服地パイセン

生地にうるさい服屋で学んだことを活かし、洋服のわかりづらいことをわかりやすく解説します。

本革だからって安心してはダメ。レザーにもレベルがある。

こんにちは。服の生地についてのブログを書いています。服地パイセンです。


「かっこよくて高そうな財布だなぁ。ジェニュインレザーって書いてあるし本格的なレザーでおごそかな雰囲気だ。ん、でもよくみたら値段はそんなに高くないぞ。これはお買い得だから買いだ!」

 

そんな経験はないですか?
財布でもレザーベルトでも革ジャンでもなんでいいんですけど、本革と書かれてあってもなぜ安いものとそうでないものがあるのか。

今回はそんなレザーの品質について少しだけ詳しくなれる内容です。

ジェニュインレザー

 

 

 

本革の品質のレベル分け

突然ですが次の①から③の三つの本革のうち、
どの順番でクオリティが高いかわかりますか?

 

 

本革

Genuine Leather(ジェニュインレザー)


Top-grain leather(トップグレインレザー)


Full-grain leather(フルグレインレザー)

 

 

 

 

 

 

 

 

答えは、

③フルグレインレザー
②トップグレインレザー
①ジェニュインレザー
の順に高品質と言われています。

 

そんなレザーの品質について説明していきます。

 

 

Full-grain leather(フルグレイン・レザー)とは

トップグレインやフルグレインといっていますが、
グレインレザーというものは、スコッチグレイン(Scotch-grain)とも呼ばれ、
なめしたあとにシボをつけた皮革のことです。

 

中でもこのフルグレインレザーは本革の中でも一番贅沢な部分を使っているため、
高品質の本革と言われています。

 

贅沢といわれるのは、銀面と呼ばれる皮の表面の部分をそのまま使用しているから。
限られた量しか取れず、とても高価な素材です。

 

ドレスシューズ、ブリーフケースなどに使われ、革の品質の違いや美しさは一目瞭然。

 

とても高価なレザー製品もフルグレイン製であれば、
その値段の理由が分かるはずです。

牛や馬などが生きていた時に付いた傷が残っていることがありますが、それもこの表面を削っていないのがフルグレインレザーの特徴で、天然素材特有のものともいえます。

 

どういった本革の製品なのかを把握した上で購入すると、間違いのない買い物ができると思います。

 

その上、ケアをすればするだけ長持ちするのも、このフルグレインならではの楽しみの1つではないでしょうか。

 

Top-grain leather(トップグレイン・レザー)とは

このトップグレインレザーは、皮革のレベルでいうと中級クラスのものです。

 

革をなめしたあとにシボをつけたグレインレザー。

その中でもトップグレインレザーは傷跡なんかを取り除くために、
表面をやすりがけのように磨き、着色した革のことです。

銀面の状態が均一で綺麗ですが、本革特有の風合いに欠けます。


ハイブランドのバッグや財布を見ると、トップグレインレザーの表示がついていることがあります。

皮の仕上げや耐久性などは素晴らしいものです。

 

 

Genuine Leather(ジェニュイン・レザー)とは

genuin」は「偽りのない、本物の」という意味。
この表示があれば素材が本革であることに間違いはありません。


ですが「genuine leather」という刻印の入っているものの品質は
最低ランクになります。


このジェニュイン・レザーは、
本革として高品質に見えるように低品質の革を糊で張り合わせて厚みを出したり、塗装をして美しく見せているなど、高級感を演出しているものがほとんどです。

 

ジェニュインレザーの断面

ジェニュインレザーはさまざまな商品に使われていますが、フルグレインレザーなど他の皮革よりも弱く、長持ちしないのがジェニュイン・レザーの特徴でもあります。

革が痛むと、剥がれたような傷がつくことが多いです。

最後に

レザー製品は使い込めば使い込むほど、その風合いが増すので、
長く愛用できるものを選べるようになりたいですね。

 

基本的なレザーの種類を網羅して解説した記事もあるので、ぜひ読んでみてください。

www.fukujipaisen.com

 

 

人工皮革と合成皮革の違いって、案外知らないもんですよね。

よかったら読んでみてください。

www.fukujipaisen.com

 

 

 

 

 

 

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