こんにちは。 服地パイセンです。
今回はTHE CRIMIE(クライミー)のレザージャケットをレビューします。
以前書いたシャツのレビューがGARDEN TOKYO様にご好評ということで、ありがたいことに再度洋服をご提供いただきました。
ショップさんやブランドに喜んでもらえるのは本当に嬉しいです。
今回はレザージャケットの中から『アルパカアワードジャケット』をチョイスしました。
選ぶ過程で気づいたクライミーのレザージャケット の魅力や、アイテムのクオリティなど忖度なしに徹底レビューしていきます。
レザージャケット といえば高額なアウター。購入前に検討し情報を集めたくなる人は多いと思うので少しでも参考になれば嬉しく思います。
結論を先に書いてしまうと、クライミーのレザージャケットはレパートリーが豊富で高品質。さらにレザージャケット が苦手な人でも取り入れやすいようにデザインされているので、レザージャケット購入の際の候補に入れてもいいのではないかと感じました。
クライミーのレザージャケット の魅力は何だ?
今回のクライミーのレザージャケットを着てみて、僕が特に感じたのはこの3点です。
- クライミーのレザージャケットはレパートリーが豊富
- 素材へのこだわりが詰まっており高品質
- レザージャケット特有の無骨さが苦手な人も着やすいスタイリッシュなデザイン
1つずつみていきましょうか。
クライミーのレザージャケットはレパートリーが豊富で自分に合ったものがみつかる
レビュー用にレザージャケット を選ばせてもらえることになり、公式サイトのアイテムをひと通り目を通してみました。まず、そのレパートリーの豊富さに驚きます。
ダブルのライダースジャケット
B-3ボマージャケット
ブルゾン、
シングルライダース、
ダウンジャケット、
アワードジャケット。
…実に種類豊富に展開されています。
たいていのブランドのレザージャケット の展開はワンシーズンに1型か2型程度だと思います。
クライミーはレザーアイテムのレパートリーが豊富で選択肢があり、選ぶのが楽しいのです。
高品質で素材へのこだわりがつまっている
クライミーのレザージャケットのラインナップや商品ページをみてみると、素材にかなりこだわっている事がうかがえます。
例えば先程挙げた、ライダースジャケットやB-3ボマージャケットにはシープスキン(羊革)やムートン(羊の毛皮)、
ライダースジャケットやダウンジャケットにはラムレザー(羊皮)が、
アワードジャケットにはキップレザー(牛革)を採用しています。
アイテム毎の特徴やデザインにあわせて、細かく使い分けていることに気づきます。
一括りにレザーといっても、その特徴は様々。
生産の面から考えると、同じレザーを大量に仕入れてアイテムを製作する方が当然材料費も安く抑えることが可能です。ですがそのようはことは行わずに、妥協せずひとつひとつのアイテムと真摯に向き合った結果、各アイテムに最適なレザーを採用するしているように感じさせられますね。
レザージャケットの無骨さが苦手な人でも着やすいスタイリッシュなデザイン
正直に申しますと、僕はレザージャケットが苦手です。アイテムとして大好きなんですけど、体型やキャラクターとのバランスもあって基本的に似合うものがほとんどありません。
レザージャケットにも色々ありますが、
ラギットなバイカースタイル、
パンクなロッカースタイル、
無骨なアメカジスタイル。
ハードで男らしい人が似合う印象があります。
僕は童顔ですしカジュアルで子供っぽい服装をしているので、無理に取り入れようとすると、着られている感や頑張っている感が出てしまいます。
おしゃれに着やすくデザインされた現代の既製品であれば、違和感なく着れるものもあります。かといって妙にこだわりも強いので、ファッション性だけを重視してルーツを無視したような洋服の選び方は好きではありませんし、どうしても本格的なミリタリーやバイカーのために作られた当時のオリジナルのものは機能性重視に作られているので野暮ったさが残り、ファッションとして取り入れてにくかったりします。
ようするに僕にとって、レザージャケット はすごく選びにくいアイテムなんです。絶妙なバランスのレザージャケットってなかなか見つかりません。
