こんにちは。 洋服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。
1枚でかっこよく着れるTシャツを比較した記事で取り上げたアイテムを実際に買って試しています。人におすすめできないようなものを紹介するわけにいきませんからね!(前回レビューしたプロクラブのTシャツも満足度の高いからアイテムでした)
そして今回はBODYWILD(ボディワイルド)ヘビーオンスのポケット付きTシャツ『BW5214』を徹底的にレビューしていきます。
今回購入した理由はコチラです。
- 夏に一枚で着れて透けないTシャツが欲しい
- 肌着メーカーがつくるアウターTシャツはどんなものか試してみたかった
- 7.6オンスの生地を使用していて1500円というコスパの良さ
結論を先に書くと、BODYWILDのTシャツを実際に手にして、着てみて、グンゼの実力のすごさに驚かされました。
何がそんなにすごいのでしょうか?
今回もディテールや生地、サイズ感、洗濯での縮みまで、徹底的にレビューしていくので、Tシャツ選びの参考にしてみてください。
- GUNZE BODYWILD(グンゼ ボディワイルド)とは?
- グンゼ ボディワイルドポケット付きヘビーウェイトTシャツの特徴を徹底解説します!
- グンゼのTシャツはジャケットのインナーとしてコーディネートできる?
- メリットデメリットをまとめます。
- 最後に
GUNZE BODYWILD(グンゼ ボディワイルド)とは?
BODY WILD(ボディワイルド)はグンゼの運営する着心地とファッションを両立させたアンダーウエアブランドです。
その運営母体であるグンゼについても言及しておくと、1921年に創業された日本の肌着メーカーです。
インナーウェアの商品から始まり、スポーツウェア、シェイプアップウェアなど、機能性に優れた製品を幅広く取り扱っています。幅広いアパレル製品を展開し、年間の販売枚数は1億1000万枚にも及ぶ大手企業です。
個人的なこれまでの印象としては『グンゼ=肌着、下着ブランド』という印象が拭いきれませんでした。ですがよく考えてみると、今ではアウターとして着ているTシャツも元々の出自は肌着です。肌着ブランドが苦手なわけがありません。
グンゼ社のブランドはたくさんある
下着メーカーのグンゼは複数のブランドを展開しています。いくつか例を挙げてみます。
SEEK(シーク)
シークは快適・着心地・デザインを究めた最上位シリーズ。百貨店などにも置いてます。
YG(ワイジー)
『着心地を科学する。』フィット感と快適性にこだわったインナーウェア。
様々な素材(綿100%、吸湿速乾、吸汗発熱など)を選べ、自分が求める機能を選べる豊富な品揃えが魅力。
the GUNZE(ザ・グンゼ)
素肌服で今までにないコットンの 着心地を実感してください。自社の名前を冠し、技術の粋を集めて改良した綿100%シリーズ。
快適工房(かいてきこうぼう)
「着心地」と「清潔感」を追求した下着シリーズ「快適工房」
などがあります。ボディワイルドはこのようなグンゼの展開するブランド群の中の1つなんです。
グンゼのヘビーウェイトTシャツはこんな人におすすめ
グンゼボディワイルドのヘビーウェイトTシャツがどんな人におすすめなのか。
綺麗なラウンド型の丸首のクルーネックで汎用性と清潔感のあるものを探してる人におすすめです。
次の項から詳しく解説していきますが、先にわかりやすいスペックをまとめてみるとこんな感じです。
- 旬のボックスシルエットのTシャツ
- 厚手で端正な円首
- 生地は7.6オンスのヘビーウェイト
グンゼ ボディワイルドポケット付きヘビーウェイトTシャツの特徴を徹底解説します!
Tシャツ事情を振り返ってみると、2021年頃はとにかくヘビーなTシャツが人気で、厚ければ厚いほどかっこいいような風潮がありました。
その流れで10オンスを超えるようなTシャツも登場し色々と話題になったのを覚えています。オンスの数値だけでいうとリーバイスのデニムよりもヘビーなTシャツもいくつか誕生しました。
でもそのトレンドも落ち着いてきて、現在は『適度な厚み』という流れに収束しています。その他にも機能素材への注目から、化繊のTシャツも一般的になってきました。
おそらくトレンドのサイクルから考えると、これからはTシャツの生地感にもしなやかさや華やかさが求められてくるんだと思います。
そんな中で、ボディワイルドのヘビーTシャツは『割とヘビーだけどヘビーすぎない』という良い塩梅に仕上がっています。
グンゼボディワイルドのTシャツの評判は?
