服地パイセン

生地にうるさい服屋で学んだことを活かし、洋服のわかりづらいことをわかりやすく解説します。

インナーの着心地にこだわったらフラットシーマ

こんにちは。服の生地についてのブログを書いています。服地パイセンです。

 

安物のインナーを買って着てみたら、なんとなく着心地が悪かったり肌がちくちする箇所があったり。反対になぜか着心地がよくて、よく着てしまうインナーがあったり。

いったい何が違うんだろう?


実は肌への違和感を解消してくれる縫い方ってゆうのがありました。その名も、フラットシーマ

 

 

 

フラットシーマをすごく簡単にいうと


縫い目がフラットな4本針ミシンを使った縫製の仕方。
快適な着心地を実現する縫い方です。

 縫い目の糸が4本並んでいるのが特徴なので、簡単に見分けれると思います。

 

フラットシーマの画像



なんとなくフラットシーマについてざっくり知りたい、
という方はこの理解で大丈夫だと思います。 


ここから先は、ウンチクの内容になりますが、
インナーを選ぶときに見るポイントが変わるので、最後まで読んでいただけるとありがたいです。

 

フラットシーマについて詳しく解説


服は基本的に布を糸で縫い合わせられます。
当然そこには縫い目があり、凹凸が生まれ、着心地に違和感を感じてしまいます。


フラットシーマは6本の糸を4本の針で縫い合わせます。
そのときにフラットな縫い目(シーム)ができるので、フラットシーマと呼ばれます。


服の裏側の縫い目に違和感を感じず、肌に優しく快適な着心地なんです。

 

フラットシーマは何に使われる?


フラットシーマで縫われるのは水着、ラッシュガード 、Tシャツなどが多いです。
主に肌に直接触れるような用途のものですね。


Tシャツにも使われるのですが、
それはけっこうこだわって作られたものになるので、たまにしか見かけません。

とても非効率な縫い方なので、脇下の部分だけフラットシーマになっているものが多いです。

縫い目のほとんどをフラットシーマで仕上げているTシャツを見かけたら、
それはとてもこだわって作られた、
デザイナーの思いがこもった良いTシャツだと思います。

誰が開発した?


フラットシーマミシンは1962年に、アメリカのユニオンスペシャルという会社が開発しました。


デニムやアメカジに詳しい方は聞いたことがあると思いますが、
ジーパンの裾のチェーンステッチで有名な、あのユニオンスペシャルです。

(フラットシーマとは関係のない話ですが、ユニオンスペシャルのミシンで縫われたチェーンステッチのアタリは独特のうねりがあり、それじゃないと嫌という人もいます。)

 

しかし現在は生産を終了しているので、国内のミシンメーカーが開発した4本針ミシンを使うのが一般的です。

フラットシーマのメリットとデメリット

ここまで良いことばっかり書いてましたが、デメリットの部分も書いていきます。
どちらかというと着る人というより、作り手にとってのデメリットって感じですね。

メリット

縫製の仕方にメリット、デメリットがあるんかい!
と思うかもしれませんが、調べてみるとやっぱりありました。

 

 着心地がいい


何度も書いていますが、
縫い合わせる生地と生地が平らな状態で縫製されているため、
縫い目が平ででゴロつかず、とても良い着心地です。

 

丈夫な縫製


フラットシーマは4本のステッチで縫い上げるので、とても強度の高い縫い方なんです。

表も裏も凹凸が無くフラットな状態で仕上げる特殊縫製と、一度に4本のステッチで縫い上げる強度の高さが特長です。

 

デメリット

次にデメリットを説明します。
調べてみましたが、着心地や耐久性のデメリットは特になさそうです。

 

手間がかかり技術的な難易度が高い


フラットシーマは特殊ミシンになり、技術的に難易度が高いんです
誰でも扱えるシロモノではないんですね。


二本針や三本針と比べて手間が掛かり技術的に難易度が高いのも特徴です。
インナーとして着用するアイテムには最適な縫製方法です。

 

台数が少なくコストが高い


4本針のミシンは特殊ミシンなので、国内でも希少な存在なんです。
それだけに扱っている工場も少なく、自ずと値段が高くなってしまう傾向があります。

 

最後に

フラットシーマは着心地もよく、丈夫でインナーにぴったりな縫製でした。 
次、服を買うときにその服の縫製方法をよ〜く見てみてください。

 

 

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