こんにちは。 服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。
きれい目だったりカジュアルだったり。
スリムなものやダボっとしたもの。
世の中には実に様々な洋服があります。
『自分はこういうテイストの洋服が好きだ』
って、なんとなくでも頭の中にあると思います。
それはどこの国の文化の影響を受けているものでしょうか。
洋服の文化圏は案外限られています。その国に根付いた文化や価値観の影響を受けて洋服は進化してきました。つまり洋服を知るにはその国の文化や歴史を知ることが重要なんです。
今回はそんな洋服とお国柄について、ざっとまとめてみました。自分はどの国のファッションが好きなのか?考えてみませんか。
ファッションの本場がヨーロッパなのはなぜか?
今の百貨店や店舗などをみるとファッションはヨーロッパが中心の気がします。
なぜでしょうか?
それはヨーロッパの国々は豊かな貴族が多く、国としての経済力があったからです。
昔は王国で、貴族が王国を支えていました。
貴族が豊かであればあるほど王家も豊かになり国も豊かになります。
そして豊かな貴族は贅沢をするので、生活、食事、衣服は高価なものになる。
画家や彫刻家や音楽家や衣装作家などの文化人のパトロンとなる。
その文化人たちが評価されて有名になるとより豊かな貴族にリクルートされ、もっと有名になり産業となる…。
アートやファッションが産業になったのはそういう流れです。
そして産業としてはいろいろ変遷しつつ、ヨーロッパのブランドに引き継がれているんです。
ヨーロッパの国々は洋服やファッションの歴史も長く、そして国力があったので、ファッションの本場となっています。
アメリカの洋服
ファッションはヨーロッパが本場と書きましたが、アメリカの服が好きなのでまずはアメリカから書かしてください(笑)
僕はアメリカの服が好きです。
古着といえばアメリカ古着という中でも育ったことも影響してると思います。
洋服のタグに『made in USA』と書いてあるだけで2割くらい価値を感じてしまいます。
サーフィンやスケボーなどのカルチャーがアメリカ発信だからだったり、映画の主人公のファッションだったり憧れが大きいかもしれないですね。
バンズもコンバースもリーバイスももとは全部アメリカ製。でもアメリカ製だっていう意識は特になくて、物だけでなく、それに付随するカルチャー込みでかっこいいなと思ってしまいます。
アイテムでいうと、スウェット、太いチノパン、ボタンダウンシャツなんかがわかりやすいものだと思います。
アメリカの文化や環境
文化的な話をすると、アメリカは貴族階級がなく、一般階級の人たちが力を合わせて発展してきました。
そのためワークウェアやスポーツウェアなど、機能的で耐久性を重視したカジュアルなテイストの服が多いんです。
アメリカ発のブランドはカジュアルテイストなものが多いのもこれらの歴史的背景の影響だと思います。
アメリカの服はゆったりしていて合理的
アメリカの服の特徴は、万人が無理なく着られるゆとりのあるシルエットや、トレンドに影響されにくい普遍性。
決して縫製はキレイではないんですけど、そういう雑さも魅力です。
アームが太いとか丈が短いとか、決していい形とはいえませんが、そのどんくささが逆にいいんですよね。
アメリカのスーツスタイル
着る人の体型を選ばない、合理的な箱型のシルエットです。
ウエストの絞りが少ないボックス型のシルエット。
肩はナチュラルショルダー。
センターベントはアメリカの影響が強いデザインに多い仕様です。
イギリスの洋服
イギリスと聞くと、モッズだったりパンクだったりと言ったイメージも強いです。
ですが、イギリスのファッションを語る上で欠かせないのは、その文化や価値観が反映された伝統的な服でしょう。
『英国紳士』という言葉がしっくりきます。
イギリスのブランドは、チェスターコート、ステンカラコートなど、トラディショナルなスタイルを得意とするものが多い。
他にも軍服として生まれたトレンチコートや、乗馬服として生まれたキルティングジャケットなどにも品を感じるのは、他者への礼節を重んじる、という考え方が反映されているのでしょう。
服の着心地よりも、礼儀正しい装いをすることを優先するのがイギリスの人々のようです。
「知的さを感じさせたい」「誠実に見せたい」というイメージを与えたいなら、イギリスの服がぴったりです。
ブリティッシュウールのニット、ハリスツィードのアイテム、今流行りのバブアーなどはイギリスらしいアイテムです。
