こんにちは。 洋服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。
僕は私服通勤なこともあってスニーカーばかり履いてますが、数年前まではスーツを着ていたので革靴を履いてました。
買ったばかりの革靴は靴底がつるつるで滑るし、レザーソールがすり減ってしまうので、靴の修理屋さんで硬いラバーのソールを裏張りしてもらっていました。
そしてラバーがすり減ったらまた新しいソールに取り替えてもらうというのを繰り返していました。
靴の修理屋さんには色んな種類のソールが揃えてあって、その中から自分の好きなものを選べるようになっています。
そして裏張りをする時に必ずこうオーダーしてました。
『ビブラムでお願いします』
ソールといえば、ビブラム。ビブラムを張るだけで2割増くらいに気分が上がるから不思議なもんです。
今回はそんなビブラムについて、特徴やどのように進化してきたか、まとめてみます。
- ビブラムソールとは?
- ビブラムの歴史
- ゴムの特性を判断する主な要素
- ビブラムソールの種類と特徴
- ビブラムはすり減りやすいデメリットが?
- 革靴やブーツだけでなくスニーカーの張り替えに使えるビブラムソール
- 最近話題になっているローリングゲイトシステム
- まとめ
ビブラムソールとは?
Vibram(ビブラム)はイタリアで生まれた、世界No.1のソールメーカーで、ビブラム社の作るソールをビブラムソールと呼びます。
ビブラムソールといってもたくさん種類があるのですが、『タンクソール』と呼ばれる登山靴に用いられるゴツゴツとした靴底が有名です。
ソールに映える黄色のロゴマークも特徴で、靴にあまり興味のない人でも目にしたことあるんではないでしょうか。
ビブラム社のもの全てに黄色いロゴが付いているわけではありませんが、ビブラムソールらしいディテールでもあります。
ビブラムの歴史
1935年のアルプス遠征隊の登山仲間を亡くしたことをきっかけに、イタリアの登山家のヴィターレ・ブラマーニ氏はがグリップ力と安全性のあるゴム製の靴底の開発に挑みます。
ちなみにその当時はゴムソールの靴はほとんどありません。
木や革と釘で出来たものが主で、今の靴ほどグリップ力がなく、とても滑りやすいものでした。
登山道は土質が悪く滑りやすいので、より安全性の高い靴底が必要だと考えます。
そして1937年に誕生したのが、ビブラム初の靴底「タンクソール」です。このソールでイタリア登山チームがK2の初頂上を達成しました。
こうして登山チームを足元から支えたビブラムは一躍有名となります。
世界で初めて加硫ゴムで作った靴底が、登山家の間で有名となり、世界の登山家にもっとも愛される靴底になりました。
今でこそビブラムは登山だけではなくワークブーツやスニーカーソールにも使用されていますが、もともとは登山用のソールを開発していたんです。
ゴムの特性を判断する主な要素
ビブラムソールにはものすごい数の種類があって、それらの特製はひとつずつ異なります。
例えば、グリップがよくて滑りにくかったり、硬くてすり減りにくい、軽くて歩きやすいなど。
それらの特性はソールの形状だけでなく、ゴムの硬さや強さなどでも変わってくるので、用途を決めるのは、次のような項目だそうです。
・密度
・硬度
・磨耗性
・破断伸度
・耐久性
細かく書き出すとキリがないのですが、ようするに、素材となるゴムにもさまざまな種類があって、用途に合わせてゴムの配合を変えているということです。
ビブラムソールの種類と特徴
靴底というあまり注目されることのない分野に特化し、豊富なデザインと高い品質でそのブランド力を形成しているビブラム。
テストセンターでの測定とフィールドテストで合格したソールだけが品質認証を受けて市場に出てきます。
ビブラムソールはたくさんの種類があるのですが、どのようなものがあるのか一例を挙げてみます。
登山向きのビブラムソール
ビブラムの創業者が登山家ということもあり、もっとも得意なのが登山向きのソールです。
硬質で耐摩耗性に優れており、岩場でも最高の安定性を発揮します。
ゴムは温度によって耐久性が変化しやすいのですが、長時間の低温環境でも配合の機能を失わず、耐久性にも優れています。
ちなみに軽登山用は重登山用より少し柔らかい配合になってます。
雪国向きのビブラムソール
氷や雪面でのグリップ力を引き出すために開発された素材もあります。
寒くても硬化しにくい性質のソールを使用し、グリップ力をより強化するデザインと組み合わせて作られた靴底は、冬のハイキングや凍結した歩道を歩く場合にぴったりです。
一般使用向きのビブラムソール
カジュアルやビジネスなどの一般使用向けに作られたものはかなり様々な種類があります。
平均的な硬さで、曲げやすく、軽量であることがカジュアルなソールに求められる機能です。
ビジネスシーンで活躍するドレスシューズには、タフさよりも裁断による型崩れが無く、仕上がりの美しさが求められます。
パンプスの靴裏の保護、滑り止め、かかとの修理には硬質のソールが使われます。
ビブラムはすり減りやすいデメリットが?
