服地パイセン

服の生地について語ります

アパレル業界で注目されている素材、ヘンプについてまとめてみました。

ヘンプの生地について


 こんにちは。

服の生地についてのブログを書いています。服地パイセンです。


最近のアパレル業界での大きなトレンドとしてエシカルが挙げられます。


エシカルとは「人や地球環境、社会のことを考慮して作られたモノを購入•消費する」ということです。


そのトレンドの流れでアパレル業界で注目されている素材がヘンプ(大麻)です。

そのヘンプについて、なぜ注目されているのか、直面している課題、ヘンプ生地の特徴などをまとめてみました。

 

 

 

ヘンプとファッションについて簡単に説明

ヘンプがなぜ注目されているか、すごく簡単に説明すると環境にとてもやさしいオーガニックな素材だからです。

オーガニックコットンの話でも触れましたが、今ヘンプはオーガニックな素材として注目されています。

(ページの下部にリンク貼ってますので是非読んでみてください)

 


なんとなく知りたいという方はこの認識で問題ないです。


おそらくヘンプはこれからのテキスタイル業界を大きく変える存在になるのではないでしょうか。ここから先は語るとすごく長くなりますが、お付き合いいただけると嬉しいです。

ヘンプについて詳しく解説

ヘンプ(大麻)はアサ科の植物です。

茎(濃い緑)、葉っぱ(薄い緑)、種(黄色)、根(白いところ)まで全ての部位を有効活用できることから、さまざまな産業で使用されている万能な植物です。

ヘンプのイラスト


例えば、茎の繊維は服やカバンなどの素材になるだけでなく、プラスチックや紙、バイオ燃料の原料にもなります。

 

種や油は食品やボディケア用品、薬の原料になるなど、色んな用途で使用できる植物なんです。

 

衣類表示でのヘンプ

リネンもヘンプも麻に分類されるのですが、衣類の表示では違いがあるのをご存じでしょうか。

衣類で「麻」と表記されるのはリネンかラミーの2種類だけなんです。

ヘンプ

「指定外繊維(ヘンプもしくは大麻)」

と表示されます。

 

つまり、麻と表記される衣類にはヘンプは使われていないのです。

 

ヘンプの栽培と環境保全について

環境にダメージを与えやすいコットンの代替品として、先進国で注目を集めているヘンプ

 

そのわかりやすい特徴としては、

成長が早く、農薬が不要

不良土でも育つ上うえに土壌が改良される

少しの水で育つ

小さな畑でもたくさん穫れる

といった点があります。

 

ひとつずつ説明していきます。

 

成長が早く、農薬が不要

大麻ヘンプ)の栽培は、およそ100日という短期間で種まきから収穫まで行い、なんとその間に3〜4メートルまで成長します。

つまり、成長スピードがとても早いんです。

 

害虫に食い荒らされるスピードよりも成長の方が早いため、ヘンプ栽培には除草剤や農薬は必要ありません。

 

不良土でも育つ上うえに土壌が改良される

ヘンプは土地を枯らす心配がないといいます。それは成長スピードが早く、土地へ与える負荷が少ないからです土は痩せてしまいます。

どうゆうことでしょうか?

 

麻は成長するにつれて、CO2を吸い込み、土壌を解毒し、土壌浸食を防ぎます。

収穫後に残されたものは土壌に分解され、貴重な栄養素を提供します。

 

麻栽培には農薬も要らないので、その他の一般的な作物よりはるかに環境に優しいのです。

 

さらに、ヘンプは根をくまなく張りめぐらせる性質があるので、収穫後の土壌はとてもふかふかなものになります。

 

少しの水で育つ

ヘンプの栽培はコットンに比べると、かなり少ない水でできます。

 

オーガニックコットンの記事でも触れたことですが、棉花栽培は深刻な環境破壊と水不足の原因になるとも言われています。

 

世界自然保護基金WWF)によると、

コットンを1キロ取るためには水が2万リットル必要だそうです。

一方、ヘンプは1キロの繊維を得るのに必要な水の量が4分の1。

 

