『10年着れる』と謳われるTシャツはいくつかあり、それらのTシャツは頑丈な縫製と丈夫な生地であることを理由に言われていることがほとんどです。
ですが、その事に対して『本当にそうなのか?』と疑問を持ったことをきっかけに深く考えてみました。購入時にはしっかり吟味して買っているはずなのに、なぜか10年着れているTシャツってすごく少ないのです。だからなんとなく違和感があったのです。
アパレル製品と向かい合い続けてきた経験や自身の実体験と重ね合わせて、本当にTシャツ10年間着るために必要なコトは何なのかを考えてみました。
そうすると『言われてみれば納得。でもいざTシャツを買う際に忘れがちな事』があまりにも多いことに気づきました。
長持ちするTシャツを検討される際、今回の記事の内容を頭の片隅に入れておいて欲しいです。
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10年着ているTシャツと長持ちしないTシャツを比較してわかった事
『生地や縫製が丈夫なTシャツは長く着れる』というのはよく言われます。具体的に『10年着れる』と謳っているブランドもみかけますが、本当にそれだけで10年間使えると真に受けていいのでしょうか。
例え10年間所有していても、使いにくくてほとんど着ていなかったら、それは10年間着れることにはなりませんし、逆に10年間着れたとしても着用者をみすぼらしい印象にしていたら意味がありません。
要するに消費者にとっては、 本当に10年間活用できることと、Tシャツの寿命として10年もつこと(=耐久性)は別問題だ思うのです。
僕の場合はどうなのか。気になったので、手持ちのTシャツの中から、長く着れているTシャツとすぐにヘタレてきたTシャツを見比べてみました。参考になりそうなものをいくつか挙げてみます。
これは僕が約10年着ていているグッドオンのヘビーウェイトTシャツ。
購入当時は超ヘビーオンスが流行っていて、いろんなブランドがヘビーオンスTシャツをリリースしていました。
そんな中で、ヘビーオンス生地×ピグメント染めのグッドオンのTシャツはどんな経年変化をするんだろうかと思って購入。本当にいい育ち方をしてくれました。でもこの9オンスの生地は、今のトレンドからすると、少し分厚すぎることもあり、着用頻度は減ってきました。
次は、7〜8年くらい前に買ったブラームスのサーマルワイドTシャツ。
そういえばこのTシャツを購入した時はサーマルやワッフル生地がすごく流行っていました。このTシャツは型崩れしないサーマル生地をブランドが独自に作っていて、そこに惚れて買った一枚。
『ワイドTシャツ』みたいな名前だったけど、今のトレンドとはバランス感が少し違うので、最近は出番が少なくなっています。
次は、10年以上着ているグッドウエアのTシャツ。
このブログでは何度も登場しているくらいお気に入りで、長年着続けています。ごく普通のポケTなんですけど、完成度が高くて廃れることない、僕の中での定番アイテムです。着用頻度は下がりつつありますが、いまだ現役です。
最後に、約2年の着用でくたびれてきたギャップのロンT。
アウトレットモールのGAPで見つけ、配色が気に入って一目惚れ。あまり気にせず即買いした1着です。生地が薄めで首周りの縫製もちょっと頼りないこともあって、割とすぐにヨレヨレになってきました。もうそんなに長くは着れないと思います。
…と、懐かしさを感じながらも色々とみていたら、数年前に買ったTシャツのほとんどは着用頻度が下がっていることに気づきました。10年間現役で着れるTシャツというのはなかなか出会えないものなのだと実感しました。
でも長持ちするために重要な事っていうのはあるはず。次の項では、長く着るための条件をまとめてみます。
Tシャツを長く着るために重要な9つの事
そりなりに古い様々なTシャツを比べてみると、違いがよくわかりました。
先にも書きましたが、10年間本当に着れるTシャツを見つけるのは難しく、長く付き合ってみないとわからないことも多いものです。
今回は 僕の実体験から得た、Tシャツが長持ちするための重要なポイントや、長年着用する間に変わってしまうことについて、まとめてみます。
1.首もとがよれよれに…ステッチはTシャツの寿命に大きく関係している
まず、耐久性に関して、縫製はまちがいなく重要な要素です。
ギャップのこのTシャツは首元がよれてきています。首がよれているTシャツを着ていると、どうしてもみすぼらしい印象になります。
長持ちしているTシャツと比べたてみると、首元の縫製が違いました。またぎステッチを施してあるTシャツの方が、首元がしっかりしています。
またぎステッチとは、ボディとネックリブの接合点をまたいだステッチのことです。これが施されているものと、ないものとではTシャツの寿命に大きく差が出ます。ステッチがないことでよれよれになりやすいのです。
( ▶︎ Tシャツの縫製とデザインにこだわる。丈夫でほつれない始末とは? )
2.薄い生地はへたれた…結局長持ちするのは厚みのある生地でした!
