服地パイセン

服の生地について語ります

Tシャツの縫製とデザインにこだわる。丈夫でほつれない始末とは?

Tシャツがもっと楽しくなる

 

こんにちは。
服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。

 

Tシャツのプリントや生地にこだわっている人は多いけど、ボディの縫製にこだわれてますか?

 

ヘインズやギルダン、アスレ、フルーツなど、お気に入りのボディやメーカーなどあると思いますが、ボディの縫製の種類についてまとめてみました。

 

Tシャツの縫製については意外と知らない人は多いんじゃないでしょうか。

 

知っていると、なぜこの始末にしているのかなど、デザイナーの意匠が汲み取れておもしろいです。

 

 

 

 

Tシャツは縫製にもこだわって欲しい

Tシャツの印象を決める要素に順位をつけると、

①プリントや色
②生地感
③サイズ感
④縫製
のような順番になると思います。

 

縫製は一番最後に見るところ。

 

シャツやジャケットと比べると、Tシャツは直感やフィーリングで選び、縫製まで見ていない人の方が圧倒的に多いと思います。

でも、その見なくてもいいところまで見るのが真の服好きではないでしょうか。

 

さて、縫製の話に入る前に、まずはTシャツの歴史なんかを紹介します。

 

Tシャツが生まれた国

Tシャツが誕生したのは、アメリカという説とヨーロッパという説がありますが、大きな影響を与えて広めたのは間違いなくアメリカでしょう。

 

アメリカ海軍が下着として使っていた丸首シャツがその原型です。

 

第1次世界大戦中(1914~18)、場所はヨーロッパ戦線。

フランスに大挙上陸したアメリカ兵たちは同じ連合軍であるフランス軍の兵士たちが着用していたコットンで作られた白の半袖、丸首の肌着に目を奪われたそう。

アメリカの兵士たちの下着は、ラクダのメリヤス肌着のようなものだったからその爽やかな肌着に衝撃を受けたとか。

 

アメリカ兵がこれを持ち帰ったところから、アメリカにおける新型肌着の歴史が始まります。

 

兵士たちが帰国した時、彼らは制服を肩にかけ、下着シャツの姿まま街を闊歩したそうです。

 

その下着のシャツ一枚で街中を闊歩する退役軍人たちからインスピレーションを受け、ヘインズ社がコブ・シャツ(水兵シャツ)と名づけて丸首Tシャツの販売をスタートさせます。

HANESの歴史

引用:HANES

 

それをまずは肉体労働を主とする人たちが普段の作業着として着用し始めました。


そして50年代、ジェームス・ディーンやマーロン・ブランドなどのスターがTシャツをかっこよく着用したことから若者を中心に火がつきました。

 

Tシャツの語源については、広げたときにT字型であることから「Tシャツ」と呼ばれているようです。

日本におけるTシャツの歴史

さて、日本でのTシャツはどうだったかというと、第二次世界大戦後、少しずつ知られるようになっていきました。

 

アメリカ映画の中でスターが着用していたのを追いかけて、1960年代にはファッションアイテムとしても取り入れられ出しました。


ですが、かつては人前で肌着を見せることのなかった日本では、1970年代に入るまで一般的には下着の感覚が強かったようです。


70年代にはTシャツとデニムが若者のファッションとして爆発的に広まり、今では老若男女があたりまえに着るようになりました。

 

今みなさんが着ているTシャツには、こんなストーリーがあったんですね。

 

Tシャツの縫製方法と仕様

歴史がわかったところで、今回の本題です。「Tシャツの縫製」についてみていきます。

 

Tシャツはパターンが簡単なので、見る箇所は「首」「袖・裾」「脇」です。

 

実物を見ながらの方がよくわかると思うので、今着ているTシャツがどうなっているのか見ながら比べるのがわかりやすいと思います。

襟、首の縫製

首もとは伸びないようにリブになっていたり、補強が施されていたりします。

ロックネック(ロック付け襟)

