服地パイセン

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Tシャツでも経年変化を楽しめるピグメント加工は知ってますか?

デニムのように自分色に染める

こんにちは。服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。

 

僕は古着が好きです。技術やテクノロジーの進化によって、生地や縫製の質•シルエットの美しさなど最近の服の方が格段に良くなっているので、古着よりも現代の服の方がクオリティが高いのは間違いありません。

それでも昔のものに惹かれる人は多い。独特な雰囲気だったり、骨董品に近い「なにか」を感じるからでしょうか。

 

そんな魅力を持つ古着ですが、新品の服と組み合わせづらいと感じている人はたくさんいると思います。

ところが、新品の洋服でも古着のような褪せた感じを演出できて、経年変化も楽しめる染め加工があります。今回は、そんな新品の洋服でも古着のようなアジのある風合いがだせるピグメント加工についてまとめてみました。

 

 

 

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服地パイセン アパレル業界15年以上の専門家。 「洋服のわかりづらいことをわかりやすく解説!」をモットーに、アパレル専門家ならではの視点で役立つ情報を発信します。しっかり使用した感想やアイデアなどを、あなたが製品を手にした時のことをイメージできるような内容で熱量高くまとめます。(詳しいプロフィールはこちら)。

 

ピグメント加工をかんたんにいうと

 ピグメント加工を簡単にいうと、顔料染めの加工。新品ですがヴィンテージのような経年変化を感じさせる染色方法です。

 

ピグメントダイとも呼ばれ、カラースウェットなんかに使われます。

 

ピグメントダイとは?ピグメント加工について詳しく教えて


不均一感とラフさが特徴で、粗野感のある染まり方をします。

「男らしい雰囲気」というような、立体的でゴツゴツとしたような、そうゆう雰囲気です。

 

 

ピグメントダイは比較的新しい染色方法で、粒子の大きい顔料が生地の表面を染め、摩擦により白く擦れた感じの出る加工です。

 

洗濯回数が増すごとに表面の色が落ち、ジーンズのように味のある色合いに変化していく特徴があります。

 

ピグメント加工の雰囲気

 

染めるといっても、顔料を繊維の奥までは浸透させず、生地の表面のみに色をのせる。

ピグメントは水に溶けない色素で、特殊溶剤と顔料を使って生地を染色させる加工技術をピグメント加工と言います。



GOOD ON(グッドオン)ピグメントダイTシャツの経年変化


 今回写真に使ったのは「GOOD ON」のアメリカンコットンTシャツです。

1〜2年くらい着用してこんな感じです。

普通のTシャツとは色落ちの仕方が違い、まるでアメリカ古着みたいな雰囲気。

グッドオンのTシャツは何枚か持っているんですが、一枚で着ても透けないところもお気に入りです。

 

グッドオンのピグメントダイTシャツ



 

襟元はこんな感じ

GOOD ONのピグメントダイTシャツの首元


この長年着たような粗野感のある雰囲気になるのがピグメントダイの特徴です。

 

染料と顔料の意味と違い

 

ピグメントダイは顔料で染めると書きましたが、まず、服を染める色素は「染料」と「顔料」があります。



ピグメント加工は顔料を使用した染色方法で、染料で染める通常の方法とは染める仕組みが異なります。

簡単に図で現すとこんな感じです。

顔料染めと反応染め(染料染め)

染料染め(反応染め)

繊維に染料を化学的に結合させて、内部まで染める

繊維の奥まで色が染み込むおかげで、クリーニングしても色が落ちないというメリットがあります。

 

顔料染め

染料は色が落ちにくいですが、ピグメント加工はあえて色落ちをさせるための手法です。

 

バインダーと呼ばれる接着剤を使用して、粒子の大きい顔料を生地に固着させる染色法です。

本来はプリントに用いる顔料を使って染める技術です。

 

顔料は繊維に色が付着している状態にすぎず、着用による摩擦や洗濯によって表面が擦れて、徐々に色褪せていきます。

 

長く愛用していくと上質なヴィンテージウェアのような自分だけの一着に仕上がりる「経年変化」が楽しめます。

 

洗濯では生地の色落ち・色移りに注意

ピグメント加工は色落ちを楽しむための加工です。

 

何度も使い込むごとに味わいが生まれ、唯一無二のフェード感を持った服が出来上がります。

着用や洗濯を繰り返すことで、徐々に顔料がはがれ、下地の繊維部分が現れてきます。

 

 

そんな経年変化が楽しめるピグメント加工ですが、色移りに注意しないといけません。

 

色が落ちやすい代名詞といえばデニムです。

ジーンズの青色が白Tシャツに付着てさまった、なんて経験はないでしょうか。

デニムに使われる糸はインディゴ染めといって、色落ちのしやすい染め方をしています。それと似たようなものだと思っていいと思います。

 

顔料染めの製品は色褪せしやすい繊細な商品です。

顔料は粒子なので、他の製品と擦れ合った時に色が付着しやすいので、洗濯するときは洗濯用ネットに入れるのをおすすめします。

 

 

ピグメント加工のメリットとデメリット

ここまでで既にほとんど語ってしまったのですが、メリットとデメリットという形でまとめました。

 

メリット

例えばジーンズの加工では、ストーンウォッシュといって軽石と一緒に洗って、古着のような風合いを表現したりします。

生地に本物の物理的なダメージを与えるんですね。

 

ところが、ピグメント加工ならダメージなしでヴィンテージ感のある仕上がりにできるんです。

 

 

デメリット

上でも書いたように、色落ちや色移りしやすいので、取り扱いには注意が必要です。

 

 

最後に

ピグメント加工特有のビンテージライクな生地感は、ジーンズやチノパンなどのアメカジアイテムと相性がとても良いです。

 

 

 

 

 

アメリカンコットンについて書いた記事もあるので合わせて読んでみてください。

www.fukujipaisen.com

 

 

ヘンプTシャツの機能性について書いた記事もあるのでこちらも是非。

www.fukujipaisen.com

 

 

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