コットン製品をヘンプ製品に置き換えていく事で地球環境と生活環境の保全に繋がるのです。

 

雨水だけでも育ち、年間の降水量が100ミリ程度の土地でも栽培できた事例もあるので、砂漠の緑化にも貢献できる可能性がるとして、注目されています。

 

小さな畑でもたくさんとれる

コットンの棉花は、その枝先につく花からしか繊維が穫れませんが、ヘンプは3mにも伸びる茎の表面全体から繊維を収穫できます。

同じ面積で両者を栽培した場合、ヘンプはじつに4倍もの繊維がとれます。

 

 

ヘンプが抱える問題点と現状

ヘンプの葉っぱ



ヘンプと聞くと、まず大麻(マリファナ)を連想してしまい、印象が悪いと思います。


服の生地になる大麻と規制薬物にもなる大麻。どちらも同じ植物なので当然です。


同じ植物ですが、扱いとしては用途に合わせて産業用のヘンプと薬剤用のヘンプに分けられます。

 

産業用ヘンプと薬剤用ヘンプの違い

繊維などに使われる産業用のヘンプマリファナとして知られる薬剤用のヘンプ。同じ植物なので見た目では区別がつきませんが、栽培方法が少し異なります。

 

産業用ヘンプは葉や茎を使用します。

なので茎が上に伸びるよう、密生した状態で育てます。


薬剤用ヘンプは主に花と葉の部分を使用するので、葉が横に伸びやすいようにひとつずつ間隔をあけて栽培します。

環境によって育ち方が違うので、産業用と偽装して薬剤用ヘンプを栽培することはむずかしいとされています。

 

ですがアメリカはすべてのヘンプを規制薬物に指定しました。

ですがいろいろあって、現在では産業用ヘンプの栽培は多くの州で規制が撤廃されつつあります。


他の国でも、産業用ヘンプ規制緩和は進んでいて、

イギリス、ドイツ、カナダ、オーストラリア、スイス、ロシア、中国など多くの国で栽培が合法化されています。


では、日本ではどうなっているかというと基本的には違法です。

日本での大麻の栽培は、免許を取得している人だけが認められています。

日本における大麻

大麻」と聞くと、危険なものというイメージが定着していて、ヘンプを語ること自体がアウトロー的な解釈をされる風潮があります。

 

ところが歴史をさかのぼってみると、実は日本は文化的にも古来から大麻とつながりが深い国でした。

例えばしめ縄なんかも大麻でできていますね。うどんなどに入れる七味唐辛子にも入っています。

 


戦前は繊維や食糧素材として、政府も大麻の栽培を推奨していました。

しかし、これらはすべて昭和23年7月10日施行の大麻取締法で一変し、大麻はすべて危険な麻薬であるとして人々の生活から消えていきました。


これらの一連の出来事は、敗戦後GHQの命令によるものだそうです。

(あまり詳しく書くと変な感じになるのでこのへんで止めておきます。)

 

戦前は当たり前のように大麻が栽培されていたというのは、規制された現代ではまったく想像できません。

 

ヘンプ生地の特徴と季節

ヘンプ生地は硬くてゴワゴワしている」という印象があります。

たしかに麻の繊維は硬いのですが、もうそれは昔の話。

最新の技術では、かたくない細いヘンプ糸の生地が編めるようになってます。

 

例えば生地にヘンプブレンドされたTシャツは、通気性が良くドライな着心地なので、湿度の高いアジア圏の夏場には最適な素材なんです。

 

そんなヘンプのメリットやデメリットなどの特徴をまとめてみました。

ヘンプ生地のメリット

①熱を逃がしてくれる

綿よりも熱を逃しやすく、ヘンプのTシャツを着るだけで気温よりも涼しく感じます。

②シャリ感があり、通気性が良い

他の天然素材よりも繊維が硬めなので生地にシャリ感がでます。肌に貼りつきにくい素材なので通気性もすぐれています。

 

