こんにちは。
服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。
「ダッドシューズ」というジャンルのスニーカーがここ数年のトレンドになっています。
「ダッド」は父親のことで、お父さんが休日に履いてそうなスニーカーです。
どういうものかというと、
ぽってりしたアッパー×ボリュームのあるソールのスニーカーです。
ほっそりとしたスニーカーはスタイリッシュですが、厚底スニーカーやダッドスニーカーはその逆をいく野暮ったさがかっこいいものです。
ソールが厚く、ハイテク感があるようなデザインなので万人受けするかというとそうじゃないかもしれませんが、感度の高い人は上手に取り入れているアイテムです。
数年前にフランスに行ったとき、ギャラリーラファイエットなどの人気のデパートで売られているスニーカーの半分近くは厚底のものでした。
厚底スニーカーは一部の人だけが履くマイナーなアイテムではなく、その流れがきているのを目の当たりにしたのです。
その時まで、なんとなく厚底スニーカーって原宿の感度高い一部の人だけが履いているものだと思ってましたが、どうやらそうではありませんでした。
厚底スニーカーブランドOAOのスニーカーの記事を書かしていただいてますが、OAOがこれまで発表した4つのコレクションと、様々なコラボレーションも紹介します。
新作のSUNLIGHTというモデルをお借りしたので、その感想などレビューしていきます。
僕の中で特に嬉しかったのは、ビブラムの最新作ソール『プロジェクトX』を体験できたことです。
厚底スニーカーブランドOAOのプロダクト
OAOは2020年にスタートしたシューズブランドで、現在まで4コレクションを発表しています。
その4つのコレクションを紹介します。
1stコレクションのTHE CURVE 1(カーブワン)
カーブワンは東京オリンピックの幻のザハハディドの新国立競技場案からインスピレーションを得たデザイン。
その全てを網羅してみたので、詳しくはこちらの記事を読んでみてください。
2ndコレクションのVIRTUAL NATURE(バーチャルネイチャー)
バーチャルネイチャーはコンピューターや電子機器などのテクノロジーを利用したメディアアートからインスピレーションを受けたシリーズです。
例えば落合陽一さんやチームラボがやっているような、デジタルテクノロジーやインターネット、スマホをキャンバスに見立てた作品から着想を得て、『テクノロジーと自然』という相反する存在を1足に落とし込んだシリーズ。
バーチャルネイチャーというコレクションの中に複数のプロダクトがあって、
•VIRTUAL ORBIT
•VIRTUAL PEAK
•VIRTUAL WAVE
という3つのモデルがあります。
例えば子どもが描いた絵をスキャンすると、それがモニター上の水族館で泳ぎ出す、みたいなチームラボの作品があります。
そのような『入力と出力ができる』ということが技術革新におけるインターネットアートの特徴です。
そういったバーチャルアートの近未来的な印象をメタリックな素材感で表現しています。
光を反射する素材を使っていて、写真のフラッシュが反射するようなイメージでリフレクター素材を採用しています。
バーチャルオービット
光を反射するリフレクター素材の2本の曲線と、かかとから覗く破線は惑星軌道(Orbit)を表現しています。
バーチャルピーク
美しい山の峰(Peak)の景観をモチーフとして、
近未来的でエッジーなシルエットが連なるライン、サイドのグラデーションカラーが特徴です。
バーチャルウェーブ
