェックシャツです。

 

 

 

オンブレチェックのネルシャツ

70〜80年代のスケーターが着ていたのが、オンブレチェックのネルシャツです。

 

 

最後に

オンブレチェックは、アウトローだったりスケーターだったり、
サブカル的な要素が強くてすごい好きです。

 

 

ギンガムチェックについて書いた記事もあるのでよかったら読でみてください、

www.fukujipaisen.com

 

 

 

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