こんにちは。
服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。
今はちからの入っていない雰囲気のゆったりしたシルエットが流行っています。
そういうこともあり、従来よりも肩幅や身幅を広めに取ったデザインの服が多く発売されています。
昔から着ている服と比べると、
「今売られているSサイズは、10年前のLサイズくらいの大きさ」なんてことがザラにあります。
そのまんま当時のLサイズ相当ってわけではなく、着丈を調整してくれてるので、わりとすんなり受け入れれます。
ずっと型番で同じ商品をやっているブランドならそんなことはないのですが、トレンドに左右されるファッションブランドは特にこの傾向があります。
今回は、サイズ感に関することをあれやこれや書いてみようと思います。
自分のジャストサイズとは?
今でこそ既製服を安く買えますが、洋服はもともとはオーダーメイドで作られていました。
オーダーメイドなのでその人に合わせた寸法で作られます。
シルエットに流行はありますが、基本的には「体に合った服」が良いとされていました。
体にあっているというと「ピタピタに着る」ような印象を持つ人もいるかもしれませんが、一概にそうとも言えません。
人によってはピッタピタで着ているのをジャストサイズと感じる人もいますし、ワンサイズくらい大きいのをジャストサイズと感じる人もいます。
その人の年齢や好みの服装にもよりますが
「ジャストサイズは人によって感じ方が違う」ということはよくあります。
何を隠そう僕もスキニーデニムとともに青春を過ごしてきたので、ジャストサイズの感覚がおかしかったことを後になって知りました。
普通にスキニーを履く分にはいいのですが、「細ければ細いほどかっこいい」と思っていた時期もあり、1サイズ下げて着るなんて当たり前でした。
今思うとなかなか恥ずかしい。
体型的にはMサイズ体型なのですが、Sサイズを好んで着ていました。
ゆとりもなく、明らかに小さいのですが、当時は自信満々にそれでジャストサイズだと思ってました。
「Sサイズが入る」と「Sサイズがジャストサイズ」では意味が全く違います。
決して細身のスタイルがダメと言っているわけではありません。感覚や思い込みで度がすぎることもある、という話です。
ブランドによってサイズ感が全然違うのはなぜか
サイズ感覚について書きましたが、ブランドやメーカーによってもサイズは違います。
それはなぜでしょうか。
理由をいくつか挙げていきます。
ブランドのターゲットが違う
20代のトガっている若者向けのブランドと50代の落ち着いた大人向けのブランドがあるとします。
20代向けのブランドはスラっとしたデザインでも問題ないかもしれませんが、50代向けのブランドは、体型が崩れてくることを想定してお腹周りに余裕を持たせたりします。
人間の体型は年齢とともに変化するもの。
このようにブランドのターゲティングやイメージ像によってシルエットやサイズ感は変わってくるんです。
国によってサイズの規格が違う
インポートブランドや海外企画のものは特にそうなのですが、西洋のブランドは日本人にとってサイズが大きい。
だいたいワンサイズ分くらい大きいです。袖も長いですし。
既製服はその人種の平均値をとって企画しているので、からだの小さな日本人にとって、インポートの服は大きく感じることが多いです。
縮みの問題もある
服は基本的に洗うと縮みます。
それは生地の目が詰まるからです。
生地はたて糸とよこ糸が交差しているか、糸が編まれてできており、そこにはわずかな隙間があります。
その糸が水を吸うことでぴったりくっついてから乾くことで、その隙間が埋まります。
糸同士の隙間が埋まるということは、その生地自体も小さく縮みます。
そういうこともあり、生地の段階で一度水を通したり、製品として縫い上げてから洗い加工を施してくれるブランドもあります。
そうする事で購入後の縮みによるサイズの変化を最小に抑えれます。
服のサイズというものは非常にデリケートで、糸を紡績した時、生地を織る時の気温や湿度の影響も受けます。
同じ型番商品でもシーズンによって微妙にサイズ感が違うことがあり、同じように作ろうと思っても、微妙に仕上がり寸法が違ったりするものなのです。
グレーディングの話
アパレルが産業として形成され始めるときに、既製服を普及させるために平均値を取って規格化されました。
もっとも標準的な大きさを「Mサイズ」とし、それより小さいものを「Sサイズ」、大きいものを「Lサイズ」としました。
例えばMサイズの服のサンプルがありそこから違うサイズを企画する場合、
SサイズはMサイズを基準に肩幅や身幅などを-2cm、
LサイズはMサイズを基準に肩幅や身幅を+2cmしたりします。
(2cmと書きましたが、3cmだったり4cmだったりもします)
