服地パイセン

生地にうるさい服屋で学んだことを活かし、洋服のわかりづらいことをわかりやすく解説します。

洋服の色落ちの原因を知ることで、購入前にリスクを減らすことができるんです!

洋服の専門家が解説する色落ちの原因と対処法

こんにちは。 服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。

 

洋服を洗うと、色落ちしてしまうことがあります。他の洋服に色移りしてしまうとせっかく気に入っている洋服が台無しになってしまうことも多いです(白い服はたった一回の失敗で着れなくなってしまいます)。

 

色落ちしてしまう原因はいくつかあるのですが、洋服生地の専門家として注意する箇所を絞り込むと、これだけ知っていると色落ちの悩みが解決できる!という問題点としてはこの3つでしょう。

  • 染料の安定性
  • 生地の染色堅牢度
  • 摩擦や水温など洗濯の環境

それぞれの対処法や、僕の色落ち失敗談について書いてみます。

 

 

 

 

落ち着いた色の服だからと油断していたら色移りしてしまいました

通販の会社で働いていると、洋服の取り扱い方法についての問い合わせが多いことに驚かされます。

そういうこともあって洋服の取り扱いについては自然と詳しくなるので、自身では色落ちの失敗はほとんどありません。……と言いたいところなのですが、実は先日一度だけ失敗しました。

 

嫁が購入した黒い長袖カットソーがものすごい色落ちしてしまったんです(たしか海外の激安通販サイトで購入したものだったと思います)。

そして一緒に洗った他の洗濯物に色移りしてしまい、その日の洗濯物はすべて赤っぽく染まってしまいました。

タオルは家の中だけで使うものですし、色の濃い洋服はわからないので問題ないのですが、白いTシャツは最悪でした。赤っぽくまだらに色移りしてしまったことで、もう着れなくなってしまったんです。

 

ひとつ疑問が出てきます。
『黒い服を洗ったのに赤くなるの?』
『赤い服から色移りしたんじゃないの?』
ということ。

 

意外と知られていませんが、洗濯した生地の色のまま色が移るとは限らないんです。このケースでは黒い服から赤い色素が流れ出たということです。気をつけて欲しいポイントは『派手な色柄ものだけでなく、黒い服でも色落ち色移りする』ということです。

要するに、黒くて地味な洋服でも洗い加工や色止めが施されていないものは注意ですね。染料の安定性も生地の堅牢度も高くなかったことが色落ちの原因です。

 

それでは次の項から『染料の安定性』『生地の染色堅牢度』『洗濯の環境』それぞれについて解説してみます。

 

【色落ちの原因その1】染料の安定性が低い

安定性の低い染料

色落ちの原因の一つに、染料の安定性の問題が挙げられます。

安定性の低い染料は、繊維に強く付着せず、洗濯や摩擦によって色素が溶け出しやすい。つまり、色落ちの原因になります。

 

染料の安定性は染料の種類や製造方法によって異なり、一概にどの染料の安定性が高い低いとは判断できません。例外が多すぎるのです。

 

では、消費者としてはどうすればいいのかって話なんですが、答えはシンプルで、洋服を購入する際に洗濯表示や製造元から提供される情報を確認して、特に色落ちの可能性があるかどうかを把握することが重要です。安定性は消費者にはわからないので、まずは洗濯表記を確認するようにしましょう。

 

生地が天然繊維で、色の濃くて未洗いのものは要注意!製品染め、後染めのものは色落ちしやすい、くらいの認識でいいと思います。

 

(補足)
染料と聞くと、色のついた植物を絞りその液体につけて色をつける…ような天然染料をイメージしてしまいますが、現代の染料は主にイオン結合によって繊維と色素を科学的に結びつける方法が一般的です。

 

【色落ちの原因その2】生地の染色堅牢度が低い

染色堅牢度のそれぞれ異なる生地

あまり馴染みない言葉かも知れませんが色落ちの原因の2つめとして『生地の染色堅牢度』について知っていることも大事かもしれません。

染色堅牢度とは、染料によって染められた生地が紫外線や水などに対する色落ちや変色の強さのことです。

 

どのような生地が堅牢度が高くて何が低いのかというと、1番分かりやすいのは『使用されている素材で見る』のが割とわかりやすいかもしれません。

  • 堅牢度が高い生地:ポリエステル系
  • 堅牢度が低い生地:天然繊維•ナイロン系

という理解でとりあえずは問題ありません。

 

【色落ちの原因その3】水温や摩擦など洗濯の環境

洗濯機で洗濯する

原因の3つめとして、洗い方の注意点についても触れておこうと思います。

 

