こんにちは。 洋服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。
アパレルでは、いま古着がアツいです。古着ブームはこれまで何度も起きており、2010年頃は60年代以前のアメリカ古着が人気でした。特に50年代より前のワークウエアなんかがとても人気で、ヴィンテージと呼ばれ、ボロボロの服でも高値で取引されていました。
『どこの国の服か』『どういうジャンルの服が』などいろいろ分類はされますが、年代が古ければ古いほど価値が上がります。
当時は70年代以降の古着は『あまり価値がない』というような扱いをされて見向きもされませんでしたが、今では70年代の服もヴィンテージの仲間入り。当時はレギュラー古着と言われた80年代以降の古着も『ニューヴィンテージ』と呼ばれるように…。
さらに『古着=アメリカ古着』でしたが、今はヨーロッパの古着も人気で、見向きもされなかったような物が人気になったりしています。
世の中どうなるかわからないものですね。
時代やトレンドに左右される古着の価値ですが、僕の所有している中でわかりやすく価値が変化した物があります。そんな『スウェーデン軍のM59フィールドコート』。
昔はまったく人気がなかったけど、今は人気のこのM59フィールドコートの特徴などシェアしようと思います。
- スウェーデン軍のコートとの出会い
- スウェーデン軍の特徴
- スウェーデンミリタリーM-59フィールドコートの特徴
- ステンカラーコートのような襟
- M-59ミリタリーコートのライナー
- スウェーデン軍M59コートのメリットとデメリット
- サイズ感は要確認
スウェーデン軍のコートとの出会い
冒頭で書いた通り、時間の経過とともにトレンドも変わり、人々の価値観も変わります。
このスウェーデン軍のコート、現在ヤフオクで15000〜25000円くらいで取引されています。
『ユーロヴィンテージ』の人気に伴ってか、スウェーデン軍のアイテムも人気が出てきました。
15年くらい前のこのコートの値段は、驚きの390円でした。
40〜60倍くらいの値段になってます。
たしか米軍のM-51フィッシュテールパーカーが欲しかったけど、高くて買えなかったとか、寒さを凌ぐために急遽買ったとか、そんな感じのあまり思い入れのない出会いだったような…(笑)
そんなこともあり、去年まで実家のクローゼットでずっと眠ってました。
ところがオーバーサイズでリラックス感のある服がトレンドということもあり、なんとなく急に気になって着てみたら今の気分にぴったりでした。
15年越しに『買ってよかったなぁ、捨てなくて良かったなぁ』と思います。
何も知らずに育てたコイキングがギャラドスに進化したような感動です。
さて、僕の話はこれくらいにして、ここからはこのコートについて書いていきます。
スウェーデン軍の特徴
スウェーデンは第一次、第二次世界大戦ともに中立国という立ち位置で、戦争のイメージはありませんが、ミリタリーウェアはあります。
そしてそれらはスウェーデンらしい思想に基づいたデザインのものが多いです。
価格は比較的手ごろな物が多くM-90コートを始め、人気のアイテムが多数あります。
古着ブームの追い風もあり、スウェーデン軍は今後も人気が継続するであろうおすすめのミリタリーです。
スウェーデンミリタリーM-59フィールドコートの特徴
スウェーデン軍のM59コートです。
ミリタリーでありながらも、きれい目なステンカラーコートと無骨なワークコートが融合したようなデザイン。
シェルはコットンなので3シーズン活躍します。
ミリタリー物の中でも徐々に人気が上昇し、ユーロミリタリーでもメインになりつつあろうかというスウェーデン軍。
スウェーデン陸軍において1959年に正式採用され60年代~80年代まで製造されていました。
菅田将暉さんが愛用しているスウェーデン軍のパンツのトップスバージョンです。
そんなスウェーデン軍のM-59フィールドコートのディテールを紹介していきます。
スウェーデン軍独特の色味
軍物といえば、カーキやオリーブドラブといった色がほとんどですが、スウェーデン軍はこのグリーンが独特な色味をしてます。
米軍の『オリーブドラブ』と呼ばれる色と比較すると、かなり違います。
(オリーブドラブはかなり色ブレがありますが)
たしかオリーブドラブの色は、染料をブラック50:イエロー50で配合して作ったとか、そんな感じだったと思います。
比較するとスウェーデン軍のは明らかにグリーン寄りの色なんです。
街で着やすい、ゆったりしたAラインシルエット
数あるミリタリーコートの中でも特に今のトレンドにぴったりなシルエットの1枚だと思います。
形の特徴としては広めに作られた身幅やアームホール、見頃の両サイドにはかなり大きなポケットがついているのが特徴です。