標準寸法の型紙を、必要なサイズに応じて拡大したり縮小したりします。
これをグレーディングと言います。
各サイズが同シルエットで、デザインや全体のバランスを重要視してつくられます。
「細身の服が流行っていたときにLサイズとして販売していた服を、ゆったりシルエットが流行っているときは、少し着丈や身幅などを調整してMサイズとして販売する」このようなこともよくある話です。
決して悪いことではありません。
トレンドに合わせたマイナーチェンジを行なっているだけです。
いつごろ規格化されたかなど、アパレル産業について書いた記事もあるので、読んでみてください。
サイズで失敗しないために
サイズ選びで失敗してしまうことはあります。
その原因は色々あり、上でも書いた「自分のサイズ感覚を知る」ことも大事ですし、服についての知識を増やすだけで防げることもけっこう多いです。
そんな知識をいくつか書いてみます。
ヌード寸と仕上がり寸は違う
洋服のタグを見てみるとサイズが表記されています。
たとえばサイズがMやLなどアルファベット表記の洋服だと、タグには身長や胸囲が書かれてたりします。
このようなタグに記載された数字は、このサイズをちょうど無理なく着れる人の体型を示しています。
これがヌード寸。
つまり、体のサイズです。
一方、商品を通販サイトで見たときは、サイズ表にはウエストやヒップサイズが数字で書かれています。
これが、仕上がり寸。
つまり商品の実寸の数値です。
サイズ表を確認してもサイズが合わない原因には、このふたつを混同してしまっていることも考えられます。
ヌード寸と仕上がり寸があるということを覚えておくと、サイズの失敗は減ると思います。
ゆとりの考え方
ヌード寸に関しては、正確に測ることができれば問題ありません。
間違えやすいのは、自分の体の寸法から適切な商品サイズを選ぶことです。
サイズを選ぶ際には「ゆとり」が必要です。
「ゆとり」は、仕上がり寸から自分のヌード寸を引いたときの値です。
(厚みのある生地の場合は厚みも考慮しないといけない!)
一見当たり前のようですが、このゆとりをしっかり理解していないと、サイズ選びで失敗しやすくなります。
「いつもの洋服のタグに胸囲80~85cmと書いてあるから、サイズ表をみて同じくらいのものを選ぼう」
「自分のウエストは90cmだから、サイズ表で90cmのLサイズにしよう」
このようなヌード寸と仕上がり寸を混同した選び方は、失敗のもとです。
ヌード寸と仕上がり寸は別物で、服にはゆとりも必要であることを、よく理解しておきましょう。
正しい採寸の仕方
通販のサイズ選びで失敗しない方法は、自分のジャストサイズの服の実数値を測ることだと思います。
その数値と購入する服の実数値を比較すると、サイズ感がイメージできるはずです。
その際の注意点を書いてみます。
平らな場所で採寸する
でこぼこしてる場所では、服もでこぼこになるので、正しい数値が測れません。
服を引っ張らない
服は引っ張ると簡単に伸びます。
編み物は尚更ですが、シャツなどの織物も案外誤差がでるので、強く引っ張らないように測ってください。
JIS規格とJASPO
既製服の普及のために規格化されたと書きました。
基本的にはJIS企画が用いられますが、スポーツ衣料などサイズ表記にJIS表示ではなくJASPO表示を使用している商品があります。
JIS規格
日本産業規格は、産業標準化法に基づき、認定標準作成機関の申し出又は日本産業標準調査会(JISC)の答申を受けて、主務大臣が制定する規格であり、日本の国家標準の一つである。
JIS(ジス)またはJIS規格(ジスきかく)と通称されている。
1949年以来、長らく日本工業規格と呼ばれてきたが、法改正に伴い2019年7月1日より改称された。
引用:日本産業規格 - Wikipedia
JASPO規格
一般社団法人 日本スポーツ用品工業協会のことです。
スポーツ用品に関する規格、基準等の作成及び普及の増進などを行っています。
JASPO規格はフィット性や機能性を重視して、JISに比べてサイズピッチを細かくとっていたりします。
最後に
スポーツ衣料とアパレルメーカーのつくる衣料では目的が違います。
他にも、作業着とアパレルメーカーの商品も用途が異なり、作業着は働くことを考慮して作られていることが多いです。
例えば「買ってみたら袖が短かった」という製品は、メーカーが作業のしやすさを考慮して、袖丈をやや短く設計していたりします。
「アパレルメーカーの作るワークテイストの服」と「作業着」はやっぱりちょっと違います。
自分に合ったサイズを選ぶには、感覚や勘に頼らず、実際に測って比べてみるのが一番です。
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