トゥに向けて寄せる3本のレザーの波浪(Wave)と、レーザー加工によって様々に表情を変えるオーロラリフレクターが印象的です。
3rdコレクションのSCULP TANK(スカルプタンク)
スカルプタンクはスニーカーではなくて、レザーシューズという扱いになります。
異なる表情を持つ素材の重なりは、彫刻家のジョン・チェンバレンの作品にインスパイアされ、エネルギッシュな彫刻作品のような佇まいを表現しています。
ガラスレザーをベースにオールレザーのアッパー、ソールは革底ではなくてEVAを採用しています。重量は普通の革底の半分くらいで、レザーシューズなのにOAOの全シューズの中で最軽量というから驚きです。
衝撃吸収性も高く、ソールの張り替えも可能な構造になっています。
4thコレクションのSUNLIGHT(サンライト)
2022年3月に発表したされた新作がサンライトです。
「柔らかく、浮遊するような心地よさ」
をテーマに作られたプロダクトです。
お借りして、写真を撮って、履いてみて。
色々やってみてわかりましつが、このスニーカーはかなりおもしろいです。
詳細は下記にまとめてるのでチェックしてみてください。
アート好き必見のコラボレーション
最新作スニーカーサンライトの説明をする前に、OAOの特徴でもある、アーティストとのコラボレーションについても触れておきます。
アートや建築からデザインのインスピレーションを得ているということもあり、OAOは様々なアーティストとのコラボレーションを行なっています。
下記、作品を3つ載せてますがすべてホワイトのカーブワンがベースになっています。
OAO×PERIMETRON
PERIMETRONと聞いて「えっ!」と驚く人は多いんではないでしょうか。
僕は驚きました。
人気バンドKing GnuのPVを全て制作しているのがペリメトロンで、OAOは彼らと一緒に映像を作ったりしています。
※再生すると音声も流れるのでご注意ください。
ちなみにPERIMETRON(ペリメトロン)は、King Gnuの常田大希が主宰するクリエイティブレーベルで、メンバーは同世代のクリエイターで構成されています。
楽曲制作、ミュージックビデオ制作、空間デザイン制作、ファッションブランドコレクションムービーなど多方面な活動を行なっています。
OAO×ペインター山瀬まゆみ
山瀬まゆみさんの名前を聞いて、僕がぱっと思い浮かべたのはナイキ とのコラボスニーカーでした。
他にもパリファッションウィークでのキャンペーンビジュアルやコム デ ギャルソンのアートを手がけています。
リアリティと目に見えないファンタジーや想像をコンセプトに、抽象的なペインティングとソフトスカルプチャーを制作しているそうです。
このコラボアイテムは白のTHE CURVE 1に1足ずつペイント施し、完成次第手元に届くというものだったそうです。
OAO×ステンシルアーティスト守矢努
CDジャケット・アパレルブランドのデザインを中心に活躍し、近年はステンシルアーティストとして活動のフィールドを広げる守矢氏とのコラボレーションです。
すみません、僕の勉強不足で守矢さんは存じ上げませんでした。こういう機会にそれまで知らなかったアーティストさんの名前を知れるのは素直にとても嬉しいです。
このカーブワンはポップアップにて限定販売されたそうです。
OAOのサンライトについて
ここからはサンライトの説明をしていきます。
2022年の3月に発売されたばかりのモデルで、アッパーは高品質な厚手のキャンバス素材を中心に構成されています。
温もりのある優しげな素材が柔らかく足を包み込みます。
ちなみにキャンバスの素材感が伝わるように、屋外の自然光で撮影しました。
サンライトのデザインソースは?
