こんにちは。 洋服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。
毛玉といえば、ニットやフリースなどの毛足の長い冬の衣類にできるイメージがあります。ですが実は、Tシャツにも毛玉はできてしまいます。
この記事では
- 毛玉ができてしまう原因
- Tシャツの毛玉を防ぐ方法
- 毛玉に対してやってはいけないこと
などを解説します。
この記事を読むとTシャツの毛玉ができる原因や対処法がわかります。捨てようと思っているようなTシャツも、もう一年着れるようになるかもしれません。
Tシャツは毛玉が出来るとどうなる?
洋服を長く着ていると毛玉ができたりくたびれてしまいます。
それは仕方のないことなのですが、毛玉ができてしまうとどんな悪影響があるのでしょうか。
毛玉のせいで見た目がみすぼらしくなる
洋服に毛玉がついていると、どうしても見栄えが悪くなってしまいます。
当たり前ですが、清潔感は大切です。
意図的に生地の表面にヴィンテージ加工を施して、デザインとして毛玉っぽくしているものもありますが、基本的には避けた方が無難だと思います。
毛玉があると着心地が悪くなる
Tシャツは冬物のニットやフリースと違って、肌に直接触れるものなので、毛玉があると着心地にも影響してしまいます。
薄手のものだと特に着心地が悪くなってしまいます。生地が薄いものは軽くてソフトな肌触りなので、より気になってしまいます。
Tシャツに毛玉ができてしまう原因とは?
Tシャツについている毛玉は、ほこりや汚れではありません。
毛玉の正体は繊維が玉状になったものです。
では、なぜTシャツに毛玉ができてしまうのでしょうか。
毛玉ができる原因は摩擦
毛玉ができてしまう1番の原因は摩擦です。
Tシャツにつかう糸はしっかり撚ってありますが、繊維が擦れると糸の表面が毛羽立ってしまいます。
この毛羽立ちがまた擦れて絡まることで、毛玉ができてしまいます。
化繊混紡の生地は毛玉ができやすい
天然繊維100%のものよりも、混紡素材の方が毛玉になりやすいです。
それぞれの繊維の柔軟性や強度が違うので絡まりやすく、生地の表面に残ってしまうといわれています。
写真はコットン50%ポリエステル50%のTシャツの生地です。生地をよく見てみると、はっきりとした毛玉が無数についています
このTシャツは2005〜2010年くらいに購入したもので、ここ数年着ていませんが押し入れに運良く残っていました。
今は生地が厚めのヘビーオンスのTシャツが人気ですが、その当時は透けるような薄めの生地が流行っていたのです(懐かしいっ!)。
ちなみの、レディースの方がトレンドの流れが早いのですが、こういう薄めの生地感のものを見かけるようになってきました。
また少しずつ薄手のTシャツのトレンドが回ってきている兆しなのかもしれません。
この生地を毛玉を拡大して観てみると、毛玉が編み目の上に乗っかるように発生しているのがわかります。
天然素材でも長年使っていると毛玉ができる
これは10年以上着ているグッドウエアのTシャツの生地です。
化繊の混紡されていないアメリカンコットン100%の生地ですが、後ろ身頃の裾付近はうっすら毛玉ができそうです。ところどころフワッとしています。
生地を拡大して観てみます。
毛玉とまではいきませんが、毛羽立ちが見られますね。
同じ倍率で見てみると、グッドウエアに使われている糸は太いことがよくわかりますね。
Tシャツの毛玉を防ぐ方法
さて具体的に毛玉を防ぐ方法ですが、基本的にニットやスウェットと同じで『摩擦を避ける』ことです。
服が擦れてしまうことは避けられないのですが、できるだけ摩擦を避けるために簡単にできることを挙げていきます。
洗う際は洗濯ネットに入れる
洋服のダメージで1番多いのが洗濯によるダメージです。
