こんにちは。
服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。
1、2年くらい前からでしょうか。アウトドアブランドで、とある変わった生地をよくみかけるようになりました。
スノーピークでバッグやエプロン、THE NORTH FACEやワイルドシングスのバッグなんかでよく見かけます。
大きく「X」状のあみあみが浮かび上がったこんな生地(ダイヤ柄といった方がいいのでしょうか)。
はじめは 「変わった生地だなぁー」と思っていましたが、これはX-PAC (エックスパック) と呼ばれる高機能素材です。
その構造や機能なんかについてまとめてみました。
X-PACの構造
X-PAC(エックスパック)はヨットの帆でシェア世界一を誇る、アメリカのDIMENSION-POLYANT社が開発した生地です。
表地+X-PLY+裏地という3種類の素材を貼り合わせた3層構造からなる、強度・軽さ・防水性を兼ね備えた特殊な生地です。XPLYという強度のある繊維を菱形の格子状に挟み込んでいるのが特徴で、X-PACの構造はこうなっています。
そういえば、生地のこういうイラストや服の絵などをいつも載せていますが、一応全部自分で描いてます。
まだ書きはじめたばかりなので、まだまだ下手ですが、今回は上手く描けたなぁーとか思いながら、ひとりでニヤニヤしたりしてます。
X-PACのサコッシュをつかってみて
エックスパックを使用したアイテムはひとつだけ持っていて、F/CEのサコッシュを使っています。
スマホ、財布、文庫本などが入るサイズなので普段使いにぴったり。
あとで生地の特徴なんかを説明しますが、とても軽いので長時間持っていても疲れず、音楽フェスにもぴったりで気に入っています。
サコッシュなので、収納力はあまりありませんが、ルアーフィッシングなどのちょっと釣りに行くときなんかにも役立っています。
エックスパックのメリット
とても軽い
X-PACはその軽さが最大の特徴です。
たとえば一般的なナイロン性の30ℓザックが1kgだとすると、X-PACのザックでは、その半分の500g程になるくらいの感じです。
重量に関しては一概に「半分の重さになる」とまでは言えませんが、そのくらいの軽さなんです。
防水性が高い
上層の「ナイロン生地」と下層の「撥水加工されたポリエステルフィルム」が圧着されているので、防水性が高いです。
水が表地を通過しても、下層の撥水層が水を侵入させないので、中の荷物が濡れないようになっています。
雨の日の登山はなにかとザック内が濡れてしまうことが多いですが、X-PACであれば水の侵入を防ぐことができます。
強度が高い
織物は斜め方向の伸びに弱いという弱点があります。
X-PACはその欠点を補うために、中間層のXPLYを挟んでおり、弱点をカバーしてくれています。
薄くてとても軽いのに、タフな素材なんです。
エックスパックのデメリットと経年変化
耐荷重が低く、本格アウトドアには向かないことも
X-PACは強いと言えど、30kg以上の重量物を背負うようなバックパックには使われません。
なぜかというと、対荷重が高いわけではないそうです。
なので、荷物が重いガチの登山には向かないらしい。
「軽量で旅先で使えるようなサブザックが欲しい」という方にはピッタリな素材です。
小型のバックや財布なんかに使われていることが多いのはそのためでしょう。
劣化が早く寿命が短い
使用頻度にもよりますが、寿命は5年前後で、通常のナイロンと比べると寿命が短めです。
圧着していた層が、使い込むことで剥離してくることも。そうなってしまった場合、本来の機能は失われてしまうようです。
最後に
X-PACは丈夫で軽くて持ち運びしやすいので、普段使いやフェスなんかにはすごく良いです。
ナイフでの切り裂きにも強いらしいのですが、さすがに怖くて試せませんでした。
感想などをコメントいただけるのが、何よりとても嬉しいです。
はじめましての方も、思ったことはお気軽にお書きください。
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