服地パイセン

生地にうるさい服屋で学んだことを活かし、洋服のわかりづらいことをわかりやすく解説します。

ペインターパンツとは?オシュコシュの古着で解説します

ペインターパンツについて

 

こんにちは。
服の生地についてのブログを書いています、服地パイセンです。

 

 

僕は古着が好きです。

特にアメリカ古着をゆったり着るのが好きなこともあって、ペインターパンツをよく穿きます。

 

細いパンツが全盛の時代は太すぎて穿きづらかったのですが、最近は太いパンツが流行っていることもあり抵抗なく穿けるようになりました。

 

 

「街で着ているから街着だとしたら、クチュールのガウンをストリートで着たらストリートウェアになるね」

 

これは現在Diorのデザイナーであるキムジョーンズ氏の言葉ですが、ハイブランドのデザイナーになるより前(たぶん20年くらい前?)からモードとストリートの融合を提案していたキムジョーンズらしい言葉です。

 

 

これはきっとほかのアイテムにも言えることでしょう。
クチュールのガウンではありせんが、ワークウェアや作業着も街で着たら立派な街着です。

 

オシュコシュのペインターパンツ

それでもやっぱり気をつけた方がいいことなんかもあったりします。

コーディネートやディテールなどについて書いてみます。

 

 

 

 

 

ペインターパンツとは

ペインターパンツは、その名の通りでもともと画家やペンキ職人が作業をする際に穿いていた作業用のワークパンツです。

 

OSHKOSHのペインターパンツ

大きめのポケット、ハンマーループやスケールポケット等がついているので、カーペンターつまり大工のためにつくられた作業着という説もあります。

 

深い股上に、太くてダボッとルーズなサイズで動きやすいように作られていていて、いずれにせよワークパンツなのは間違いありません。

 

ワークアイテムは様々な工夫が凝らされていて、知れば知るほど面白いもんです。

 

 

オシュコシュとは

1890年代にアメリカ・ウィスコンシン州で生まれたオシュコシュは、作業着メーカーとして、主にオーバーオールなどの作業服を製造する小さなメーカーでした。


しかし世界で初めて子供用のオーバーオールを製造したことをきっかけに、世界的に知られるようになったのです。

 

デニム以外にもヒッコリーや子供らしいカラフルなデザインが豊富で、コレクターも多くいます。


ちなみに「B’GOSH」は感嘆詞で、
「おっ!オシュコシュだ」みたいな意味があるそうで、語感やノリで決めたらしいです。

 

ヴィンテージ古着のオシュコシュのペインターパンツのディテール

オシュコシュのペインターパンツのディテールを解説していきます。

ボタンやジッパーなどの部材にこだわっているのもヴィンテージの魅力です。

 

生地

ペインターパンツの生地はライトオンスデニム

まずは生地から。

このペインターパンツにはライトオンスのデニム生地がつかわれています。

この年代のデニムは縦落ちが激しく、すごい迫力のある生地感です。

 

 

トップボタン

オシュコシュのペインターパンツのトップボタン

あまり意識したことありませんでしたが、オシュコシュのトップボタンってこんなにカッコよかったんですね。

四つ葉のクローバーの柄になっています。

ブログを書くために写真を撮り、改めてよく見てみて気づきました。長年着用してしているものなのに、また新たな発見があるのもブログの楽しみだったりします。

 

 

スケールポケット(ツールポケット)

OSHKOSHのペインターパンツのバックスタイル

ペインターパンツの右足に付いている縦長のポケットはスケールポケットと呼ばれ、その名の通り定規を入れるためについているそうです。

 

ツールポケットなんて言い方もします。

僕は活用したことありませんが、ちょっとしたものを入れたりできて便利なディテールです。

 

ペインターパンツは、左のヒップポケットにハンマーループと呼ばれる金槌を引っ掛けるループが付いている物が多いんですが、このパンツにはついていません。

 

 

タグ

50年代ヴィンテージのオシュコシュのタグ

タグはヴィンテージや古着の年代を判別するために最も役立つディテールです。

 

長方形の紺色×黄色の刺繍で、このデザインのタグは40年代から50年代頃に使用されたものだそうです。

 

ブランドロゴの他に
「UNION MADE」と「SANFORIZED」の表記が入ります。

 

ちなみにユニオンメイドとは、アメリカの労働組合員が制作した製品の事を指します。

自分たちと同じ立場の人たちが作った製品を着ている証明なんだとか。

 

「SANFORIZED」とはサンフォライズドという防縮加工の事です。

昔のデニム生地は洗うと激しく縮んでしまうものだったので、防縮加工が施されているのを記載しているんですね。

 

 

グリッパージッパー

ヴィンテージウエアに使われるグリッパージッパー

グリッパーはスコービル社のブランドの1つで、古いジーンズについていたり、ヴィンテージによく見られるジッパーです。

現代では全く見かけないので、ヴィンテージならではジッパーではないでしょうか。

 

トリプルステッチ

ペインターパンツに使われるトリプルステッチ

トリプルステッチとは、その名の通り3本の糸でがっちりと縫う縫製です。

トリプルステッチはライトオンスのカバーオールや、ペインターパンツなどワークウエアに使われることが多いです。

ペインターパンツのサイドはトリプルステッチ

負担のかかる箇所を補強するために使われ、シングルよりもダブル、ダブルよりもトリプルと本数が増える毎に強度は高くなります。

ダブルステッチはデニムの他にもカジュアルなシャツやチノなどにも部分的にですが幅広く使われています。


ダブルステッチとトリプルステッチを比べたら

大きな差は無いので大抵の服はダブルステッチで強度を補うことができます。

 