このスニーカーは「AKARI」という照明器具からインスピレーションを得たという。
20世紀を代表する彫刻家イサムノグチが35年という長い時間をかけて制作し続けたのが、光の彫刻「AKARI」です。
和紙と竹ひごで作られた照明器具『AKARI』は天井から吊るすタイプもスタンドのタイプもあり、楽天市場などでも購入でき、目にしたことある人も多いんではないでしょうか。
どのようにスニーカーに落とし込んだのか。
スニーカーのアッパーにランダムに施されたステッチ。これがAKARIの竹ひごをイメージしています。
有機的で、遊び心のあるデザインをステッチで表現しているそうです。
和紙の温かみと柔らかさはキャンバス素材で表現されています。
OAOのスニーカーは硬めの素材が多い印象ですが、サンライトは柔らかい雰囲気。僕みたいなカジュアルな服装が好きな人にも履きやすいと思います。
ビブラム社の『プロジェクトX』を搭載した最高の履き心地
サンライトで特筆すべきは履き心地です。
安定感がある履き心地で僕はかなり好きな部類です。
その履き心地を生み出しているのは、ビブラム2022年の最新作ソール「プロジェクトX」の存在。
僕はこのソールを履いたのも初めてで、なんだったら名前も聞いたことありませんでした。
どうやら今のところプロジェクトXを目にすることはほとんどなく、まだどこも製品化していないそうなので貴重な体験をさせていただいたと思ってます。
登山がルーツにあるビブラム社は、ラバーで丈夫でタフなソールが有名ですが、この数年は都会での快適性を意識したソールを発表しています。
触るとわかるんですけど、ミッドソールがローリングゲイトよりもかなり軽くて柔らかいんです。
履いてみるともちもちで柔らかい足あたり。柔らかすぎると安定感が無さそうですが、そんなことはない。
どっしりと安定しているけど軽いというか、気持ちよく足がしずみ込んで反発性能も高くてまるでバウンドするような。安定感はあるけど躍動的というか。とにかく履き心地がすごく良いです。
サンライトのサイズ感は?
僕は普段26.5cmのスニーカーを履きますが、サンライトは27.0cmを履きました。
横幅がすこし狭めな印象で、僕は親指の先の外側が少しだけ窮屈に感じました。
いつも通りの日本サイズで選んで問題ないと思うんですが、足の幅が広めの人は注意した方がいいかもしれません。
アウトソールがせり出しているので横幅が広そうに見えますが、履いてみると案外そんなことはありません。
普段のスニーカーのサイズを基準に、自身の足の形に合わせて+0.5cmするかしないかで選ぶのが良いと思います。(僕のように足の横幅がある人は+0.5cmした方がいいかもしれません)
そのあたりはカーブワンは1cmごとのサイズ展開でしたが、サンライトは0.5cm間隔でサイズがあるので選びやすいと思います。
サンライトとカーブワンの比較
OAOの1番人気のスニーカーのカーブワンと、最新作スニーカーのサンライトがあるので比較してみます。
どちらも厚底のビブラムソールを履いてる、というのは同じなのですがどのような違いがあるのか。
履き心地はカーブワンは少しだけ前下がりになっていて、かかとが少し高く感じます。
革靴やレザーシューズを履いているような感覚です。
一方サンライトはどっしりとして足の裏全体で体を支えるような印象があります。
かなり履き心地がいいです。
上からの比較
カーブワンの方がシックで大人っぽく、サンライトの方がカジュアルな印象です。
サンライトはフロントの幅が広く見えますが、アウトソールの横幅が広くなっているからです。
サイドからの比較
横から見ると、サンライトの方がダッドシューズ感のあるデザインをしているのがわかります。
ミッドソールに光沢のあるパーツがついているのもハイテク感を助長します。
『ダサカッコイイのがおしゃれ』というのがここ数年のトレンドなので、より今っぽさを演出できるのもサンライトなのでしょう。
アウトソールの比較
アウトソールは全く印象が異なります。
カーブワンは昔ながらの無骨なブーツのような印象。
サンライトはメリハリのある形状でスポーティな印象をしています。
最後に
サンライトはアッパーがキャンバス素材で、ソールもハイテク感があってカジュアルに普段使いしやすいスニーカーです。
今回のカラーはブラックですが、別のカラーでホワイトもあります。
キャンバス素材ですが、デザインソースになったAKARIが和紙素材で作られているので、和紙布で作ったサンライトも2022年の5月に限定で発売される予定だそうです。
和紙なので独特な風合いのあるすごく軽いスニーカーになりそうな予感。気になります。
THE CURVE1を一か月履いてみたのでレビューしました。
THE CUEVE1のことを詰め込んでアツく語りました。
OAOの公式オンラインストアです。
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