Aラインを綺麗に描いてくれるシルエットで、今っぽくオーバーサイズでバサッと羽織る、街着として使いやすいコートです。
ちなみに購入した当時は『細身で短めのデザインが人気』だったので、今と全く逆でした。
丈の長いものは米軍のM51やM65と呼ばれる、いわゆるモッズコートしかファッションとして認められていなかったんではないでしょうか。
ミニマルなデザインに映える大きなポケット
スウェーデンらしく無駄の無いミニマムなデザインですが、かなりの荷物が入るフロントポケットを配備しています。
フラップ付きのマチ有りポケットなどミリタリーディティールも満載で存在感があります。
このコートのデザインのポイントになっています。
チンストラップ
襟にはチンストラップがつきます。
『チン』はあごのことで、襟元から風が入らないようにするためのディテールです。トレンチコートなんかについてたりします。
そして裏にはジグザグステッチが施されているので、襟が立つようにデザインされています。
襟の裏がジグザグになっていると、なんだかグッときてしまいます。
ライナーを取り付けできます
M59はボアライナーもついているから防寒性もばっちり。
やっぱりスウェーデン軍に限らず、寒冷地の軍物とアウターは寒さをしのぐライナーつきのタイプが多いです。
ライナーは袖まであり、袖もボタンで固定できます。
防寒性が高く、日本の冬なら余裕で越せる暖かさです。
ステンカラーコートのような襟
襟の形はステンカラーです。
これは襟章がついていますが、モノによって付いているものとないものとがあるようです。
M-59ミリタリーコートのライナー
ボアライナーは取り外しができ、ライナーだけでも着ることもできます。
ここ数年、どこのブランドもライナーのようなザインのアウターをリリースしていますね。
ミディアムロング丈のノーカラーで、表裏どちらでも着用できるのがスウェーデン軍のM59のいいところです。
シェルだけでも売られてますし、ライナーだけでも売られていて、どちらも人気。
最近はこのスウェーデン軍のライナーのデザインも、ブランドにサンプリングされています。
トレンドのノーカラーであること。
いま流行りのボアジャケットとして使えること。
人気の裏にはそういった理由もあると思います。
ワイルドでレトロなボア
ライナーのボアはレトロな雰囲気があります。
かなり肉厚で最近のボアよりもワイルドな印象。
ライナーはリバーシブルで使える
ボアと反対の面です。
こっちはノーカラーのコートのようにも着れます。
すごくシンプルなデザインなので、このライナーだけで着るなんて発想、昔は全くありませんでした。
スウェーデン軍M59コートのメリットとデメリット
ここまでスウェーデン軍のミリタリーコートの特徴を書いてきましたが、実際に着てみて感じたことを書いてみます。
メリット
まずは良かったことから。
ポケットが大きくてかなり便利
フロントのポケットがかなり大きく大容量です。
文庫本くらいなら余裕で収納できるので、サコッシュのような小さいバッグを普段つかっている人は、カバン要らなくなるんじゃないでしょうか。
フラップとマチ付きのデザインもギア好きにはたまらないですね。
ポケットに入れた物が落ちてないか不安になる僕みたいな人はフラップ付きのコートが安心です。
ゆったりしてるのでかなり着込める
インナーに厚みがあってゆったりしている場合、アウターも大きめでないと着れません。
例えば、最近はルーズなスウェットや、ボリューミーなボアのプルオーバーの服が増えてます。
そういったアイテムは、細身のアウターの中には着れないんですよね。いやむしろ最近のビッグシルエットのトレンドは、それ専用のアウターじゃないと着れないくらい大きく、太くなってます。
ビッグシルエットのインナーに合わせるのに、ぴったりなアウターですね。
デメリット
機能的で流行りの要素もかなりあるので、デザインは申し分なく今の気分にぴったりです。
ですが、着てみてはじめてわかることもあるので、僕が感じたデメリットを書いていきます。
とにかく重たい
古い服によくあることですが、とにかく重たいです。
ライナーをつけた状態だと、2リットルのペットボトルより重いんじゃないでしょうか。
それくらい重たい。
それに比べると、最近の服は軽くて機能的で。技術の進歩に驚きます。
今の服にはない、もっさりとして不便なところも古着のよさだったりするんですけどね。
サイズ感は要確認
スウェーデン軍はサイズがかなり幅広いです。
僕が所有しているものは『C52』という少し大きめのものです。
ざっくと着れるゆったりめなコートですが、サイズ詳細については取扱店のサイズ詳細を確認するのがまちがいないです。
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