服地パイセン

生地にうるさい服屋で学んだことを活かし、洋服のわかりづらいことをわかりやすく解説します。

最も着心地のいい服の生地は『フライス』だと思うのです。

着心地のいい服の生地フライスとは

こんにちは。 洋服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。

 

『1番着心地の良い生地はなんですか?』
と尋ねられたら、なんと答えますか。
僕はフライス生地と答えると思います。

 

もともと着心地の悪い服が嫌いなので、例えばチクチクして刺激を感じるような服が苦手でして。30歳を過ぎた頃からより一層敏感になってきた気がします。肌に直接ふれるものは着心地や肌あたりが重要なんですよね。

 

そんな僕が『着心地の良い洋服の生地』として1番に挙げるのがフライスです。その理由は、肌にあたる裏面も表地と同じように滑らかな表情だからです。

 

そもそもフライスって一般的には知られているのかいないのか、認知度はどうなんでしょうね?『はじめて聞いたー』とか『知ってたー』とかコメントいただけると嬉しいです。

 

この記事ではフライス生地がどのようなものなのか、まとめてみます。

 

 

 

 

 

フライス生地は着心地が最高です

フライスは着心地は最高です

『綿は肌触りが良い』
なんてよく言われますが、それは綿の等級や生地織り方や表面の仕上げ方で大きく変わります。

しなやかで柔らかく着心地の良い綿もありますし、ハリがあり硬くて着心地の良くない綿もあります。

 

僕はアメリカンコットンのTシャツが好きなのですが、それらはガサっとして粗野感がありカジュアルな雰囲気にもっていくのにぴったり。

フライスはそれとは逆で、肌触りがしなやかでどちらかというときれいめな雰囲気を演出するのに向いていると思います。

 

フライス生地とは?

フライスは大分類でいうと『ニット生地』です。

たて糸とよこ糸を交差させて織り上げるような織物生地ではなく、一本の糸でループを作って編み上げながら生地を作っている編み物生地になります。

いわゆる莫大小(メリヤス)の一種のゴム編みやリブ編み生地のことで、襟や裾・袖口といった部分に使われることも多いです。

 

フライスの特徴

フライス生地にはどのような特徴があるのか、まとめてみます。

 

伸縮性が高い

フライスの大きな特徴として、『横方向によく伸びる』ということが挙げられます。

フライスはゴム編みなので伸縮性に優れ、動きやすく体を締めつけない着心地の良さが求められるインナーやリラックスウェアによく使用されます。

体へのフィット感は天竺編みと比べるとまったく異なります。
より肌にフィットするシルエットの服を選びたい時や動きやすさを重視する時は、フライス生地のアイテムがおすすめです。

 

表と裏が同じ表情で着心地がいい

フライスは表も裏も同じ編み目で、形状に違いはありません。肌に接する裏面の凹凸が少ないので、着心地がいいことは想像に難くありません。

 

またリブを想像したらわかりやすいと思いますが、適度な厚みがあるので透けにくいというのも良い点でしょう。

 

天竺とフライスの違い

シャツの生地はたくさんの種類があることは知っている人が多いと思いますが、Tシャツやカットソーの生地にもいくつか種類があることはあまり知られていません。

天竺とか、フライスとかスムースなどがあり、まとめて莫大小(メリヤス)と呼ばれています。

流通しているほとんどのカットソーが天竺で、たまにフライスがあって、スムースはもっと少ないと思います。

 

天竺とフライスの違いは裏地をみるとすぐに見分けがつきます。

 

天竺編み

天竺生地の面と裏の表情

天竺は表と裏の生地を見比べると、違いがはっきりわかります。

表面は縦に模様が出るような形状で、なめらかな質感。裏面はまったく形状が異なり、プツプツとしたような、すこし粗めの表情をしています。

 

【質感】表はなめらか、裏はやや粗め
【生地厚】薄め

 

フライス編み

フライス生地の面と裏の表情

対してフライス編みは、表面も裏面も縦に編み模様があります。そして表と裏の表情が同じです。

伸縮性抜群でストレッチ性の高いTシャツや袖口などに用いられます。

ベビー服はほとんどがフライス生地で作られています。

 

【質感】表裏なしで両面ともなめらか
【生地厚】やや厚め

 

 

なぜフライスはヘビー服につかわれるほど着心地がいいのか?

フライス生地は手触りも良くて着心地がいい

もともとフライス生地の着心地は好きでしたが、子どもが産まれてから市販されている新生児用の服は、ほとんどがフライス生地だということを知りました。

 

伸縮性があり、通気性にも優れているフライス生地は、季節問わず快適に過ごせるため、肌の弱い赤ちゃんにぴったりな生地ということですね。

 

天然繊維なのに伸縮性が高くて着心地が良い

赤ちゃんの肌はとてもデリケートなので、肌あたりの良い生地がぴったりです。

 

フライス生地はリブ編みなので、横方向によく伸びてくれます。からだにフィットしながらも動きの邪魔をしません。

天然素材であることも安心して着せることができますね。

 

程よく厚みがあるのに通気性が良い

フライスは天竺生地と比べて厚みがあります。

リブを想像するとわかりやすいと思いますが、編み方の構造上ぎゅっと詰まるような形になるので、その分厚みがうまれます。

ですが、生地が詰まっているわけではなくふっくらと厚みがあるので通気性も良いです、

 

赤ちゃんは体温が高く水分量も多いのでよく汗をかきます。なので通気性の良い服でないと、汗でびしゃびしゃになってしまうのでしょう。

 

最後にフライス生地がおすすめなブランド

フライス生地は一般的なTシャツの生地である天竺と比べるとマイナーな存在。
とても着心地がよくベビー服にも最適ですが、サラッとした着心地で適度にフィットする生地は大人にとってもありがたいものです。

 

カットソーブランドではフライスのアイテムを主力にしているものもあります。

今回は2つ紹介しようと思います。

 

ヨーロッパの上品な雰囲気が漂うGicipiのフライスカットソー

ジチピのカットソーの置き撮り

着心地の良いフライス生地をお探しならイタリアのカットソーブランド、ジチピのものがおすすめです。

 

ジチピのTシャツがおすすめです

『フライス=ヨーロッパの肌着』というイメージがありますが、肌着感が強いものが多い。

ジチピ自慢の柔らかなフライス編みの生地はアウターとしてもいい感じです。

 

肌へのフィット感がいい、と書きましたが、フライス生地で作ったゆったりとしたカットソーが、これまた着心地も雰囲気も抜群にいいんですよ。
最近のジチピのものは、一枚で着ても決まるように、トレンドに合わせて肩幅、身幅にゆとりを持たせるなどアップデートされています。

 

 

ロングスリーブのカットソーもあります。

 

 

すこし粗野感のあるフィルメランジェのフライス

フライスはきれい目な印象を演出するのに良いと書きましたが、カジュアルテイストが好きな人にもハマるフライス生地もあります。

 

フィルメランジェオリジナルのフライス生地は、メランジ感が粗野な雰囲気を醸し出してますが、しっかりフライスの着心地の良さを感じられる唯一無二の生地だと思います。

こちらは所有はしていないのですが、以前試着してみたところ生地感や着心地など最高に良いアイテムでした。

秋冬用の着心地の良いカットソーお探しの方におすすめです。

 

 

メリヤスについて書いた記事もあるので、よかったらあわせて読んでみてください。
▶︎ 莫大小。メリヤスについての知識を深めましょう。

 

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