こんにちは。 服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。
「地球環境に負担の少ないエコロジー素材であること」が、最近の服作りの前提になりつつあります。つまりは
「環境負荷の少ない天然繊維」
「環境負荷の少ない化学繊維」
を使用するということになります。
以前ヘンプについての記事を書きましたが、ヘンプはまさに「環境負荷の少ない天然繊維」で、個人的にはかなり注目していて、ずっと試したかった生地なんです。
そして今回、ヘンプを使ったカットソーを購入してみたので、感想なんかを思ったまま正直に書いていこうと思います。
ヘンプと文化
「ヘンプで作った服は、棺桶に入った人に着せる服」だと聞いたことがあります。中国だったかインドだったか、どこの国かは忘れてしまいましたが、大昔から伝わる文化なのでしょう。なぜそうするのかなど深いことは何も考えず「なんとなく特別な繊維なんだな」くらいに思っていました。
調べてみると、ヘンプは抗菌作用や放湿性の高い生地なので、腐敗を防ぐ効果があるので理にかなった風習だったんだなと今改めて思います。
ヘンプ生地のTシャツはどのような点が優れているのか
さて、本題です。ヘンプは夏に活躍する素材というイメージがあります。それはなぜか?
ヘンプは抗菌・防臭・吸水速乾・UVカットなど様々な機能があるので、汗の臭いや紫外線が気になる夏場にぴったりなんです。
ヘンプには天然の抗菌作用と消臭性がある
ヘンプ繊維には「天然の抗菌・制菌作用」があり、菌の増殖を抑制してくれる特徴があります。
夏に気になる汗の匂い。汗が臭う原因は、この細菌が関係しています。というのも、もともとの汗にはニオイの物質は含まれていないそうです。汗がアカや皮脂と混じり、それを細菌が分解することでニオイ物質が発生して臭くなるというのがメカニズムなんだそう。
つまり菌の繁殖を抑えることは、ニオイを抑えるということにつながるんです。
ヘンプは吸水・速乾性がある
ヘンプ繊維は細かい穴が無数にある多孔構造になっています。この構造が、水分をすばやく吸い上げて、外に蒸散してくれます。
吸水速乾性に優れているので洗濯してもすぐに乾く上に、繊維が丈夫なので繰り返し洗っても型崩れしにくいと言われています。
ヘンプにはUVカット機能がある
繊維自体が紫外線に強いヘンプ。ヘンプの紫外線遮断率は92%以上と、UVカット加工を施さなくても、ヘンプ生地で作られた服を着ていれば、肌を紫外線から守ってくれるんです。
今回選んだGOHEMP(ゴーヘンプ)のフットボールTシャツ
ヘンプのTシャツは探せばいくらか見つかる中、このTシャツを選んだ決め手は生地でした。ヘンプ55%、オーガニックコットン45%の環境に優しい生地が、今の気分にマッチしたのです。
化学肥料を必要とせず成長するヘンプは、未来の可能性を秘めたスーパープランツといえます。
一方、オーガニックコットンの方は摘み取るまでに手間のかかる栽培の難しい植物です。化学肥料や枯葉剤を使用せずに育てる分、雑草を抜いたり害虫を駆除したり収穫まで自然との戦いです。丁寧に育てられた綿花。それは、肌や環境に優しい素材になります。
ヘンプとオーガニックコットン。この二つの素材によって紡がれた生地は肌にも地球にも優しい素材。環境破壊をせずに衣服を楽しむことができるのです。
GOHEMP(ゴーヘンプ)の生地のこだわり
「人や地球に優しい服づくり」をコンセプトに1994年よりHEMP(大麻)の繊維を様々な素材と混紡しHEMPの着心地の良さや可能性を追求しているヘンプウェアブランドです。
次の世代と地球に少しでも美しい環境を残せたら、というのがGOHEMPの望みです。
手触り、肌触りは?
麻は硬い印象があると思いますが、ヘンプは案外柔らかい。辞典をめくるときに指先に感じるような、どこかしっとりとした感触があります。
僕はかなり肌が弱く、チクチクする生地は苦手なのですが、問題なく着れました。かゆくはないとはいえ、着心地はコットン100%のTシャツには劣ります。
透け感はあるのか?
Tシャツを選ぶ上で忘れがちなこと。透けてしまうものもあるということ。今回は夏場に一枚で着るTシャツを探していたので、透けないのが条件です。
一枚で着ると、生成りっぽいナチュラルは透けたのでゴールドというにしました。夏場に一枚で着るには、色物が良さそうです。
サイズ感は?
170cm、60kgの僕はジャストサイズがMなのですが、フットボールTはルーズに着たかったのでXLにしてみました。
パンツは50sのオシュコシュのペインター。サイズ感がわかりづらいですが、 トレンド的にもちょっと大きめが良いのかなぁと思い、上下共にかなりダボっと着ています。
最後に
ヘンプを使用した服は近年人気です。
ファッションの流れがナチュラル志向だからそれにマッチしただけという見方や、新しいもの好きの若者が飛びついただけとの意見もありますが、一過性の流行や浮ついた現象とは一線を画す、購買心理の変化が読み取れるような気がします。
ある一定の人の間には「物を買う行為が地球環境、ひいては自分たちの未来を左右する」という意識が確実に芽生えはじめています。
「伝統」「品質」「機能」といったブランドの価値を伝える要素に、これからは「エコロジー」を加えなければならないのでしょう。
オーガニック、サステナブル、フェアトレード、エコロジーなど、少し前まで「意識高い系」と小バカにしたような表現はもう古いのかもしれません。
GOHEMPのヘンプTシャツ、満足のいくアイテムでした。これからの時期におすすめできる逸品です。
僕がヘンプについて知ってる限りのことをまとめた記事です。
オーガニックコットンの何がすごいのか、綿花栽培の裏側などをまとめた記事も合わせて読んでいただけると嬉しいです。
感想などをコメントいただけるのが、何よりとても嬉しいです。はじめましての方も、思ったことはお気軽にお書きください。