今回の品番『BW5214』のAmazonのレビューを見てみます。
5点満点中4.1点となかなか高評価を得ています。
厚手でとても使い勝手が良くコスパも良い!何度リピートしたかわからないくらい愛用しています。ポケット付きがお洒落で気に入っています。
参照:amazon
生地が想像以上にガサガサしてます。昔の素材のままのTシャツって感じがします。
グンゼも有名なメーカーだと思うので、ユニクロとまでは言わないですが、もう少し素材の開発を頑張ってほしいです。
参照:amazon
点数こそ高いのですが、肯定的なレビューも批判的なレビューも見受けられました。実際にはどうなのか、しっかり自分の目で確認していこうと思います。
デザインとディテール
とてもシンプルでベーシックなポケTです。ですが、他社製品と比較して同じものは基本的にはありません。ベーシックであっても他のものとはどこか違いがあるものです。
それではグンゼボディワイルドのTシャツの特徴をひとつずつ見ていきます。
パックTシャツです
今回のグンゼボディワイルドのTシャツは、購入時はパックに入って販売されている、いわゆるパックTに分類されます。
パックTって、同じTシャツが3枚くらいまとめて入ってお得に売られている印象。ヘインズのTシャツみたいな。
なぜパックに入っているかといったら、1950年代あたり、Tシャツは肌着として販売されていたことが大きな要因。肌に直接触れるものだから露わにせずにパックに入っているということです。
今のパックTは、シンプルな白いTシャツを他と差別化するためにパッケージのデザインでブランディングしているという側面が強い。
そういえば、フルーツ、ヘルスニット、ヘインズをはじめ、アメリカのパックTのパッケージっておしゃれですよね。
対してグンゼはどうか。正直パッケージはタフな作業肌着っぽさもあってダサいです(笑)ある意味潔くていいのかもしれませんし、パッケージはあくまでパッケージなので、そんなに気にしなくてもいいのですけどね。
首元のリブは端正な丸いクルーネック
ディテールを一つずつ見ていくと、まずは丸首の形が目につきます。
同じクルーネックのTシャツでも、
プロクラブのネックはかなり詰まっていて、
グッドウエアのものが少し横に広めでした。
今回のグンゼのTシャツは綺麗なサークル型です。綺麗な丸いクルーネック。まん丸です。
リブ幅は2.5cmで割と広めなのでカジュアルな印象。詰まりすぎということもないとても印象の良い形状。
ボディはクラシックな丸胴です
今回のグンゼのTシャツは丸胴ボディです。丸胴ボディは脇に縫い目がなくて胴が筒状で1枚の生地からできているものです。
着心地が良いということも魅力ですが、その昔ながらの製法になんだか惹かれてしまいます。Tシャツ好きとしては丸胴のものはロマンを感じるんですよね。
ポケットは少し小ぶりで控えめです
グンゼボディワイルドのTシャツの左胸にはホームベース型のポケットがついています。ポケットのサイズは縦10.5センチ×横10センチの少し控えめな大きさです。 (後半に着用画像を掲載しているので、ボディとのバランスはそちらでご確認できます)。
そういえば、この『Tシャツにポケット』というのは案外歴史としては浅く、初めに取り入れたのはたしかGAPだそうで、肌着との差別化のためにつけたんだとか。そして左胸についているのは、右利きの人が多いからだとか聞いたことあります(諸説あり)。
グンゼのTシャツの生地と縫製は?
グンゼボディワイルドのヘビーウェイトTシャツは生地にもこだわっています。使用されている7.6オンスの生地は、割と厚みのある部類にはいります。質感や色味について詳しくみていきます。
7.6オンスの生地『1枚でも透けない』
まず一枚で着るのにちょうどいいTシャツとして肝心なのは透けないかどうかですが、グンゼボディワイルドのものは一枚で着ても全く透けませんでした。
生地は7.6オンスですが、数値から想像していたほどいい意味で分厚くありません。生地がぶ厚すぎると夏場に着用しにくいということを懸念していたのですが、まったく問題ありませんでした。
むしろ7.2オンスのグッドウェアのTシャツの方がぶ厚く感じます。これは生地に使用している糸が異なるからでしょう。
グンゼボディワイルドのTシャツに使用される生地は、引き締まった感じがします。すこし硬めでカラッと乾いてドライな感じ。未洗濯の状態は肌にピリつく感じがありました。
amazonのレビューの内容にもあったように、ガサガサ・ゴワゴワと表現するのも少しわかります。ヘビーウェイトのTシャツに慣れていないと、たしかに気になるかもしれませんね。
洗濯後は生地の表面には程よい凹凸感がでてきて、肌触りのピりつく感じもなくなったように思います。念のためですが、ヘビーオンス特有のガサガサ、ゴワゴワした感じは残ります。
公式ページにも記載がないので、グンゼの生地や糸については詳細がわからないのですが、別モデルでアメリカンコットンのTシャツがラインナップされていました。
なのでグンゼのヘビーウエイトTシャツは、米綿ではない一般的な短繊維のコットンを使用しているんだと思います。米綿の空気紡績の生地と比べると、やはり手触りが違いますね。
生地の色は純白
生地はかなり白く、ピュアな純白です。
青みがかった清潔感を感じる白さです。
グッドウエアの白Tシャツと比較してみると純白さがよくわかりますね(念のためですが、グッドウエアのTシャツが黄ばんでいるわけではありませんよ)。
縫製は頑丈な処理が施されている
中国製ですが、クオリティに問題なし。
内側の襟から肩周りにかけてバインダー処理されているので、耐久性も問題ありませんでした。
ここが補強されていることで洗濯耐用回数が飛躍的に伸び、長く付き合えます。ここはタフなTシャツの絶対条件です。
タグレス仕様で着心地にも配慮されている
首の後ろにはブランドネームがあります。
ほとんどの場合はブランドのタグがつくのですが、グンゼボディワイルドのTシャツはタグのないタグレス仕様です。
もちろんタグが肌に触れることによるストレスをなくすための仕様です。首の後ろのタグが肌に当たるのが気になる人にとっては嬉しいポイントになります。
グンゼのTシャツのシルエットとサイズ感は?