長持ちしないTシャツは生地も薄めであることがほとんどです。
生地が薄い=長持ちしない!とか、生地が厚い=頑丈で丈夫!と決めつけたくはないのですが、やはり生地に厚みがあるTシャツの方が長持ちしやすい傾向にあります。
厚みのある生地は、摩擦や引っ張りに対して強く、破れやほつれを防止します。また、厚みのある生地は薄手の生地よりも形崩れを起こしにくく、洗濯によるダメージにも耐えられます。
僕の経験上でも、生地の厚みと寿命は比例関係にあるといえます。
3.色褪せや汚れは避けられない…購入時にカラーに注意する!
数年も着用しているとTシャツの色は褪せてきます。いくら生地が丈夫で長持ちしても、色が激しく褪せてしまうとみすぼらしくなってしまいます。
このグッドウエアのサックスのTシャツは、青っぽい色がところどころ褪せていて、肌色っぽくなっています。綿のTシャツの色が褪せてしまうのは仕方ありません。染料の分子が紫外線や酸素等と結合して変色してしまったり、汗や皮脂の影響で褪色もしてしまいます。
綿のTシャツで色褪せを防ぐには、 色褪せがわかりづらいカラーを選ぶようにするしかないんじゃないかなぁと思います。それくらい10年という月日は長すぎます。色褪せがわかりにくい色は、白かナチュラル、杢グレーなどがあります。
ただししっかり着ていると、この白Tのように、シミがついてしまうものです。ラーメンやカレーうどんの汁が飛んでしまったり、お寿司の醤油や焼肉のタレなど、すぐシミになるので要注意。白Tは黄ばみやシミがつきやすいので、しっかりケアすることも必要です。
( ▶︎ 黄ばみを簡単に落とす方法を解説します!これで白Tシャツを長持ちさせる!)
4.Tシャツを長年着用すると臭いが蓄積しました…臭い対策が必要!
縫製も生地も丈夫で、10年着ても色褪せなし!そんなTシャツでも意外と忘れられがちなことがあります。いや、むしろ1番気にした方がいいかもしれません。それが臭いの問題です。
綿は臭いがつきやすく、Tシャツは肌に触れるアイテムなので臭いもつきやすいんです。
かくいう僕も40歳手前です。奥さんいわく、多少の加齢臭がしているらしい。若い頃はわかりませんでしたが、清潔感は見た目だけでなく臭いの面でも本当に大事だと、この歳になってつくづく感じます。
Tシャツは定期的に匂いをリセットしてあげることが長持いお付き合いに繋がってきます。
( ▶︎ 【Tシャツなど洋服の臭いの落とし方はコレがおすすめ】古着に染みついた取れないニオイも簡単に消臭できました! )
5.長く着るとTシャツも毛玉ができました…お手入れは必須!
この画像は10年以上着ているグッドウエアのTシャツの生地を撮影したものですが、 ところどころ表面が毛羽立っているのがわかります。
綿100%の生地は、混紡素材よりは毛玉ができにくいのですが、それでも多少の毛玉ができてしまいます。 これでも何回か毛玉取りをしてるので、今は毛玉らしい毛玉はありませんが、Tシャツもセーターやスウェットのように毛玉が発生してしまいます。
Tシャツと長〜く付き合おうと思うと、毛玉取りで定期的に正しくケアして行かなければなりません。
( ▶︎ Tシャツの毛玉ができる原因と対処法をまとめました。 )
6.洋服も自分も変化する…体型維持にも気をつけないといけない!