ダブルステッチについて書いた記事もあるのでよかったら読んでみてください。

 

www.fukujipaisen.com

 

 

ポケット裏のスレーキ

ペインターパンツのヒップポケットはいわゆるパッチポケットという貼り付け型のポケットで、横一文字にステッチが入ります。

ペインターパンツのヒップポケット

例えばリーバイスのデニムパンツは弓形のアーキュエイトステッチなど、そのブランドのデザインを象徴するものです。

 

対してペインターパンツは横一文字。

これは補強用のスレーキという布を貼っているためです。

オシュコシュのペインターパンツのスレーキ

 

スレーキとは平織や綾織で織った生地で、ポケットやパンツの裏に使用される生地のことです。

 

スレーキは表生地より安いことが多いので、ポケットやパンツ裏に使うことでコストを下げることができます。

 

ちなみに平織のスレーキは薄いのでポケットをあまり使わないジャケットに使われることが多いです。

逆にポケットにモノをよく入れるパンツのポケットには平織より厚手の綾織を使用します。

 

このペインターパンツにも綾織のスレキが使われています。

 

 

メンズのペインターパンツがダサく思われる理由は?

ペインターパンツはダサく見られたりします。

 

ペインターパンツ自体はださくないと思うのですが、印象が悪く見える要素が多いとは思います。

 

 

ルーズな印象でスタイルが悪く見える

一般的には細いパンツの方がスタイリッシュに見えます。「シュッとしてる」というやつです。

 

対してペインターパンツのシルエットはとても太く、脚が短く見えやすいです。

物自体がスタイリッシュの対極的なシルエットになるわけです。

 

なので、古着やヴィンテージのペインターパンツをスタイリッシュに着ようとするのは諦めてください。その方が結果的にうまくコーディネートできると思います。

 

汚く見える

ペインターパンツは作業着なので清潔感は感じられません。

古着のものとなれば、なおさらです。

このパンツは1950年代のものなので、70年前の服です。

 

こ綺麗なファッションを目指すなら間違いなく外した方がいいでしょう。

 

遊びで穿くのはいいのですが、かしこまった場に足を運ぶ際は絶対に履かない方がいいです。

 

ペインターパンツに合う靴と着こなし

ダサく見える理由で挙げたものは、簡単に言うと野暮ったくなるということです。

一般的にはおしゃれ=ある程度綺麗に見えるとか、そういうことです。

 

 

コーディネートについて、遊佐さんのブログ『ゆさん歩』で
ものすごく参考になることがわかりやすく書かれていました。

 

ボトムスとシューズは同じ「足」を共有するもの同士なので、真っ先に合わせておきたいんです。なのにシューズよりトップスを先に決めてしまうと、色々干渉してきてまとまりのあるコーデが出来ないんですよね。
いわばコーデを組むとは四則演算でいうところのトップス×(ボトムス+シューズ)みたいなもので、ボトムスとシューズのセットは先にこしらえておいてコーデの土台にしておく必要があります。 ボトムスとシューズが決まると、ある程度コーデの全体像が浮かび上がってくるので、後は絞られた選択肢の中から一つをチョイスするだけ。

コーデを組むときはトップスとボトムスのどっちが重要になるだろうか? - ゆさん歩

 

こちらの記事に詳しく解説されてますので、ぜひ読んでみてください。

www.yusanpo.com

 

 

パンツはコーディネートの方向性を決める、土台になるアイテムです。

 

それを踏まえて考えると、カジュアルダウンのアイテムです。

ペインターパンツくらい太くて野暮ったいアイテムは、綺麗目に合わせようとは考えずにとことん振り切ったほうがいいと思います。

 

 

ペインターパンツのコーディネート【ジョーダン1】

オシュコシュのペインターパンツとジョーダン1のコーディネート

僕が昔から好きなのは、ペインターパンツをストリートっぽく合わせる穿き方です。

 

写真はペインターパンツとジョーダン1の組み合わせ。

好きなアイテム×好きなアイテムで大好物な足元です。

ジョーダン1とOSHKOSHのペインターパンツのコーディネート

そもそもジョーダン1を太いパンツで合わせるのが好きです。逆にスキニーで合わせたりするのがあまり好きじゃないんです。

 

ペインターパンツのコーディネート【パラブーツのミカエル】

 

最近はほとんどスニーカーしか履かないのですが、「ラギット」や「ベビーデューティ」なんかのキーワードが流行っている時はレッドウィングのアイリッシュセッターやエンジニアブーツなんかを合わせていました。

 

今は手放してしまったので、唯一持っている革靴

であるパラブーツのミカエルを合わせてみました。

オシュコシュのペインターパンツとパラブーツのコーディネート



スニーカーよりも落ち着きのある大人な印象で、良い感じですね。

パラブーツのミカエルとペインターパンツのコーディネート

ジョーダン1と比べるとすこし靴のボリュームはコンパクトです。

 

 

ペインターパンツはアメリカのワークウェアです。

ここでヨーロッパの本格的なドレスシューズを合わせるとコーディネートの方向性がちぐはぐになってしまいバランスを取るのが難しくなってしまうので、カジュアルなテイストに持っていくのが無難です。

 

パラブーツのミカエルやチロリアンシューズがどいうものかというと、過去に記事にしてるのでよかったら読んでみてください。

 

www.fukujipaisen.com

 

 

 最後に

ペインターパンツについて書いてみました。

 

ペインターパンツはとても丈夫でかなり長い期間穿けるので、カジュアルな服装をしたい人におすすめです。

 

 

 

 

 

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