Tシャツに洗濯ネットを使う人は少ないかもしれませんが、せめてデリケートな生地のものだけでも洗濯ネットに入れて洗うことをおすすめします。
おしゃれ着洗剤と柔軟剤をつかう
Tシャツとはいえ、毛玉ができて欲しくないものは『おしゃれ着洗剤』とよく言われる、中性の洗剤を使うようにしましょう。
中性洗剤は洗浄力が弱く、生地へのダメージが少ないのです。
柔軟剤は毛玉の原因にもなる静電気の発生を抑えてくれます。
化繊混紡の生地を避ける
上でも軽く触れましたが、コットンと化繊の混紡素材は毛玉ができやすいです。
2種類以上の素材で作られた生地は、それぞれの柔軟性や弾力性が異なります。
それぞれの繊維の毛羽立ち同士が一度絡まりあうと、なかなか解けにくいので固まって毛玉になってしまいます。
天然繊維は剥がれていってくれますが、化繊は耐久性が高いので、毛玉として生地に残りやすいです。
毛玉処理でやってはいけないこと
毛玉を見つけたらついついひっぱってしまいますが、ちょっと待ってください。
やってはいけないことなどをまとめます。
生地についた毛玉を引きちぎってはいけない
毛玉と繊維はつながっていて、生地の繊維の延長です。それを無理やりむしり取ると繊維に強い力が加わり、引きちぎられてダメージになります。
むしり取った毛玉は無くなりますが、その部分はすでに毛羽立っているような状態で、次の毛玉が発生する準備が進んでいます。
そうなるといずれは、毛玉が再びあらわれやすくなるという無限ループに陥りやすいです。
生地の負荷がかかるような毛玉の取り方はしないほうがいいです。
毛玉はコロコロでは取れない
生地の表面についほこりなんかはコロコロで取れますが、毛玉は繊維が絡まっている状態なので取れません。
毛玉に対してコロコロは効果がないと思った方がいいです。
Tシャツの毛玉をとるには
生地にできた毛玉は、負荷がかからないよう引っ張らずに鋭い刃で切るようにします。
カミソリでもいいかもしれませんが、雑に扱うと生地を痛めますし、チマチマやっていると時間がかかってしまいます。
テスコムの毛玉クリーナーがおすすめ
僕は毛足の長さに合わせて高さを調整できるテスコムの毛玉クリーナーを使っています。
これまでにスウェット、ニット、フリースなどいろいろな生地の毛玉を取ってきて、いずれも満足いく出来でした。
Tシャツの毛玉にも使えるのか試してみます。
毛足は短めの設定し、左側だけ毛玉を取ってみました。
間に点線を入れて見ると、毛玉が取れているのがはっきりとわかります。
スウェットやフリースと比べると少し生地の上を滑らせる回数は多かったのですが、満足の仕上がりです。
毛玉クリーナーの注意点
このテスコムの毛玉クリーナーは、生地の毛足の長さに合わせて低•中•高の3段階で調整ができるのが特徴です。
もう数年使っているんですが、カバーを外すことができることに最近気付きました。
『もしかしたらカバー無しの方が毛玉を取れるのかも?』と思い、試しにカバーを外した状態で毛玉取りをしてみました。
すると…
カバーをせずに毛玉取りをすると生地を巻き込んでしまい、穴があいてしまいました。
生地がペラペラで繊細だったこともあるんですがデリケートな生地の毛玉を取る際は、必ずカバーは付けて毛玉取りをした方がいいです。
まとめ
Tシャツも毛玉を処理して長く使いたいものですね。
大切に扱えば、寿命を数年伸ばすことも夢ではありません。
- 天然繊維と化繊の混紡生地は毛玉ができやすい
- 摩擦に気をつける
- 毛玉取りには毛玉クリーナーがおすすめ
- 毛玉クリーナーはカバーを付けて使用する
テスコムの毛玉クリーナーは、これひとつでTシャツからスウェットの毛玉、ニットセーターの毛玉、フリースの毛玉まであらゆる生地の毛玉に対応できるので便利です。
価格も2〜3000円くらいなので、本当におすすめです。
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