こんにちは、服の生地についてブログを書いています、服地パイセンです。
オリーブ色のアイテムを着てる人が増えてる今日この頃。ミリタリーテイストが流行ってるようですね。
ミリタリーでオリーブ色の生地といったら、バックサテンです。バックサテンがどういった生地なのか、まとめてみました。
バックサテンって簡単にいうとどんな生地?
バックサテンとは、古着の軍パンなんかによく使われる生地。米軍のベイカーパンツ、ファティーグトラウザーなんかに使われる生地です。
なんとなくバックサテンについてざっくり知りたい、という方はここまでの理解で十分だと思います。
ここから先は、歴史やウンチクの内容になるので、ご興味があれば是非読んでみてください。
もう少し詳しく意味や特徴など
サテンってツルッとして光沢がある生地じゃなかったっけ?でもバックサテンはゴツゴツして光沢はないよね?
と思う方は多いと思います。僕もそうでした。
バックサテンとは生地の裏側がサテンの織り方になっている生地のことなんです。
つまり、バック(裏側)がサテンなんです。
ちなみにサテンの織り方は朱子織(しゅすおり)といいます。なので、バックサテンは裏朱子織(うらしゅすおり)といわれます。
表と裏で生地の表情が全然違いますね。
バックサテンは、サテン特有の光沢が抑えられていて、カジュアル感のある独特な風合いが味わえます。
ミリタリーウェアに使用されるような丈夫な生地も多く、ムラ感があり、使い込んだ際にはアタリの出方も楽しめます。つまり、カジュアルな印象を与えてくれる生地なんです。
太い番手で織ると耐久性も高くなるため、ミリタリーウェアだけでなくバッグなどのアイテムまで幅広く使用されています。
ちなみにサテン、つまり朱子織はなめらかですべりが良く、光沢や高級な感じを受ける織物になります。
なめらかさやすべりの良さであったり、光沢や高級な感じが表現されているのは、表面に浮いている糸の部分が他の織物に比べて多いからと言えます。
糸を4本浮かせた生地は5枚朱子と呼ばれ、
糸を7本浮かせた生地は8枚朱子と呼ばれています。
5枚朱子よりも8枚朱子の方がより光沢が増すことになります。表面に出ている糸の本数が多いからです。
バックサテンとは?どんな服に使われる?
実際にどんな服に使われているか、一例をご紹介します。
やっぱり基本的にはミリタリーのアイテムが多いですね。
写真は70年代の米軍ファティーグパンツのミルスペックです。
トップスはミリタリーシャツ
トップスで一番わかりやすいのは、ミリタリーシャツだと思います。ほかにもA-2 デッキジャケットのような上着にも使われています。
ボトムスはベイカーパンツ
ボトムスで一番わかりやすいのは軍パンです。米軍のベイカーパンツなんかはバックサテンです。
厚手のバックサテンを使用したオーバーパンツなんかもありますね。
その他
ぱっと思いつくものだと、米軍のランドリーバッグなんかにも使われる素材です。
バックサテンはどの季節に活躍する?
バックサテンは程よい厚みなので、季節を問わず
オールシーズン活躍する生地です。それぞれの季節の着用方法を簡単にですが、説明していきます。
春にバックサテンを着るなら
過ごしやすい春の気候はTシャツの上にバックサテンのミリタリーシャツを羽織ったりするくらいがちょうど良いと思います。
夏に活躍するバックサテン
夏場は「デニムはちょっと暑いなぁ」なんて感じることが多いと思います。そんなときは、バックサテンの軍パンの出番です。程よくゆとりがあるデザインは夏も快適。
秋を楽しむバックサテン
秋も春と同じですね。肌寒いときなんかはミリタリーシャツのボタンを閉めて、上に薄手のコートなんかを羽織ったりしてもいいですね。
冬の寒さを耐えるバックサテン
厚手のバックサテンのアウターなんかは冬に活躍します。ただ、真冬に一枚仕立てのアウターの場合は、インナーダウンやライナーなどを着込み防寒が必要だとは思います、
もちろんインナーとしてミリタリーシャツ、パンツには軍パンとして、など一般的な生地と同じように使える便利な生地なんです。
バックサテンは経年変化も楽しめる
着込んでいくうちに、ステッチの部分にはアタリが現れ、ヴィンテージのような風合いになる経年変化も楽しめる生地です。
バックサテンのアイテムは、これから長く付き合える便利な生地なので本当におすすめです。
バックサテンといえば、「ガンホーのベイカーパンツ」が有名です。お値段も高くないので是非チェックしてみてください。
その他の柄や、 洋服の生地や素材、縫製について解説しているのでよかったら合わせて読んでみてください。
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