こんにちは。服の生地についてのブログを書いています。服地パイセンです。
最近は撥水生地のアウターが増えてきました。服屋にはいると、撥水性をうたう商品が去年よりも目につきます。
そんな商品をみながら、撥水だから濡れないだとか、撥水だからムレるなど、生地の話をしていると、「防水」と「撥水」を同じように考えている人が多い印象です。
普段使いではそこまで気にする必要はないんですけど、正しい知識があった方が良いですよね。
ということで、撥水と防水の違いについてまとめてみました。
撥水と防水の違いをかんたんにいうと
それぞれ生地の説明を調べたりすると、対水圧2000mmだとか、透湿性5000g/m/24hrsだとか色々ややこしい単語が出ててきて、正直どういうことかよくわからないんですね。
すごく簡単に説明すると、
撥水はぬれ続けると水を通すけど、防水は濡れ続けても水を通さない。
ってことです。なんとなくざっくり知りたい、という方はこの認識で大丈夫だと思います。
ここから先は仕組みやメカニズムに関する内容ですが、知ってて損はないので最後まで読んでいただけるとありがたいです。
撥水加工とは何?
生地の表面をコーティングして水をはじくようにすることを撥水加工といいます。
表面にフッ素をコーティングすることで、生地の表面に撥水基と呼ばれる目に見えない細かい突起の層ができます。これが水を球状にして弾いてくれることで、生地をぬらづらくしてくれているというわけです。
でも完全に水を防いでくれるわけではありません。
ちなみに、撥水性が高い生地ほど水がコロコロとした球状で転がり落ちます。逆に撥水性が低い生地ほど水が潰れたように生地の上に乗ります。
撥水と防水の違い
撥水と防水は同じものと思ってしまいますが、上でも書いたように違いがあります。
その違いをまとめてみました。
防水とは「完全防水」で空気も通さないこと
防水とは、完全防水のことです。
パラフィンという薬品で生地をコーティングし、水の侵入を防ぎます。
ただし、水だけでなく空気も通さないのでムレやすくなってしまいます。
濡れる心配がないということは心強いのですが、時季によってはムレて快適にすごせないということも。
撥水は完全防水ではないけど水をはじき、空気を通す
撥水加工によってできる撥水基は、水滴を弾きやすくするものなので、完全防水ではありません。
水をかけ続けたり、撥水基がくずれると水滴が侵入してきます。
そのかわり、空気を通すのでムレにくいというメリットがあります。
生地が空気を通すか通さないかというところが、防水と撥水の違いのひとつでしょう。
撥水加工を施した製品の取り扱いと注意点
せっかく撥水加工の製品を手に入れても、正しく取り扱わないと効果が半減してしまいます。
そんなことにならないよう簡単にまとめました。
洗濯をくり返すと、効果が薄れていく
撥水加工は洗剤や服同士の摩擦で、表面のフッ素コーティングが剥がれてきてしまいます。
あくまで加工なので、仕方のないことです。
ただしゴアテックスなどのスリーレイヤーの生地の場合は、撥水性だけでなく透湿性が特徴なので、メンブレンのすごく小さい穴が埋まってしまわないように
、洗ってあげた方が生地の性能を発揮できます。
クリーニングの注意点
クリーニングは専用洗剤とアルカリ性の薬剤で洗うケースがほとんどです。
この工程でフッ素のコーティングが剥がれてしまいます。
クリーニングに出す際に、「撥水加工サービス」を利用するといいと思います。
最後に
撥水は水をはじく(長時間濡れると浸水します)、防水は浸水を防ぐ(水を通さない)ということです。
ぼくの主観ですが、日常生活で雨の日の上着として着る程度なら、撥水で充分で、完全防水は必要ないと思います。
撥水の性能を理解して、どんな天気でも毎日を快適にすごせるようになりますように。
↓ブログ村ランキングに参加しています。よければクリックお願いします。