僕からすると、クライミーのレザージャケット はどれもルーツとなるオリジナルアイテムを踏襲しながら現代的にアップデートされたデザインに仕上がっているところなど好感がもてます。
なんというかオリジナル(実物)を理解しながら現代の服として落とし込んでいくところにブランドのセンスが現れているんですよね。
ちなみに僕が選んだのは、スポーティなテイストのアワードジャケット(スタジャン)型のもの。
スポーツ感とラグジュアリー感が程よくクロスオーバーされた現代の服だと思ったのでチョイスさせてもらいました。
次の項では僕が選んだアルパカレザーアワードジャケットをレビューしていきます。
クライミーのレザーアワードジャケットをレビュー
クライミーに対する僕の印象ですが、もともとはルーディな雰囲気やストリート感のあるブランドでしたが、近年はコレクションブランドやハイエンド志向になっている気がします。
もちろんデザインだけでなく、素材に関しても惜しみなくこだわっていました。
僕がこのアワードジャケットを選択した理由は『スポーティで自分に合っている』という事と『身頃の生地にアルパカを使っていておもしろう』と思ったからです。
アワードジャケット(スタジャン)がベースになった、ワンランク上の究極アウター。着心地から素材の質感まで、全てがハイエンド仕様となった一生モノのスタジャンだと思います。
まずはデザインから見ていきましょうか。
デザイン、ディテールを詳しく見ていきます
まぐ、フロントで鈍く輝く少し大きめのボタンが目につきます。
通常のスタジャンはスナップボタンが使われるのですが、コンチョボタンにアップデートされています。
このコンチョボタンは25セント硬貨を模したデザイン。コインコンチョはネイティブアメリカンが革製品の飾りとして取り入れたというルーツがあったりして、なかなか玄人好みなディテールかと思います。服の事をよく知ってる、服好きな人がデザインしたという生産の背景を感じますね。
裾にはパイピングや金属プレートがあしらわれています。
本来スタジャンの裾はリブの仕様ですが、レザーのパイピングに変ることでカジュアルさを払拭し高級感が加点されていますね。アウターの裾リブが苦手という人は一定数いるので、嬉しい仕様ではないでしょうか。
そのすぐ上にはブランドのアイデンティティでもある金属プレートが品よく輝いています。
肩部分にはレザーにキルトステッチが施されており、立体感が生まれています。
ところで『縫製の費用は想像しているよりも高い』ということはご存じでしょうか?
洋服の原価の話になると材料に注目されがちですが、縫製の費用は思ってるよりも原価のウェイトをしめます。なので商品企画の現場では『いかに縫いを少なくするか』ということによく焦点が当てられます。
アウターは特に工賃が高く、レザージャケットは縫ってくれる工場も限られます。
レザーはもし縫製のミスがあると、糸を解いても針穴が残ってしまうため縫い直しが効きません。つまりたいていのレザージャケット アウターの場合は、このキルトなんかは絶対に省きます。リスクと工賃が高すぎるから。かなり良い工場でないと縫えません。そのあたりが伺えます。
人と差をつけたいなら、こういったディテールへの配慮を忘れてはいけません。
長く付き合えるアウターを選ぶならリブは必ずチェックしなければなりません。
袖や首周りのリブは、重厚に編み立てられていて冷気の進入を防いでくれる機能性はもちろん、高級感のある仕上がりです。耐久性も申し分ないでしょう。
このアワードジャケットはこれから長く付き合ってくれそうです。
こだわりの素材を見ていこう
このアワードジャケットは素材へのこだわりを感じる箇所が大きく3箇所。袖•身頃•裏地すべてにこだわっており、まさにハイエンドです。
レザージャケット ということで、レザーが使われている箇所からみていきます。
袖を触ってみると、なかなかきめ細かな質感の良いレザーを使っているのがわかります。硬すぎず、柔らかすぎずで丁寧に吟味されているのが伝わってきます。
この袖に使用されているのはキップレザーです。
『レザーの種類ってたくさんあって、覚えられないよ』って人は多いものですが、考え方は案外シンプルで、主には牛の性別や成長段階によって種類が分けられます。キップレザーはメスの中〜成牛にあたります。