イギリスの文化や環境
長い歴史の中で貴族文化が浸透しているイギリスのファッションは英国紳士とよばれるように「礼儀としての装い」と考えられてきました。
イギリスは1年を通して曇りが多く、湿気に負けずに型崩れしない、しっかりとした作りの服が多いです。
イギリスの服は質実剛健で紳士的
厚手で固い生地を使用したり、肩パッドをしっかりと入れたり、ヨーロッパの他国よりも型崩れしにくい作りになっています。
タイトシルエットが主流で、
男女ともにウエストが美しくシェイプされたジャストフィットサイズが好まれます。
イギリスのスーツスタイル
ダンディズムで構築的な印象です。
パットがしっかり入ったショルダー。
シェイプされたウエストで立体的なボディライン。
サイドベントは英国調のデザインに多用されているディテールです。
イタリアの洋服
イタリアは「いかに異性の関心を惹くことができるか」を重視するそうです。
イタリアでは仕事終わりにデートをする際も、そのまま店に向かうことはせず、一度帰ってからデートに相応しいファッションに着替えて向かう人がほとんどなんだとか。
イタリアブランドのテーラードジャケット、
ブラウンのシャープなレザーシューズなどがイタリアらしいアイテムでしょうか。
イタリアの文化や環境
イタリアの気候は地中海ならではのカラッとした晴天が多く乾燥しているため軽やかな素材を使用して型崩れを防いでます。
イタリアは、古くはイギリスやフランスの服の下請けが多かったようです。
そこで鍛えられた技術力と陽気な国民性がイタリアで生み出される服のベースになっています。
イタリアの服は柔らかく曲線的で色気がある
誰のためでもなく自身の魅力を高めるために服を活用します。
イギリスの服とは違った、柔らかくて曲線的で美しいセクシーなシルエットにこだわるのです。
服もただ着るだけではなく、着こなし方にもひと工夫するのがイタリアらしいです。
例えば、シャツの襟をわざと崩して着たり、
長袖シャツの袖をラフにまくったり、
パンツの裾にニュアンスが出るように短く折り返してはいたり、服に動きや表情をつける細やかなこだわりが色気として感じられるのです。
イタリアのスーツスタイル
イタリアは毛芯も薄く軽いものを使用し、なめらでドレープ感のある生地が多く使われています。
同じスーツで比べてみても、しっかりと硬い生地で作られるイギリスのスーツに比べて、イタリアの服の特徴は、「柔らかさ」や「軽さ」を感じます。
肩パットのないアンコンジャケットや台衿のないイタリアンカラーシャツなど、ソフトでしなやかに仕上げられています。
自然で柔らかいエレガントさと、立体的なライン。
立体的な袖付けなど、シルエットの美しさがウリです。
フランスの洋服
ファッションといえば、フランスです。
ですが、フランスはモードと庶民文化の二面性が強く、型にはめるのがとても難しいと思ってます。
少なくとも今の僕の知識では端的にうまく説明できません。
フランス製ワークウェア、セントジェームスなどのバスクシャツなどフランス製のアイテムで固めれば、いわゆるフレンチカジュアルになっていきます。
フランスの文化や環境
ファッションは17世紀以降のフランスの重要な産業と輸出文化です。
18世紀頃のマリーアントワネットのような時代はレースなど贅沢なファッション、
1860年代からオートクチュールと呼ばれるオーダーメイド文化、
1960年頃からのプレタポルテという既製服文化など、ファッションの最先端はフランスでした。
フランスの服はシンプルで品が良い
フランス人のファッションは、流行りものを無理して追わず、ベーシックに着まわせるものを持っているので、服装もシンプルでシックだといいます。
決して派手ではなく、質の良いニットや着心地の良い服を知っていてシンプルながらもおしゃれに着こなしています。
ちなみにフランスのスーツは、どの国よりも自由な感性に満ち「基本」という型にあてはめにくいので、外しています。
最後に
ざっくりとまとめましたが、あなたの好きなスタイルはありましたか?
僕はアメリカのファッションが好きです。
全てを網羅するのは難しく、抽象的な内容も多くなってしまいました。
思ったことやご指摘など、お気軽にコメントいただけたら嬉しいです。
産業革命とアパレルについて書いた記事もあるのでよかったら読んでみてください。
日本のアパレル産業の歴史について書いた記事もあります。
平成のファッションについて書いた記事もあるのでよかったらどうぞ。