③汗を吸いやすく、乾きやすい

ヘンプ繊維の中心はストローのような空洞になっています。


表面はヒビ割れのようになっていて、その小さな空洞が汗を吸い上げ、汗とともに熱を空気中に発散するので乾きも速い。

体感温度は綿より-5℃の感覚です。

④防臭効果がある

ヘンプ繊維の小さな空洞にはたくさんの酵素がいて、細菌を繁殖させないから臭くなりづらいそうです。

⑤耐久性が高い

耐久性はコットンの4倍もあるといわれています。

 

ヘンプ生地のデメリット

①シワになりやすい

ヘンプ生地はシワになりやすいです。乾いた状態だとシワが伸びづらいので、洗濯したあとは濡れた状態でしっかりシワを伸ばさないといけません。

②濃い色は白っぽくなりやすい

着用していると摩擦で毛羽立ち、白っぽくなりやすいです。

染まりにくいという特徴もあるので、色落ちもしやすいので、洗濯の際は他のものに色移りしないように注意したほうがいいです。

 

ヘンプ生地の今後〜リーバイスのデニム〜

綿とは違って、扱いにくい事で知られているヘンプ

 

一般的なシャツの素材は、ふわっとした綿花に由来し、ヘンプ繊維は丈夫な幹に由来します。

 

デニムパンツで有名なリーバイスは「綿の様なヘンプ」の品質改善に取り組んでおり、大半の衣料品では配合率が綿の半分近くになる可能性があるほか、一部の製品では全てヘンプで生産できるようになっています。


そして5年後には、100%ヘンプ製の衣類の導入を想定しているそうです。

 

 

ヘンプをよく使用するブランド

ヘンプウェアといえば○○」とまで言わないかもしれませんが、ヘンプで有名なブランドをいくつかまとめました。

 

gohemp(ゴーヘンプ

GOHEMPのロゴ



「人や地球に優しい服づくり」をコンセプトに1994年よりヘンプ大麻)の繊維を様々な素材と混紡しヘンプの着心地の良さや可能性を追求しているヘンプウェアブランドです。

 

patagonia(パタゴニア

patagoniaのロゴ



アメリカの登山用品、サーフィン用品、アウトドア用品、軍用品、衣料品の製造販売を手掛けるメーカー、及びそのブランド名。
環境に配慮する商品で知られており、環境問題に取り組むグループの助成を行っている。

 

 

MANASTASH(マナスタッシュ)

MANASTASHのロゴ



ヘンプやリサイクルフリースなどの環境に優しい素材を使用して 最高のウエアとギアを作ること」。ブランドの理念に1993年、アメリカのシアトルでスタート。

もともとはロッククライミングの大会やヒッピー的な野宿生活の中でアイテムの販売を行い、そしてアウトドアとヘンプを融合させたアイテムが音楽を愛する人々たちに広まって拡大していったブランドです。

 

なぜヘンプはオーガニック認証を取得しないのか。

 

オーガニックコットンはよく目にしますが、オーガニックヘンプって見たことも聞いたこともありません。農薬を使わないからオーガニックなのに。

 

それはなぜなのか?

 

答えはオーガニック認証など必要が無いからです。


コットンは栽培するのに大量の農薬が必要です。

そういった農薬を使用して栽培されたコットンと区別するために、無農薬で栽培されたコットンには、オーガニックの認証が必要となります。


ヘンプは農薬や化学肥料を必要としないので、全てがオーガニック。

わざわざ農薬を使ったものと使っていないものを分ける必要がないのです。

 

最後に

日本人の名前には「麻」いう漢字が多くつかわれています。

 

それは天に向かって真っすぐ伸び、そして成長が早い麻のその姿から、

すくすくと健康で無事に成長することを願って名付けられているそうです。

 

 

 GOHEMPのカットソーを着てみた感想なんかをまとめたので
よかったらチェックしてみてください。

www.fukujipaisen.com

 

 

 

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