レザーの特徴としては、丈夫でありながらソフトな質感もある牛革です。
( レザーの種類など解説してる記事があるのでよかったら読んでみてください )
▶︎ レザーの種類や加工を知って比較に詳しくなろう
そして身頃の生地には、アルパカ混のウール生地が採用されています。通常のスタジャンには縮絨されたメルトンやウールが使用されますが、メルトンと異なり毛足もあるため高級感が漂います。
獣毛の中でも肌触りの良いアルパカよりもさらに手触りの良いベビーアルパカという、とても繊維の細いものを使用しているので、手触りは極上です。
これをニットセーターじゃなくて、アウターに使うなんて贅沢ですよね。こんなスタジャンきっと他にありませんよ。これが僕がこのジャケットを選んだ理由でもあります。
裏地もファーになっているのですが、こちらはアルパカではなく化繊のもの。極細繊維の滑らかなアクリルファーなのでラグジュアリー感が漂います。もちろん肌触りも極上です。
ここからは着用してしていきます。
サイズ感は標準的な大きさです
まずクライミーのレザージャケット のサイズ感についてですが、標準的なサイズ感です。普段選んでいる日本サイズのものを選べば間違いないでしょう。
写真は、日本人の標準的な体型(170cm60kg)の僕がLサイズを着用して少しゆとりがあります。ちなみにインナーに着ているのはTシャツです。
おそらくジャストサイズはMだと思うんですが、ゆったり切るのが好きなので、Lサイズにしました。Lだと全体的に少しだけ大きいですね。
アワードジャケットの着丈は少し短めのデザイン。腕を下ろした時に袖と同じくらいか、少し短いかくらいです。
コーディネートしやすい
このクライミーのアワードジャケットの守備範囲は広く、何にでも合わせやすかったです。
オールブラックで都会的でクールに合わせたものと、カジュアルに合わせたもの、2つのコーディネートを組んでみました。
都会的クールでシックなブラックコーディネート
まずは、黒いTシャツに細め黒いストレートのパンツというCRIMIEのブランドイメージ通りにコーディネートしてみました。
ワイルドでシックな雰囲気がかっこいいですね。ちなみにただオールブラックでコーディネートするだけではかっこよく決まりません。素材感の良さがあってはじめて黒単色でもかっこよく着れるんですよね。
次いで、カジュアルにコーディネートしてみます。
カジュアルなコーディネートにも◎
スタジャンなので、もちろんカジュアルなコーディネートとも相性抜群。
僕は昔からスタジャンにパーカーを合わせる、スポーティでストリートなスタイルが大好きなんですよね。
子供っぽくなりやすい組み合わせですが、全くそんなことを感じさせません。大人のカジュアルスタイルにぴったりです。
THE CRIMIE(クライミー)について
今回レビューさせていただいたTHE CRIMIE(クライミー)は、2002年にスタートした日本のブランドです。
ロサンゼルスに影響を与えるメキシカンカルチャーや音楽、映画、アートカルチャーから生まれた独自のスタイルを提案してきました。
これまでのルーディな印象もありながら、近年はラグジュアリーなハイエンド路線にシフトチェンジしてきているように感じます。
THE CRIMIEの公式通販サイトもあるので、是非チェックてみてください。
前回書いたレビューで、クライミーのブランドについて詳しく書いているのでよかったら合わせて読んでみてください。
▶︎ 【THE CRIMIE(クライミー)ってどんなブランド?】アートを身に纏うシャツをレビューします!
最後に
クライミーのレザージャケット 、アワードジャケットをレビューしてきました。
冬のアウターはダウンジャケットが筆頭になると思いますが、余程寒い地域でない限りダウンほどの防寒性はオーバースペックになることが多いものです。例えば僕が住む大阪は基本的にそんなに寒くないので、このくらいのアウターが1番活躍します。
クライミーのレジージャケットはかなりかっこいいので、秋冬のアウターとして文句なしでした!
いつもコメントやはてなブックマークいただきありがとうございます。とてもありがたく、何よりとても励みになります。はじめましての方も、思ったことはお気軽にコメントお願いします。