服地パイセン

生地にうるさい服屋で学んだことを活かし、洋服のわかりづらいことをわかりやすく解説します。

【カメラ初心者にオススメ】雰囲気の良い写真を撮るコツ〜ライティング編〜

写真撮影のコツ(ライティング編)

こんにちは。服地パイセンです。

 

写真を上手に撮影したい!』と思うことはよくあると思います。

 

僕はアパレルの通販の会社に勤めているので、モデル撮影、物撮り、ロケ撮影、動画撮影などの撮影業務を行うので、一通りの撮影業務を経験しています。

良い写真を撮るには、いくつかあるポイントをしっかり押さえることが大事だと思います。

 

今回は写真の印象を操作する光の当たり方、『ライティング』についてシェアします。

 

綺麗な写真を撮影できることで、サイトやブログ、SNSの印象もよくなります。雰囲気の良い写真が撮れたときや、思い通りの写真が撮れたときはとても嬉しくなります。

 

 

 

 

 

良い写真とは何だ?

良い写真で難しいですよね。写真の良し悪しは主観的な評価になるので、好みの要素は割と強かったりします。

でも、良いとされているポイントはたくさんあって、まず大事なのはは『伝えたいもの』が『適切な印象で写っている』ことがだと思います。

 

伝えたいものがきちんと写っている

その写真で説明したいものが説明できているかというのは大事なポイントです。

そのためには、写真を撮る前に具体的に言語化することが大事です。

 

一枚の写真から得られる情報は、思っている以上に多いもの。別のものが写り込むとそちらにも気が向いてしまうので、余計なものは目立たせないか、極力映り込まないかようにした方がいいです。
 

何を伝えたいかをはっきりさせて、不要な情報を削ることがポイントです。

 

適切な印象で写っている

一眼レフカメラは表現が自由だ

表現の仕方はたくさんありますが、おしゃれっぽく、簡単に雰囲気の良い写真を撮ろうと思うと、被写体以外をぼかすのが手っ取り早いです。

 

一眼レフカメラではレンズを変えたり設定を変えることで調整できるので、ある程度好きなようにぼかすことができます。

ぼかすことで、見せたいところを強調することができます。

雰囲気のいいボケのある写真

 

ただ、一眼レフカメラに頼らなくても、光の使い方が上手くなると、スマホでも十分良い写真は撮れます。

 

ポイントは『光と影をうまく使うこと』です。

 

光と影で写真の印象を操作する

写真撮影では、

『光(影)の方向』と『光(影)の強さ』によって印象を変えられます。

 

光の方向は写真の立体感に影響する

一番ポピュラーな光源は太陽です。

 

なので太陽の光をいかにうまく使うかで、写真の見栄えが大きく違ってきます。

 

屋外でどんな光かを判断するのに、よく『手の甲』をつかいます。

手の甲は骨が多く、皮膚もぶ厚くないので小さな凹凸があります。この凹凸は光の角度や強さをチェックするのにとても役立ちます。

 

順光

順光の光を手の甲で確かめる

順光は被写体に対して真っ直ぐ光が当たっている状態。上の画像では手の甲側に太陽があるので、全体的にしっかり光が当たります。

 

ただし影が出ないので、平面的になり、立体感を表現するのに向いていません。あまり雰囲気の良い写真にはなりづらいです。

 

色を表現するのに適しています。

 

逆光

逆光はシルエットがわかりやすい

逆行は被写体の向こう側から光が当たっている状態です。手のひらの向こう側に太陽があり、手の甲が全て影になるので暗くなっています。

 

写真を撮るとき、なんとなく逆行を避けてしまいますが、被写体の輪廓がはっきりでたり、印象的な写真を撮れるなどのメリットもあるので、一概にダメというわけではありません。

 

反逆光

反逆光の手の甲

反逆光はあまり聞いたことないかもしれません。

簡単に言うと、横から光が当たっている状態です。質感や立体感を表現するのにぴったりです。

 

この画像では左側から太陽が当たっているので、右側を中心に凹凸のあるところが影になっています。

 

上の順光、逆光と比べると立体感がよく伝わってきます。

 

このように光のあたり方を理解して、影の出方をコントロールするのが、良い写真を撮るポイントになってきます。

つまり光と影を撮影するのです。

 

ちなみに、この写真の影は硬めな印象です。

そういった影の硬さも大事なポイントなので、次の項で説明します。

 