グンゼボディワイルドのヘビーTシャツは、一枚で決まる旬のボックスシルエットです。肌着感もなく、アウターTシャツとして着やすいデザイン。
サイズ感についても細かく確認していきます。
サイズ感は標準的な日本の規格
海外のTシャツよりも着丈が少し短めに設定されており、日本ブランドらしいオーソドックスなサイズバランスで、標準的な大きさです。
上の写真は170cm 60kgの日本人の標準的な体型でLサイズを着用しています。
Lサイズだとお尻が隠れるくらいの着丈で、正面から見ると手を下ろしたときに親指の第1関節あたりになります。
そして袖丈は肩からひじまでの2/3あたりにきます。二の腕がしっかり隠れるくらいの長さです。
ボディワイルドのTシャツの洗濯による縮みとサイズ変化は?
グンゼボディワイルドのTシャツは綿100%。防縮加工を施していない未洗いなので、洗濯による縮みが発生します。
上の着用画像は3回洗濯したあとに撮影したものです。未洗濯の状態から比べると、肩幅が1センチ、身幅2.5センチ、着丈2.5センチ、袖丈が1センチ縮んでいました。
洗濯でどれだけ縮むのかを計測してみましたが、2回目の洗濯と3回目の洗濯ではほとんど縮みが見られなかったので、2回の洗濯で縮み切るといえます(乾燥機にかけるともっと縮むはずなので注意してください)。
サイズ | 肩幅 | 身幅 | 着丈 | 袖丈 |
---|---|---|---|---|
未洗濯 | 50 | 55 | 69.5 | 21 |
洗濯1回目 | 49 | 53 | 67 | 20.5 |
洗濯2回目 | 49 | 52.5 | 67 | 20 |
洗濯3回目 | 49 | 52.5 | 67 | 20 |
ジャストサイズで選ぶと少し窮屈になる可能際があるので、サイズ選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。
グンゼのTシャツはジャケットのインナーとしてコーディネートできる?
リモート会議などでTシャツの上にジャケットを羽織る機会も増えてると思います。白Tシャツということでそんな使い方も視野にはいるので?と思いジャケットのインナーに着てみました。
清潔感のある白なので、好印象ですね。
ドレスコードが許すのであればジャケットのインナーにも対応できると思います。
僕が感じた注意点としては、ジャケットのインナー専用として買う場合は、もっとドレスライクな印象のTシャツを選んだ方がいいのではないかということ。
例えばもう少し生地に光沢があったり、襟が細く作られているものがそれにあたります。
今回のグンゼボディワイルドのTシャツは『カジュアルに着るTシャツの中では清潔感のある方』くらいで認識いただけると間違いないと思います。
調べてみると、ジャケットのインナー用のTシャツもありました。
(さすが肌着の老舗メーカーグンゼです!)
メリットデメリットをまとめます。
良いところも悪いところも書いてきましたが、
一度整理してみます。
メリット
まずメリットを挙げていきます。
- 一枚でも透けない
- クセがなく使いやすい
- 清潔感がある
- 約1500円でコスパが良い
Tシャツに求められる性能をしっかり満たしています。むしろそれ以上ですね。
この値段でカジュアルにもきれい目にも振れるTシャツという点では稀有な存在かもしれません。
最近は週に2〜3回くらいは着ています。
デメリット
気になったところを挙げていきます。
- 未洗濯の状態は着心地が少しピリつく
- 7.6オンスだが思っているより厚くない
- アメリカンな雰囲気を求めるならこれじゃない
個人的には未洗濯の状態でのピリつきが気になりました。これに関しては一度洗ってしまえば解消するので大した問題ではありません。
アメリカンなヘビーオンスのTシャツを求めているなら、他のTシャツの方がいいと思います。
比較した記事があるので是非そちらを参考にしていただけると嬉しいです。
最後に
肌着ブランドだからアウターTシャツはどうなのか?と思ってましたが、グンゼボディワイルドはとても素晴らしいTシャツを作っていました。
ですが、肌着メーカーであるというパブリックイメージもあるので、おしゃれ用のTシャツとしてはマイナーな存在だと思います。
そういうこともありファッションの醍醐味でもある『あのTシャツいいよねぇー!』という共感はなかなか得られないかもしれません。
ですが裏を返せばツウ好みなアイテムでもあると思います(この業界は玄人ほど意外なもの着てたりするもんです)。
僕個人としては、グンゼボディワイルドのTシャツは買ってみてよかった、人におすすめできるアイテムなので是非チェックしてみてください。
『他の無地Tシャツも知りたい』という方は、生地の厚さやサイズ感、価格などの観点からTシャツを厳選した記事があるのでよかったら読んでみてください。
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