Tシャツを10年間着るということが難しい理由に、サイズの変化もあります。
サイズと言われるとTシャツの縮みを連想してしまいますが、Tシャツは2、3回も洗えば一定のサイズに落ち着くので、それ以降はあまり変化しません。なのでどちらかというとTシャツのサイズ変化よりも、着る人の体型の変化の方が問題だと思います。
仮に20歳の時に買ったTシャツを10年間着たら、その時自分は30歳なので、残念ながら体型は変わってしまっています。もちろん30歳の10年後は40歳になっているので、お腹も出やすくなっていますし、体型が崩れるのは当然です。
僕も、身長•体重こそそんなに大きな変化はありませんか、年齢とともに丸くなってきたというか昔の方がシュッとしていましたね。
7.価値観は変化する…流行との闘い!
ファッションには『トレンド』という厄介な変化がつきまとってきます。10年間という期間はTシャツのコンディションやサイズだけでなく、着る人の気持ちも変化させてしまいます。
トレンドによる大きな変化は、洋服の系統の変化(カジュアル、きれい目など)や、サイズ感の変化(ゆったりめ、タイト目など)があるかと思います。
自分の服装の軸を持っていても、多少はトレンドの影響を受けてしまうのです。僕も様々な流行に流されてきたので、同じ服を10年間同じモチベーションで着続けるのは、かなり難しいということがよくわかります。
( ▶︎ 平成のメンズファッションと自分の服装を振り返ると…。【2000年代、1990年代】 )
8.ライフステージは変化する…だらしない服装が受け入れられにくくなる
Tシャツを長く気続けれるかどうかを左右してしまう要素に、ライフステージの変化もあると思います。
例えば仕事が変わったり、家庭をもったり、子どもができたり…、生活が変わると着る洋服も変化してしまうのは仕方がありません。私服で通勤する人とスーツで通勤する人では、クローゼットの中身はまったく違うはずです。また、子供ができると、動きやすさや汚れても問題ないかを重視するようになります。
パートナーの友人と会う時に色褪せた小汚い服装だったり、子供の行事のときによれよれのTシャツを着ていると、印象がよくない(=人に迷惑をかけてしまうこともある)ので避けるのが無難。
僕は古着が好きなので、このことには痛いほど悩まされてきました。とりあえず白Tは清潔感があるので、長く着続けるには無難で間違いないと思います。
9.実際に10年着てみて…自分の服装はそのTシャツと相性がいいか?
Tシャツは様々な変化によって着にくくなってしまうと書きましたが、自分の服装のジャンルも大事な要素だと強く感じます。10年間着込んだTシャツが、自身の普段の生活でも使えるかどうかがポイントです。
Tシャツを10年間着ている間に、コンディションはどんどん劣化していきます。きれい目な服装が好きな人にとって、10年間着用して劣化したTシャツは使いづらいと思います。
Tシャツの10年間の変化をコーディネートに活かす事ができるのは、『古着が好きな人』もしくはTシャツのコンディションを保ち続けられる『カジュアル派の人』に限られると思うのです。
要するに10年着れるかどうかは、物が長持ちするかどうかだけでなく、自身の趣向も視野に入れた方がいい!と思うのです。
【結論】Tシャツを10年間着れる人は限られている!本当に長く着る秘訣は「耐久性以外」も重要!
こうして長持ちするTシャツについて深く考えてみると、製品の丈夫さや寿命だけでなく日頃のお手入れや、自分自身の問題もとても重要で、Tシャツを10年着ることのハードルはかなり高いということを改めて感じました。
でも、そんな高いハードルをクリアしてきたTシャツもいくつかあります。次の記事で、僕が実際に10年間使用できたTシャツにフォーカスして書いてみようと思います。
縮みにくいTシャツについての記事や、一枚で着れるTシャツを厳選した記事もありますので、よかったら読んでみてください。