影の強さで写真の印象を操作する

上の手の甲の写真は、午前中に雲ひとつない晴天の空で撮影したものです。

太陽の光は、雲がない状態だととても強くて硬い印象になります。

雲ひとつないような晴れの日は青々として天も高く気持ちいいものです。

明るい印象なので撮影に向いていると思われがちですが、個人的にはくもり空が撮影しやすいと思います。

 

光の硬さは写真の印象にかなり影響するので、比べてみます。

 

硬めの光

固い印象の光とトマト

光が強いと影が固い印象になります。

固い影とは輪郭がくっきりしたコントラストの強い影です。

 

天気で言うと、晴れです。

晴れの日は太陽の光がとても強く、影がはっきりと出るので硬い印象になります。

明るい箇所と暗い箇所のコントラストが強いので、白飛びしやすく、黒つぶれもしやすい。

 

印象を言語化すると

『男性的な』 『強い』『つやっぽい』
印象になります。

 

柔らかい光

柔らかい印象の光とトマト

しっかりと拡がった柔らかい光は影もぼんやりと柔らかくなります。

輪郭が曖昧で、ぼやっとグラデーションのようになったものです。

 

天気で言うとくもりの日。晴れの日よりも曇り空の方がまんべんなく全体的に明るいので撮影しやすいです。

空に浮かぶ雲が、太陽の光を拡散して拡げてくれているので、くもり方が光が柔らかく撮影しやすいんですね。

 

『女性らしい』『優しい』『マットな』
印象になります。

 

光を補助する

撮影していると、光が当たらないところが暗すぎて黒く潰れてしまうことがよくあります。

 

『ここにももう少し光を回したい』と感じるようなときは光を反射させて暗いところを補助します。

 

どうするかというと、白いものは光を反射してくれ、周囲が明るくなるので、白いものを置きます。

白い服を着ると顔色がよく見えるのも、そのおかげです。

 

撮影スタジオのライティングはどうなっているか

撮影スタジオのセッティング

モデルの写真がよく見えるのは理由があります。

もちろんモデルさんが魅力的というのはあるのですが、実はライティングの影響力はかなりあります。

 

雑誌や商品を撮影するフォトスタジオのセッティングはどのようになっているのか。

知っていると面白いので、まとめてみます。

 

ライティングで理解しておくこと

写真撮影に使うストロボ

スタジオ撮影のライティングは
『どのような雰囲気の写真にするのか』しっかり計算された上でセッティング、撮影されています。

 

その設定の流れは
①明るさ
②光(影)の硬さ
③暗い部分の明るさを調整する
という順番です。

 

メインライトが全体の明るさを決める

①の明るさは光源の強さで調整します

 

メインライトはシャッターを切った時に強く発光するストロボが多いです。

ここで光の方向性も決めます。

 

ディフューザーで光を拡散させる

②の光(影)の硬さは拡散の仕方で調整します。

 

ストロボの光はとても強いので、光を拡散する役割があるトレーシングペーパーや透ける白い幕を使います。レースのカーテンなんかもディフューザーの役目を果たします。

 

曇りの天気のように拡がった光をつくることができます。

 

レフ板、サブライトで影に光りを回す

③の暗い部分の調整はレフ板を使って光の反射を反射させたり、補助光で調整します。

 

サブライトは光りが回らない部分に光をあてて明るくしたり、メインライトの反対側にできた強い影を和らげる役割をします。

 

具体的にどのようにセッティングしてるのかは次の項で説明します。

 

スタジオ撮影のライティングイメージ

スタジオのライティングをのアニメーション

スタジオのライティングの設定を組むのをアニメーションにしてみました。

 

自然な写真には

『十分に拡散された一方向からの光』がぴったりです。

 

ストロボの光は強いので、ディフューザーで拡散。

その影や、暗い部分をレフ板やサブライトで補う、というのが基本的なセッティングです。

 

 

最後に

いきなり写真のクオリティが爆上がりする、というのは難しいかもしれません。

 

撮影する前に『ナチュラルな印象で撮りたい。だから直射日光を避けて撮影しよう』など完成形をイメージし、逆算して臨むと良いと思います。

 

日頃から光の強さや方向を意識していると、目が養われ良い写真が撮れるようになってきます。

 

そして洋服に関しては生地感やディテールを表現するには、ライティングがとても重要ですし、

襟やフードなど、服の乱れも印象を変えてしまうので、細かい部分まで注意を払う必要があります。

 

 

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