色落ちは衣類の染料が水や洗剤に溶け出してしまう現象なので、水の温度が高くなると色落ちしやすくなります。なので熱いお湯で洗濯をする際はご注意ください。

 

あと、洗濯物どうしの摩擦で色がうつってしまうこともあるので、色落ちしやすいものと擦れないようにもご注意ください。これはネットに入れるのが簡単です。

というのが、洋服を購入してから色落ちが気になった場合の対処法になります。

 

では、購入前に色落ちするかどうかを調べる方法はないのか、というとそんなことはありません。

色落ちしてしまうかどうかは事前に知ることができるので、どのような点に注意すべきかを次の項でまとめます。

 

色落ちするかを見極めるにはココを確認すべし

例えば店舗で購入する場合でも、店員さんが洋服のお手入れについてまったく詳しくなかった、なんてことはよくあることです(いい加減なことを言う店員さんも多いので要注意)。

なんにしても自分でもチェックできた方がいいと思うので、次のようなポイントに注目することが大切です。

 

洗濯表示を確認する

洋服には洗濯表示が付いているので、まずはその表示を確認するようにしましょう。

意外と確認しない人が多いのですが、洗濯表示はJIS規格(日本産業規格)で表示が定められているのでとても信用できる情報です。

洗濯表示に『色落ちすることがあります』という注意書きがある場合は、色落ちの可能性が高いといえます。

 

通販の場合には、洗濯に関する表示をしっかり記載してくれている店舗の方が安心して買い物できるので、そのようなお店を選んだ方がいいです。

お客様のことを考えている店舗、経験豊富な店舗は、そのような小さいことだけど当たり前の事を必ずしっかり行っています。

 

色の濃さを確認する

洋服の色落ちと色の濃さには一定の関係性があり、どうしても派手で濃い色の洋服は色落ちのリスクが高い傾向にあります。

 

色の濃さは染料や染め方によって決まり、染料が繊維にしっかりと固着している場合は色落ちしにくいです。

しかし、染料が表面的に付着している場合やしっかり染まっていない場合、洗濯時に色落ちが起こりやすくなります。

 

特に初めて洗濯する際は、色素が余分に残っている可能性があるので注意が必要ですね。

 

レビューや口コミをチェックする

オンラインでで購入する場合は、購入前に他の人のレビューや口コミにしっかり目を通し、色落ちに関する情報を探してみることも有効です。

同じ商品を購入した人たちの経験を参考にすることで、色落ちのリスクを予測することができます。

 

色落ちしそうな服はとにかく摩擦を避けるべきです

色落ちのリスクはあるけど、デザインが気に入ったから購入を決意することもあると思います。

すでに持っている洋服が色落ちのリスクが高いもので、これから初めて洗濯するなんてこともあると思います。

 

そんなときは、物理的に色移りしない状況をつくるのが確実な対処法です。

できれば色落ちが心配な洋服だけ別で洗うのが望ましく、絶対に白物とは分けて洗ったほうが良いです。

 

色落ちのトラブルは、初めての洗濯の時に1番起こりやすいので、落ち着くまではしばらく別々で洗うのも1つです。

洗濯中に摩擦が起きないようにネットに入れるのも大事です。

 

最後に

色落ちの主な原因とその対策についての内容でした。まとめると、

  • 染料、生地、環境とさまざまな原因がある
  • 天然繊維で色の濃くて未洗いのものは要注意
  • 購入前に製品の情報をチェックする
  • 色落ちしそうなら別々で洗う
  • ネットに入れて洗う

といったところです。

どうしても色移りが心配な時は、案外知られていないアイテム『色落ち防止シート』を使用するのもおすすめです。

 

頻繁に使わなくていいと思いますが、いざというときのために備えておくのは1つの手だと思います。値段も安いですし。

 

 

この記事は、困りもん暮らしメモを運営している、コマリさんからご質問いただき作成しました。ご質問いただきありがとうございます。

 

みなさまへのお願いですが、「知りたい内容と違う」「もっとこんなこと知りたい」といった声があれば、いつでも追加や修正をしますので、気軽にコメントください。読んでくださる皆さんのためにも、そして僕のためにも、率直なご意見をお待ちしています!

 

いただいた貴重なご質問にお答えしていこうと思います。詳しくはぜひこちらの記事も読んでみてください。

www.fukujipaisen.com

 

 

他にもこちらに洋服のお手入れについてまとめてみたので、是非読んでみてください。

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