服地パイセン

生地にうるさい服屋で学んだことを活かし、洋服のわかりづらいことをわかりやすく解説します。

サプレックスナイロンは化繊嫌いにもおすすめできる機能的な生地です。

サプレックスナイロンとは

こんにちは。 服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。

 

本格的に暑くなってきました。こう暑いと休日はカジュアルにショーツを履く人も多いと思います。

僕はパタゴニアのバギーズショーツが好きで、よく履いています。

 

patagoniaのバギーズショーツ

 

バギーズショーツの何がすごいって、街から海や山まであらゆるシーンで履ける機能性です。

生地にはサプレックスナイロンと呼ばれる素材が使われています。

 

そんなサプレックスナイロンについてまとめましたサプレックスは『ナイロンが苦手』という人にもおすすめできる、すごい生地です。

 

 

 

 

 

サプレックスナイロンとは?簡単に言うとどんな生地?

サプレックスナイロンは、ナイロンならではの強度がありながら、柔らかく綿のような手触りの繊維です。

 

サプレックスナイロンの手触り


ナイロンに肌触りが良いというイメージありませんが、サプレックスはコットンライクで肌触りがソフト。つまり、良い意味でナイロンらしくない生地です。

 

耐久性も高く、速乾性性もあり、軽量でしわになりにくいという特性もあります。

 

ざっくりとサプレックスナイロンについて知りたい、という方はここまでの理解で十分だと思います。


ここから先は、ウンチクやもっと詳しく掘り下げているので、ご興味があれば是非読んでみてください。

 

SUPPLEX(サプレックス)を詳しく解説

 

まず、サプレックスのロゴはあまり見かけないと思いますが、こんなデザインです。

 

SUPPLEXのロゴ

 

サプレックスナイロンの繊維について

 

サプレックスは66ナイロンというナイロン繊維をしています。

 

繊維が極めて細く、繊維密度が高くなることによって、通常のナイロンよりも柔らかく、風合いがコットンのような着心地を実現しています。

 

耐摩耗性が高く破れにくいのも特徴。

 

ナイロンは合成繊維としても広く知られています。このナイロンのうち、広く普及しているものがナイロン6とナイロン66です。

ちなみにナイロンは本来PA(ポリアミド)と呼ばれるプラスチックです。
ナイロンという名前は固有名詞になります。

 

ナイロン66分子構造とその意味

 

ナイロンの種類としてはナイロン6、ナイロン6.6、ナイロン4.6などがあります。

これらの4とか6という数字は、原料の炭素原子の数に由来しています。

 

ナイロン66の分子構造

出典:https://www.antron.jp/reason

 

 

分子構造とかよくわかりませんが、なんとなく分子の結び向きがしっかりしていて、形状が安定していそうですね。

 

開発したのはデュポン社かインビスタ社か?

 

サプレックスは「インビスタの生地だ」という人と「デュポンが開発した」という人がいます。

正しくはどうなのでしょうか。

 

サプレックスはアメリカのデュポンという会社が開発しました。
デュポンは1800年代から続く歴史のあるアメリカの三代財閥のひとつです。

現在の化学繊維の基礎を完成させた歴史的企業で"ナイロン"を開発したのもデュポン。

 

ですが「インビスタ社のサプレックス」として通っています。

これは、デュポン社の繊維部門のみが売却されインビスタが繊維部門のみを購入して名称が変わったという背景があるようです。

 

なのでサプレックスはインビスタ社の繊維とされています。

どの季節に活躍する?

生地の話に戻します。

サプレックスを着るのは、春夏のアクティブなシーズンがメインになると思います。

冬に着ているイメージはあまりありません。「こんなのあるよー」というのがあったら教えていただけると嬉しいです。

 

春はシャツやアウター

サプレックスのアウターやシャツはよく見かけます。

機能素材が流行っていることもあり、街で着れるようなシャツも増えているような気がします。

 

夏はショーツやパンツ

パタゴニアのバギーズショーツのコーディネート

サプレックスのショーツは夏場に大活躍します。

 

パタゴニアのバギーズショーツは本当に買ってよかったなぁと思います。毎年色違いを購入したくなるほどに。

実際毎年買っている人もいるんじゃないでしょうか。

 

アクティブに活動する季節に役立つこと間違いなしです。

 

サプレックスのメリットと特徴

アクティブな季節に活躍するサプレックス、その特徴をまとめます。

上ですでに書いてある内容と重複する部分もありますが、大目にみてください。

 

柔らかく天然素材のような生地感で着心地が良い

 

サプレックスは通常のナイロンより26〜36%柔らかいそうです。

繊維がすごく細く、繊維密度が高くなることで柔らかさを実現させています。

 

ナイロン素材ですがサラサラとした肌触りで、汗をかいてもストレスなく着れる素材です。

 

綿のようなナチュラルな風合いと美しさ、肌触りの良さを表現。

ナイロン100%ながら、なめらかな肌触りが特徴です。

 

 

高い耐摩耗性でキャンプなんかにピッタリ

ナイロンの良いところはなんといっても、摩擦に強いところです。

その厳しい環境にも耐えるタフさは、キャンプやアウトドアにもピッタリ。

 

「シワ」「色あせ」「縮み」を起こしにくく寿命が長いところも大きな魅力ですね。

 

洗濯してもすぐに乾く速乾性

サプレックスは濡れてもすぐ乾きます。

汚れても水で洗ってその辺に干しておけば、あっという間に乾いています。

これはなかなか洗濯できない旅行の時なんかにはすごく役立っています。

寝る前にホテルの洗面所で水洗いして干して寝ると、翌朝には乾いているので助かります。

 

軽量

軽いのはナイロンの特徴のひとつです。

サプレックスナイロンももちろん軽い。

 

軽くてどのようなメリットがあるかというと、持ち運びに便利ということ。

着替えとして持ち運ぶのにもぴったりな素材です。

 

UVカットの機能性もある

SUPPLEXは高いUVカット効果をもち、夏の強い日差しから肌を守ってくれます。

 

日焼けすることの多い、野外フェスや川・海など水辺でのアクティブシーンで活躍。

 

色褪せしにくい


染色性が高く、経年で色が変化しにくいのも特徴です。

色褪せは紫外線の影響で起きることがおおいのですが、サプレックスは紫外線に強く色褪せしにくい。

 

サプレックスのデメリット

良いところばかり書いてきましたが、注意すべき点なんかもあります。

 

熱に弱いので焚き火には注意

ナイロンは熱に弱く乾燥機が使えません。ですが速乾性があり、すぐに乾くので乾燥機を使うことはないと思います。

 

それよりも、焚き火をするときなんかは、火の粉にかからないようにご注意ください。

 

綺麗めな印象はない

 

サプレックスナイロンはアウトドアで使える、アクティブでカジュアルな雰囲気の生地です。

ドレス感はないので、きれいめなファッションが好きな人にとってはどうしても見た目が安っぽく感じてしまうかもしれません。

最後に

サプレックスナイロンはカジュアル派の人にとてもおすすめな生地です。

基本的にピスネームやタグが付いていない(と思う)ので、持っていても気づかないこともあるでしょう。

「なんか知らないけどいつも着ている服、サプレックスだったわ」なんて人もいるんじゃないでしょうか。

 

 

 

「合成繊維と化繊の違い」や「リサイクルナイロン」について書いた記事もあるので、あわせて読んでみてください。

 

 

 

www.fukujipaisen.com

 

 

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