ロックネックのTシャツの縫製

2枚の布を結合するときにロック縫製することから、ロックネックと呼ばれます。

現行のプリントTはほとんどがこのロックネックになっているんじゃないでしょうか。

 

襟とボディの生地を内側に折り込んで、裏側から縫い合わせる襟の付け方です。

 

画像のものはリブとボディの接合部分をまたいでステッチが入っているのがわかります。

これはロック縫製したその後に平二本針のステッチが入っていて、こっちの方が丈夫です。

 

バインダーネック

バインダーネックの画像

身頃生地を挟む(バインドする)ように襟を付けることからバインダーネックと呼ばれる仕様です。

よく見ると、ボディの生地が挟まれているのがわかります。

襟が細いものはこの縫い方が多いです。

タコバインダー

タコバインダーの縫製

首周りの内側の縫い目を覆い隠すようにした縫製方法です。

補強のために、両肩から首後ろまでテープ処理をすることをタコバインダー始末と言います。

ひらがなの「ひ」の字みたいになっている処理です。

 

裾•袖の縫製

袖と裾の処理は基本的に同じです。

2本針平縫い

二本針平縫いの縫製


裾と袖口の折り返しに使用する、もっとも一般的な縫い方です。

裾の処理をするためのステッチが2本走っているのがわかります。

天地引き

天地引きの縫製


折り曲げた生地の端を、一本針のミシンですくって縫われます。

表にステッチが見えにくい縫い方なので、ステッチを目立たせたくないときに向いています。

 

構造上ほつれやすく、熟練の技術を要する縫い方です。

脇(胴体)の縫製方法と種類

脇はTシャツの製造工程でデザインが全く変わります。

生地を縫い合わせるか、生地を製造した段階からあらかじめ筒状になっているものの2種類があります。

 

横割りボディ

横割りボディの縫製


前身頃と後ろ見頃が別の生地で脇の部分を縫い合わせています。

なので袖の下あたりに継ぎ目のステッチが入ります。

これが今もっとも一般的な胴体の縫製です。

 

丸胴

丸胴の縫製


Tシャツの銅の部分が前身頃から後身頃まで一枚の布でできています。

に縫い目がないので肌あたりが良いという特徴があります。

 

この丸胴ボディは、生地を作る工程で筒状に編みながら生地を作っているので生地の生産効率が悪く、生産枚数は減ってきています。

ヴィンテージのTシャツによく見られるこだわりのディテールです。

 

胴に継ぎ目のないチューブ状なので、チューブボディとも呼ばれます。

 

その他こだわりの縫製

その他にも強度や意匠性を高めるためにこだわった縫製はあります。

どちらも工程が増えたり、ミシンや職人が少なかったりで工賃が高くなる仕様ですが、こだわる価値のある縫製です。

 

またぎ二本針ステッチ

マタギ二本針ステッチ


二つのパーツを最初にオーバーロックミシンで縫い合わせ、そのあとにつなぎ目をまたぐように2本のステッチ入れたものです。

カバーシームとも呼ばれます。

 

ロックミシン+二本針ステッチなので、強度が高くほつれにくいこと、ステッチ部分にアタリが出るのでカジュアルな印象になることが特徴です。

 

フラットシーマ

縫い代を平らに縫製できるので、肌あたりが良い縫い方です。

フラットシーマについては、過去に詳しく書いた記事があるので、是非読んでみてください。

  

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最後に

無地のTシャツは様々なブランドから発売されていますね。

一見同じに見える無地のTシャツでも、縫製までよく見てみると違いがあったりしておもしろいです。

 

丈夫な縫製には頑丈な生地がつきもの。過去にアメリカンコットンについて書いた生地もあるので、よかったらそちらも読んでみてください。

 

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感想などをコメントいただけるのが、何よりとても嬉しいです。

はじめましての方も、思ったことはお気軽にお書きください。

 

 

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