たまに、
『ビブラムはすぐすり減るから苦手』
という人がいます。
ビブラムソールにはたくさん種類があり、それぞれ材質も違うので、中にはすり減りやすいものもあります。
すり減りやすいのは、おそらくスポンジ系の素材のソールのことだと思います。
僕の経験談として言えることは、ビブラムは基本的にすり減りにくいのですが、スポンジ系のものは少しすり減りやすい気がします。
気になったら一度硬めのソールにしてみてもいいかもしれません。
ビブラムほど、多様な商品構成で簡単に手に入り、高性能なソールは他にはないと思います。
革靴やブーツだけでなくスニーカーの張り替えに使えるビブラムソール
ソールを張り替えできるのは革靴だけだと思ってました。
ところがスニーカーでもソールの張り替えができるそうですね。
知りませんでしたし、もちろん試したことありませんでした。
ミッドソールを活かしたままアウトソールだけを張替えたり、ミッド部分から交換も可能なタイプもあるようで、スニーカーによって違うそうです。
そしてソールが経年劣化を起こして履けなくなってもアッパーさえしっかりとしていれば、ソール交換できちゃうそうです。
お気に入りのスニーカーのソールがすり減ってしまうとなくなく手放してましたが、ソールを張り替えてまだまだ履くことができるということです。
登山靴からはじまったビブラムですが、社会の変化に合わせてスニーカーのソールもあります。
どのようなソールがスニーカーに合うかを見ていきましょう。
ビブラム2002 ケンブリッジソール
5mmの薄型でスニーカーに最適なオールソール。
素材は合成ゴムでカラーは黒と白があります。
『オールソールってなんぞや』っていう話なんですけど、ドレスシューズの場合はカカトの部分(ヒール)とつま先側(ハーフソール)に分かれていることが多く、対してスニーカーやカジュアルブーツはヒールがなくて一枚のシートになっているものがほとんどです。
そのくっついているものをオールソールと呼びます。
ビブラム342 ミニリップルソール
シンプルな波模様が特徴で、様々な靴に対応できるオールソールです。
約6mmの厚さ、模様を気にせず使用でき、タウンユースにぴったりで汎用性が高いソールです。
ビブラム8338 スポンジシート
スポンジソールなので軽く、底面のVibramロゴが特徴になるソールです。
厚さは7mmで、色は黒・茶・ベージュがあります。
シート状なので自分でスニーカーのソールに合わせてボールペンなどで印をつけカットし、接着剤をで貼り付けます。
最近話題になっているローリングゲイトシステム
ビブラム関係の話でもう一つ抑えておきたいものがあります。
それは、この数年で一気に認知度が高まってきたビブラム社のハイテクソール
『ビブラムローリングゲイトシステム』というものです。
日本を代表するアウトドアブランドのsnowpeakや、イギリスのアウトドアブランドHI-TEC(ハイテック)のスニーカーなんかが、このローリングゲイトシステムを採用しています。
ミッドソールは軽くて柔らかいEVAという素材、アウトソールは薄くラバーが貼られた、衝撃吸収とグリップ力が魅力的なソールシステム。
ミッドソールとアウトソールが一体構造となったロール形状のソールが着地時の衝撃を吸収し、自然な歩行をサポートします。
ビブラムローリングゲイトシステムと名付けられたこのソールは、ゆりかご型に曲線を描くソールが、足の屈曲や回転にあわせて自然に順応してくれ、自然な歩行をサポートしてくれるというもの。
①エネルギー消費の減少
②筋肉疲労の減少
③より大きな持久力を発揮
などの効果があるそうです。
このローリングゲイトの出現あたりから、ビブラム社も変わり始めたように思っています。
山登りがルーツのブランドなので、
『タフで頑丈』というものがもともと多かったんですけど、『都会での快適性』を意識したものも作ってきていて、ミッドソールと一体型の柔らかい履き心地のソールも作っています。
まとめ
ビブラムソールは世界でナンバーワンのソールメーカー。
登山靴用のすべりにくいソールとして世に広まり、人々のライフスタイルや好みの多様化にあわせて進化し続けています。
例えば革靴やブーツ用などのかたくて無骨なものから、スニーカーでも使えるようなソフトでスタイリッシュなものまで。
パイオニアでありながらも、世の中の変化に合わせて進化し続けるからこそのナンバーワンなんでしょう。
スニーカーにもビブラムソールを履かせれるようなので、いつかスニーカーにビブラムを履かせてみたいと思っています。
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